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第2章 黒騎士と魔王
第42話 自分、不器用ですから
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「……っていうか、なんだよ!火炎祭りって!」
信じがたい事実を目にした。驚愕の事実だった。なんと、あの力士が火炎魔法を使ったのである。納得できねえ!なんで力士が魔法使えるんだよ!おかしいだろ!俺は脳筋の力士以下かよ!
「勇者様、落ち着いてください!」
「そうですよ。勇者様はたまたま調子が悪かっただけですよ。」
「勇者様が本気出したら、会場がめちゃくちゃになっちゃうから、手加減してたんですよね?」
錬金術師ちゃんや魔獣使い君たちが俺を励ましてくれる。みんなめっちゃええ人や。
「自分、不器用ですから……。」
涙が止まらねえ。自分が不甲斐ないのもあるが、みんなからの励ましが心に染みるのだ。くやしいのと感激の半々である。
「切り替えましょう!他にも実技試験はありますから!」
そう、まだまだ試験は続くのである。大抵の人は所々でしか実技は受けないが、俺だけはがっつり、全行程フルコースである。気が重い。あとのことを考えると。
「つぎは戦闘技能試験になります。対象者の方はご参集ください。」
戦闘関連か!これなら、なんとか汚名挽回、名誉返上……じゃなかった、汚名返上、名誉挽回してみせる。
戦闘技能試験の会場へと移動し、早速、出番が回ってきた。どうやらスケジュールの都合上、俺だけ優先で効率的に他の試験に回れるように便宜を図ってくれたらしい。
「さてと。相手はどんな奴かな?」
定位置に付き、模擬戦で使う木剣を手に取り調子を確かめた。一対一の模擬戦を行い、その内容から技能を確認するようだ。勝敗は特に関係ないらしい。でも、勝たねば、ますます居心地が悪くなってしまうだろう。
「勇者ドン!オイがお相手つかまつる!」
「……へ?」
おいおい!またお前か!力士が相手かよ。お前、どんだけ俺の前に立ち塞がるんだよ!どう見てもコレ、外人同士で当てがっただろ。しかし、変わった格好だな。ふんどしだけかよ。なんか俺の故郷のもっと東の国にこんな格好の戦士がいるとか、いないとか聞いたことがあるような気がする。
「それでは、模擬戦開始してください。」
唐突に始まりやがった。俺は相手のことで動揺してんのに。
「では、先にオイドンから行くでゴワス!」
来おったああ!早速来たぜえ。やっぱ面と向かってみるとすげえでかいな。さあどうする。下手に本気出すと、木剣とはいえ、殺してしまうかもしれん。自分、不器用ですから。
「ドスコイ!」
すごい早さの突きが来た。突きといっても拳ではなく手の平だが。これぐらいなら、なんとでもなる。ヴァルとか梁山泊の連中に比べれば、そんなに大したことは……、
「ド、ド、ド、ドスコーイ!」
(パーン!)
「タワシッ!」
思いっきり、顔面に食らってしまった!痛え。油断してた。こんな矢継ぎ早に連打してくるとは思わんかった。ドラゴン・ハンド並みじゃないのか?これは本気でいかんとこっちが殺される。
「ドスコイ!」
激しい連打を掻い潜り、隙を窺う。こういうときはあの技だ。俺は回避を兼ねて力士の頭上高く跳躍した。
「ドスコ……!?」
ヤツは俺の姿を見失っていた。その隙にヤツの脳天目掛けて木剣を振り下ろす。
「戦技一0八計が一つ!峨竜滅睛!」
(パッカーン!)
会場に響き渡るほどの大きな音がした。俺が着地したと同時に、力士の巨体が仰向けの状態で倒れた。
「終了です。速やかに控えの場所に戻ってください。」
力士が救護班に担がれて退場していく様を横目で見つつ、俺は控え場所まで戻った。そこで、試験官の人から声を掛けられる。
「あの、勇者殿!」
「ん?何すか?」
何か引きつり、青ざめたような顔で手招きしている。仕方なく、そちらへと向かう。
「困ります!勇者殿!これはあくまで模擬戦なので本気を出されては……。怪我人が出てしまってはこちらの立場がありませんので。」
「いやあ、コレでも十分手加減したんすけどねえ。」
冗談じゃない!模擬戦とはいえ、あんな奴とやりあってタダで済むと思ってんのかよ。現にこっちは怪我してんだよ!鼻血出てんだよ。死ななかっただけでもありがたいと思って欲しい。
「以後気を付けます。」
とりあえず、謝った。これが原因で不合格になってしまっては、冗談では済まされない。そうなったら、サヨちゃんに何されるかわからない。怖い。
「どうしたんですか!?その顔!酷いことになってます!」
戦闘技能の試験会場を出て次の会場へ向かう途中で錬金術師ちゃんに出くわした。まあ、やっぱ、そんなリアクションになるわな。ホント酷い目にあった。
「うん、まあ、ちょっとね。相手が力士だったんでね。こんなことに。勝ったけどね。」
まあ、あんな奴が相手だったんだから、これぐらいのことにはなるよね的に言ってみた。
「え!あの力士さんに勝ったんですか?すごいです。他の皆さんが言ってましたけど、今回の試験ではあの人が最強なんじゃないかって噂になってましたよ。もちろん、勇者様以外ではですけど。」
マジで!?じゃあ、ちょっとドヤってみようか。あ、でも無理かも。力士にもらったダメージのせいで顔が痛い。ドヤ顔できんではないか。ちくしょう。
「それにしても、痛そうですね。わたしが治します!」
そう言って錬金術師ちゃんは回復魔法を使い始めた。ありがたや。通常の数倍回復する気がするわ。
「勇者様~!どちらにいらっしゃいますか?今すぐお越しください!」
「いけねえ!急いで次に行かないと!」
「まだ、いっぱいあるんですよね?技能試験。頑張ってください。」
「ありがとう。君も頑張り給えよ!」
まだ、錬金術師ちゃんと一緒にいたかったが、次がまだまだあるので名残惜しいが、行くしかなかった。
信じがたい事実を目にした。驚愕の事実だった。なんと、あの力士が火炎魔法を使ったのである。納得できねえ!なんで力士が魔法使えるんだよ!おかしいだろ!俺は脳筋の力士以下かよ!
「勇者様、落ち着いてください!」
「そうですよ。勇者様はたまたま調子が悪かっただけですよ。」
「勇者様が本気出したら、会場がめちゃくちゃになっちゃうから、手加減してたんですよね?」
錬金術師ちゃんや魔獣使い君たちが俺を励ましてくれる。みんなめっちゃええ人や。
「自分、不器用ですから……。」
涙が止まらねえ。自分が不甲斐ないのもあるが、みんなからの励ましが心に染みるのだ。くやしいのと感激の半々である。
「切り替えましょう!他にも実技試験はありますから!」
そう、まだまだ試験は続くのである。大抵の人は所々でしか実技は受けないが、俺だけはがっつり、全行程フルコースである。気が重い。あとのことを考えると。
「つぎは戦闘技能試験になります。対象者の方はご参集ください。」
戦闘関連か!これなら、なんとか汚名挽回、名誉返上……じゃなかった、汚名返上、名誉挽回してみせる。
戦闘技能試験の会場へと移動し、早速、出番が回ってきた。どうやらスケジュールの都合上、俺だけ優先で効率的に他の試験に回れるように便宜を図ってくれたらしい。
「さてと。相手はどんな奴かな?」
定位置に付き、模擬戦で使う木剣を手に取り調子を確かめた。一対一の模擬戦を行い、その内容から技能を確認するようだ。勝敗は特に関係ないらしい。でも、勝たねば、ますます居心地が悪くなってしまうだろう。
「勇者ドン!オイがお相手つかまつる!」
「……へ?」
おいおい!またお前か!力士が相手かよ。お前、どんだけ俺の前に立ち塞がるんだよ!どう見てもコレ、外人同士で当てがっただろ。しかし、変わった格好だな。ふんどしだけかよ。なんか俺の故郷のもっと東の国にこんな格好の戦士がいるとか、いないとか聞いたことがあるような気がする。
「それでは、模擬戦開始してください。」
唐突に始まりやがった。俺は相手のことで動揺してんのに。
「では、先にオイドンから行くでゴワス!」
来おったああ!早速来たぜえ。やっぱ面と向かってみるとすげえでかいな。さあどうする。下手に本気出すと、木剣とはいえ、殺してしまうかもしれん。自分、不器用ですから。
「ドスコイ!」
すごい早さの突きが来た。突きといっても拳ではなく手の平だが。これぐらいなら、なんとでもなる。ヴァルとか梁山泊の連中に比べれば、そんなに大したことは……、
「ド、ド、ド、ドスコーイ!」
(パーン!)
「タワシッ!」
思いっきり、顔面に食らってしまった!痛え。油断してた。こんな矢継ぎ早に連打してくるとは思わんかった。ドラゴン・ハンド並みじゃないのか?これは本気でいかんとこっちが殺される。
「ドスコイ!」
激しい連打を掻い潜り、隙を窺う。こういうときはあの技だ。俺は回避を兼ねて力士の頭上高く跳躍した。
「ドスコ……!?」
ヤツは俺の姿を見失っていた。その隙にヤツの脳天目掛けて木剣を振り下ろす。
「戦技一0八計が一つ!峨竜滅睛!」
(パッカーン!)
会場に響き渡るほどの大きな音がした。俺が着地したと同時に、力士の巨体が仰向けの状態で倒れた。
「終了です。速やかに控えの場所に戻ってください。」
力士が救護班に担がれて退場していく様を横目で見つつ、俺は控え場所まで戻った。そこで、試験官の人から声を掛けられる。
「あの、勇者殿!」
「ん?何すか?」
何か引きつり、青ざめたような顔で手招きしている。仕方なく、そちらへと向かう。
「困ります!勇者殿!これはあくまで模擬戦なので本気を出されては……。怪我人が出てしまってはこちらの立場がありませんので。」
「いやあ、コレでも十分手加減したんすけどねえ。」
冗談じゃない!模擬戦とはいえ、あんな奴とやりあってタダで済むと思ってんのかよ。現にこっちは怪我してんだよ!鼻血出てんだよ。死ななかっただけでもありがたいと思って欲しい。
「以後気を付けます。」
とりあえず、謝った。これが原因で不合格になってしまっては、冗談では済まされない。そうなったら、サヨちゃんに何されるかわからない。怖い。
「どうしたんですか!?その顔!酷いことになってます!」
戦闘技能の試験会場を出て次の会場へ向かう途中で錬金術師ちゃんに出くわした。まあ、やっぱ、そんなリアクションになるわな。ホント酷い目にあった。
「うん、まあ、ちょっとね。相手が力士だったんでね。こんなことに。勝ったけどね。」
まあ、あんな奴が相手だったんだから、これぐらいのことにはなるよね的に言ってみた。
「え!あの力士さんに勝ったんですか?すごいです。他の皆さんが言ってましたけど、今回の試験ではあの人が最強なんじゃないかって噂になってましたよ。もちろん、勇者様以外ではですけど。」
マジで!?じゃあ、ちょっとドヤってみようか。あ、でも無理かも。力士にもらったダメージのせいで顔が痛い。ドヤ顔できんではないか。ちくしょう。
「それにしても、痛そうですね。わたしが治します!」
そう言って錬金術師ちゃんは回復魔法を使い始めた。ありがたや。通常の数倍回復する気がするわ。
「勇者様~!どちらにいらっしゃいますか?今すぐお越しください!」
「いけねえ!急いで次に行かないと!」
「まだ、いっぱいあるんですよね?技能試験。頑張ってください。」
「ありがとう。君も頑張り給えよ!」
まだ、錬金術師ちゃんと一緒にいたかったが、次がまだまだあるので名残惜しいが、行くしかなかった。
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