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第4章 勇者の剣と剣の巫女
第225話 ペット同伴お断り?
しおりを挟む「以外と早かったじゃねえか、勇者?」
時限は日没までとなってはいたが、幾分早めにやってきた。暗くなれば、ヤツらのほうが有利になる。闇の力は夜の方が強くなる。光の力はその逆だ。
「なんでぇ、ペット同伴かよ。お散歩でもしにきたつもりか?」
「ペットとは失礼でヤス!訂正を要求するでヤス!」
タニシは果敢にも名誉棄損を訴えている。ゴッツン効果で普段の倍以上強気になっている。魔王相手に大したもんだ。
「あぁ!!ペット風情は黙ってな!戦力外のヤツは引っ込んでな!」
「ムキーッ!!許さんでヤス!ガルルぅ!!」
タニシは牙を剥いて怒っている。結構様になっている。ドーピングの結果とはいえ随分とたくましくなったもんだ。
「お前一人でと言ったら、こんな野郎をつれてくるとはな。戦力外なら問題ないと思ったか?」
「ダメか?」
一瞬、緊張が走る。これでダメなら子猫の命や町が壊滅といった事態に陥る。運命の瞬間だ。思わず身構えて魔王の反応を待つ。
「どうせこんな小癪な真似をするだろうとは思っていた。俺がそんなことを予測できねえとでも思ったか?」
ヤツ自身も何か用意をしているっていうのか?それが何なのかによってはこっちは窮地に陥ることになる。
「だろうと思って特別ゲストを呼んでおいたワケよ!きっと驚くだろうぜ!」
魔王は口笛を吹いて、特別ゲストを呼び出した。ぞろぞろと人影が現れる。コイツらは……見覚えがある!
「ニャハハ!復讐の機会をもらえるとはさすが魔王様々だぜぇ!」
ソード・ランの町に来る前に俺達を襲撃してきたドラ猫一味だ!なんでコイツらが魔王に加担してるんだ!
「コイツら、憐れな捨て猫を、大層慈悲深ぇ俺様が拾ってやったってワケよ!そしたら、おめえらに恨みがあるって言うじゃねえか?俺様が特別にチャンスを与えてやったんだよ!」
最悪だ。情けをかけて命は取らなかったが、こんな形でしっぺ返しを喰らうとは!アイツらに恩を売ったつもりはないが、仇で返されてしまうとは思わなかった。
「オマケに魔王様は俺達にパワーを与えて下さった!この前とはワケが違うぜ!」
ドラ猫たちは前よりも目付きが悪くなり、体から黒いオーラを放っている。要するに魔族にされてしまったというわけだ。さらにやっかいなことになった。
「お前ぇら、やっちまいな!八つ裂きにして、やられた恨みを全部晴らしちまえ!」
まずいな。魔王と一対一ならタニシをかばうことはできるけど、集団が相手となると話が違ってくる。どうする?どうやって戦う?
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