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第1章 英雄と竜帝
第1話 破門!そして行く当てのない旅
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「貴様は、本日をもって、この梁山泊から追放する!異議は認めない。即刻立ち去るが良い。」
彼、――ロアにとってそれは死刑宣告も同然だった。弟子入りして十年間で師範代になれぬものは滞在資格を失うのである。梁山泊の鉄の掟である。彼は項垂れながら、踵を返し山門を後にする。
山を降り、都へと向かう。世話になった師父の家を訪れ、別れを告げに行く。彼の敬愛した師父はもう既に鬼籍に入っていたが、師父の一人娘に別れを告げに行くことにした。
「レンファさん。今までお世話になりました。」
レンファと呼ばれた女性は申し訳なさそうな顔をしていた。
「ロア、本当に行ってしまうの?破門になったとしても、ここにいてくれてもいいのよ?」
ロアは人差し指で右頬を掻きながら、決意は変わりませんと返答した。
「それにレンファさんに迷惑が掛かりますから。そして師父にも。」
「父が生きていれば、こんなことにはならなかったと思うんだけど……。」
「例えそうだったとしても、掟は掟ですから。」
「じゃあオレは行きます。お元気で!」
名残惜しいが、このままここにいても、彼女に迷惑が掛かってしまうので、彼はこの場を立ち去ることにした。
「いつ戻ってきてもいいのよ。とにかく、無茶だけはしないでね。」
振り返らずに、右手を上げてその言葉に返事をする。その言葉を背に彼はその場を後にした。
都を出て以降、彼は行く宛のない旅を続けるつもりでいた。とにかく自分の知らない場所へ行きたい、新しい生き方を探すのだと意気込んでいた。意気込みだけは良かった物の、そう都合よくことが運ぶわけではなかった。各地を旅し、田園風景を眺めたり、絶景を眺めたり、猛獣や賊に襲われそうになったり、その旅路は決して順風満帆ではなかった。そんなこんなで旅立ってから、二ヶ月は経過しようとしていた。
「もう国境近くまで来てしまったか。」
遠目に関所を見ながら、独り言を言った。元々彼は独り言が多い。考えていることがつい口先から出てしまう。
「この国ともこれでお別れか。寂しくなるな。」
口では言っているが、本心ではこの国から逃げ出したい気持ちの方が勝っていた。嫌な思い出を振り切るかのように。決めたからにはもう先に進むしかなかった。
それから関所を出て数日が経った頃、彼の旅路に変化が訪れることになった。
彼、――ロアにとってそれは死刑宣告も同然だった。弟子入りして十年間で師範代になれぬものは滞在資格を失うのである。梁山泊の鉄の掟である。彼は項垂れながら、踵を返し山門を後にする。
山を降り、都へと向かう。世話になった師父の家を訪れ、別れを告げに行く。彼の敬愛した師父はもう既に鬼籍に入っていたが、師父の一人娘に別れを告げに行くことにした。
「レンファさん。今までお世話になりました。」
レンファと呼ばれた女性は申し訳なさそうな顔をしていた。
「ロア、本当に行ってしまうの?破門になったとしても、ここにいてくれてもいいのよ?」
ロアは人差し指で右頬を掻きながら、決意は変わりませんと返答した。
「それにレンファさんに迷惑が掛かりますから。そして師父にも。」
「父が生きていれば、こんなことにはならなかったと思うんだけど……。」
「例えそうだったとしても、掟は掟ですから。」
「じゃあオレは行きます。お元気で!」
名残惜しいが、このままここにいても、彼女に迷惑が掛かってしまうので、彼はこの場を立ち去ることにした。
「いつ戻ってきてもいいのよ。とにかく、無茶だけはしないでね。」
振り返らずに、右手を上げてその言葉に返事をする。その言葉を背に彼はその場を後にした。
都を出て以降、彼は行く宛のない旅を続けるつもりでいた。とにかく自分の知らない場所へ行きたい、新しい生き方を探すのだと意気込んでいた。意気込みだけは良かった物の、そう都合よくことが運ぶわけではなかった。各地を旅し、田園風景を眺めたり、絶景を眺めたり、猛獣や賊に襲われそうになったり、その旅路は決して順風満帆ではなかった。そんなこんなで旅立ってから、二ヶ月は経過しようとしていた。
「もう国境近くまで来てしまったか。」
遠目に関所を見ながら、独り言を言った。元々彼は独り言が多い。考えていることがつい口先から出てしまう。
「この国ともこれでお別れか。寂しくなるな。」
口では言っているが、本心ではこの国から逃げ出したい気持ちの方が勝っていた。嫌な思い出を振り切るかのように。決めたからにはもう先に進むしかなかった。
それから関所を出て数日が経った頃、彼の旅路に変化が訪れることになった。
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