191 / 401
第4章 勇者の剣と剣の巫女
第191話 勇者王見参!!
しおりを挟む
「まただ。あの時と一緒だ。」
あの時と同じ不思議な空間。二回目のはずなのに、なんだか懐かしい感じがする。もっと前から知っているような気もする。
「ついに勇者王の剣の元へやってきたようだね。」
聞き覚えのある声、とはいえこれで会うのは三度目。それでも忘れることのない印象に残る声。
「カレル!」
「ここへやってきたということは、とうとう自分の剣を作るということだね。その前に君はある人に会わなければならない。」
「ある人?」
周りを見ると多くの人がいた。あの時と同じく、歴代の勇者たちだ。前と違って人数が多くなっている。歴代の勇者たちの真ん中に異様に巨大な存在感を放つ人物がいた。後光が差していて顔や姿はここからでは確認できない。前にあんな人はいなかった。いたら印象に必ず残っているはず。何者なんだろうか?
「あの方だよ。」
やはり巨大なオーラを放つ人物に会わせるつもりのようだ。俺は黙ってカレルに付いていった。近付くにつれて、謎の人物の姿がはっきりと見えてきた。
「お連れしました。今生の勇者、ロアです。」
「うむ。ご苦労。」
とうとう目の前までやってきた。かなり昔風な服装をした老人だった。老人とはいえ、筋肉隆々で背もかなり高く、顔つき以外は若者にひけを取らないくらいの風貌をしていた。老人らしい部分は顔に刻まれた深いしわと、髪の毛と髭が白いところぐらいしかない。遠くから見てもすごかったのに、近付けば更にすごいオーラを放っているのがわかる。まぶしいくらいに。例えるなら、太陽だろう。とにかくそんな圧倒的な存在感だった。
「どうした?儂を見て驚いたか?こんな生き生きとした年寄りは現世でもなかなか見かけんじゃろう?」
「あ、ああ……。」
言葉にならなかった。圧倒されて頭が真っ白になる。何をすれば、何を話せばいいのかわからなくなってきた。
「儂はジュリアノス・クーザー。人呼んで、“勇者王”。儂が史上初の勇者じゃ。」
伝説の勇者王。目の前にいるのは歴史上の偉人なのだ。俺みたいなのがここにいるのが不思議だった。
「ホッホッホッ!はじめから堅苦しい話をしてしまっては余計にお主が緊張してしまいそうじゃ。ここはひとつ……、」
緊張で固まっている俺に気を遣ってくれるみたいだ。でもこのままじゃ何をしても状況が変わりそうにない。
「サヨの奴は元気にしておるか?」
「へ!?」
勇者王の口から意外な人物の名前が出てきた。俺は意表を突かれて目が点になった。
あの時と同じ不思議な空間。二回目のはずなのに、なんだか懐かしい感じがする。もっと前から知っているような気もする。
「ついに勇者王の剣の元へやってきたようだね。」
聞き覚えのある声、とはいえこれで会うのは三度目。それでも忘れることのない印象に残る声。
「カレル!」
「ここへやってきたということは、とうとう自分の剣を作るということだね。その前に君はある人に会わなければならない。」
「ある人?」
周りを見ると多くの人がいた。あの時と同じく、歴代の勇者たちだ。前と違って人数が多くなっている。歴代の勇者たちの真ん中に異様に巨大な存在感を放つ人物がいた。後光が差していて顔や姿はここからでは確認できない。前にあんな人はいなかった。いたら印象に必ず残っているはず。何者なんだろうか?
「あの方だよ。」
やはり巨大なオーラを放つ人物に会わせるつもりのようだ。俺は黙ってカレルに付いていった。近付くにつれて、謎の人物の姿がはっきりと見えてきた。
「お連れしました。今生の勇者、ロアです。」
「うむ。ご苦労。」
とうとう目の前までやってきた。かなり昔風な服装をした老人だった。老人とはいえ、筋肉隆々で背もかなり高く、顔つき以外は若者にひけを取らないくらいの風貌をしていた。老人らしい部分は顔に刻まれた深いしわと、髪の毛と髭が白いところぐらいしかない。遠くから見てもすごかったのに、近付けば更にすごいオーラを放っているのがわかる。まぶしいくらいに。例えるなら、太陽だろう。とにかくそんな圧倒的な存在感だった。
「どうした?儂を見て驚いたか?こんな生き生きとした年寄りは現世でもなかなか見かけんじゃろう?」
「あ、ああ……。」
言葉にならなかった。圧倒されて頭が真っ白になる。何をすれば、何を話せばいいのかわからなくなってきた。
「儂はジュリアノス・クーザー。人呼んで、“勇者王”。儂が史上初の勇者じゃ。」
伝説の勇者王。目の前にいるのは歴史上の偉人なのだ。俺みたいなのがここにいるのが不思議だった。
「ホッホッホッ!はじめから堅苦しい話をしてしまっては余計にお主が緊張してしまいそうじゃ。ここはひとつ……、」
緊張で固まっている俺に気を遣ってくれるみたいだ。でもこのままじゃ何をしても状況が変わりそうにない。
「サヨの奴は元気にしておるか?」
「へ!?」
勇者王の口から意外な人物の名前が出てきた。俺は意表を突かれて目が点になった。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

望んでいないのに転生してしまいました。
ナギサ コウガ
ファンタジー
長年病院に入院していた僕が気づいたら転生していました。
折角寝たきりから健康な体を貰ったんだから新しい人生を楽しみたい。
・・と、思っていたんだけど。
そう上手くはいかないもんだね。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

巻き込まれた薬師の日常
白髭
ファンタジー
商人見習いの少年に憑依した薬師の研究・開発日誌です。自分の居場所を見つけたい、認められたい。その心が原動力となり、工夫を凝らしながら商品開発をしていきます。巻き込まれた薬師は、いつの間にか周りを巻き込み、人脈と産業の輪を広げていく。現在3章継続中です。【カクヨムでも掲載しています】レイティングは念の為です。
ガチャからは99.7%パンが出るけど、世界で一番の素質を持ってるので今日もがんばります
ベルピー
ファンタジー
幼い頃にラッキーは迷子になっている少女を助けた。助けた少女は神様だった。今まで誰にも恩恵を授けなかった少女はラッキーに自分の恩恵を授けるのだが。。。
今まで誰も発現したことの無い素質に、初めは周りから期待されるラッキーだったが、ラッキーの授かった素質は周りに理解される事はなかった。そして、ラッキーの事を受け入れる事ができず冷遇。親はそんなラッキーを追放してしまう。
追放されたラッキーはそんな世の中を見返す為に旅を続けるのだが。。。
ラッキーのざまぁ冒険譚と、それを見守る神様の笑いと苦悩の物語。
恩恵はガチャスキルだが99.7%はパンが出ます!

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる