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第3章 迷宮道中膝栗毛!!

第116話 バカ発見!

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「ふはは!知らねーのか!あの都市伝説を!」


 エルちゃんたちの元へ駆けつけると、全裸の集団がいた。なんだアイツら!エルちゃんにそんな汚らしいものを見せつけるなあ!セクハラは許さんぞ!


「脱げば脱ぐほど強くなる!これが噂の脱衣闘法だあ!」


 バカだ。あんな噂を真に受けるとは。あの都市伝説テラーには感謝しなくては。だって、アホ共が自ら武装解除してくれたんだもん。


「伝説の忍者にでもなったつもり?じゃあ遠慮無く行くよ?」


 ジュリアは一言宣言し、世にも恐ろしい行動に出た!……間近にいた全裸バカの股間を思いっきり蹴り上げたのだ!


「ぎにゃぁぁぁぁ!!」

「あああ!なんてことしやがる!いきなり急所狙いなんてひどいことを!」

「あら?脱いだら強くなるんじゃなかったの?強くなったって言ったから、急所を狙うしかないじゃない?」


 うわあ。こいつ、やべえ!サヨちゃん並みに考えることがエゲツナイ!なんの躊躇いもなく、そんな行為ができるなんて常人の発想じゃねえ!


「うっ ぐぺぺぺぺーっ!」

「グ……パァー!」

「ぐぼォォォォ…。」

「ウボァー!」


 ジュリアの情け容赦ない攻撃によって、ヤツらは次々と絶命(注:死んでません。でも○○は死んだかもしれません。)していく。俺の出る幕はなかった。いや、正確には手が出なかった。敵とはいえ、その痛さを想像すると冷や汗が止まらなかった。


「おいおい、何があったんだ、これは?阿鼻叫喚の地獄絵図じゃねえか。」


 ようやくやってきたファルちゃんは一言感想を言った。本当にそんな感じだ。完全に同意だ。


「セクハラの罪を働いたヤツらに、神の裁きをお見舞いしてやったのよ!」

「世にも恐ろしい無慈悲な女神様だな、こりゃあ。」

「何か言った?」

「いいや、聞き間違いだろ?」


 ファルの皮肉の通りだった。まあ、さすがに“破砕の戦姫”様のやることですから。ヤツらも、もれなく、股間を破砕されてしまったわけだ。


「こ、こわい……。」


 エルちゃんとメイちゃんは二人で抱き合いながら、震えていた。そりゃ、普通、こんな光景を目にしたらそうなるよな。ある意味、グロい死体とか見せられるより、タチが悪い。


「愉快じゃのお。」


 サヨちゃんはサヨちゃんで何かニヤついてるし。ホントに趣味が悪い。一番タチが悪い。

 そのとき、収まったはずの事態がまた、動き始めた!わずかだが変な気配がする。増援か?


「よくもやってくれたな!こうなったら、プランCだあ!」

「きゃああああ!!」


 エルちゃんたちにどこからともなく現れた増援のヤツに襲われようとしていた。ヤツは何故か、手に宝箱を手にしていた。


「トラップ!発動!」

「アカン!それは!」


 おっちゃんが注意を促したが遅かった。宝箱が開かれた途端、謎の光が発せられた。その光に包まれた直後、エルちゃんたちは跡形もなく、そこから消えた!


「テレポーター悪用しよった!」


 転移の罠を?まさか罠をそんな形で使うなんて!意表を突かれた。初見殺しにも程がある!


「おい!何、ボケッとしてやがる。」


 言われてハッとなった。エルちゃんが消えてしまったことに動揺していたので気付かなかった。でも、もう遅かった。例え、ファルが俺を突き飛ばそうとしていたとしても……。


「トラップ、発動!“いしのなか”にでも入っちまえ!」


 宝箱の光を見てまぶしいと思った瞬間、俺の体は宙に浮いたような感覚になった。
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