グッバイ、マザー

苦手だった母が亡くなった。
母には虐待されたわけでも、彼女自身が救いようのない人間だったわけでもない。
恐らくはただ、相性が悪かっただけ。

それでも世間は〝私〟のその感情を認めてくれない。
娘が劇的な理由もなしに母親を嫌うことはありえない――そんな常識に、これまでずっと苦しめられてきた。

母が亡くなったことで抱いたのは安堵。記憶を辿って思い出すのは苛立ち。

葬儀に出るのは娘としての役割を果たすためだった。
そこには何の意味もないはずだった。


※結構暗めですので苦手な方はご注意ください。
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