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第四章 東海林美亜
〈四〉もう一人
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尾城は河野と共に江戸川西署に戻ると、すぐに八尾を連れて彼の家へと向かった。簡易的ではあるが、これから本人立会いの元で八尾の自宅の捜査を行うのだ。
「――すみません、散らかってて」
その言葉どおり、八尾の家はお世辞でも片付いていると言える状態ではなかった。この日だけ荒らしたというよりは、そもそも片付けが苦手なタイプなのだろう。あちらこちらに出しっぱなしにしているであろうものが散乱し、洋服も干したものを取り込んで適当に床に積み上げ続けているように見える。辛うじて食品のゴミはそこまで散らかっていなかったが、それでも流しには溜まった洗い物や、コンビニ弁当の容器が重ねられていた。
男の一人暮らしならこんなもんだよな――尾城は流しから目を逸らし、カーテンのかかった窓の方に目をやった。特に何か見たいものがあったわけではなく、この惨状から目を背けたかっただけだ。
この家の状態がそう珍しくもないことは、自分の男友達の家を見て知っている。もっと酷い散らかり方をしているのも見たことがある。それでもどちらかと言えば綺麗好きな方である尾城にとって、あまりまじまじと見ていたいものではなかった。
一方で尾城と一緒に来た捜査員達はこういった部屋には慣れているようで、部屋の状況には無反応でどんどん作業を進めていた。片付けているわけではなく必要なものを外に運び出しているだけだったが、それが救いとなって尾城はゆっくりと視線を室内へと戻した。
「そういえばもう一人の……えっと、河野さんって方はいらっしゃらないんですね」
「河野は留守番です。見ての通りほとんど専門の捜査員が行うので二人もいる必要はなくって」
「尾城さんは僕のお目付け役って感じでしょうか」
「まあ、そんなところです」
尾城が答えると、八尾は少しだけ苦々しい顔をした。「僕ってそんなに弱そうでしょうか」、彼の呟いた言葉の意味が分からなくて尾城が視線で聞き返せば、八尾は苦笑を浮かべた。
「ほら、刑事さんが二人組なのって相手を取り押さえるためでもあるのかなって。そう考えると尾城さん一人だけしか付かないってことは、僕は一人でも十分だと思われてるんじゃないかと……」
「二人なのはそれだけが理由じゃないですよ。それに今だって河野はいないですけど、周りに他の捜査員がいるんで一人じゃないでしょう?」
「ああ、そっか」
警察署にいた時よりも幾分か口数が多いのは、やはり河野が苦手だったからだろうか――尾城は河野が自分は八尾に嫌われていると言っていたことを思い出した。嫌われているかどうかは定かではないが、初対面で河野を得意だと思う人間は珍しいだろう。
自分も今でこそ冗談を言えるようになったが、最初の頃はいつ怒られるか分からなくてびくびくしていた記憶がある。少し前のことを考えて懐かしさを感じた尾城だったが、今は仕事中だと思い出して慌てて意識を現実に戻した。
「この家に偽の橘が来たことは?」
誤魔化すように尾城が問うと、八尾は「いいえ」と首を振った。
「僕はこの家の場所を教えたことはありません。まあ、だからと言って彼女が知らないとは限らないんですけど……」
嵌める相手のことは調査済だろうとでも言いたげに八尾は眉根を寄せる。
「では、最近ここに他の誰かが来たことはありますか? 勿論何かの業者でも」
「それもないです。僕、友達もいないんで……刑事さん達以外だと、郵便の配達くらいしか来たことないですよ。それもここ数ヶ月は覚えがないです」
「宅配便とかも? ほら、最近は食事も含めネットショッピングの利用も増えてますし」
「ないです。デリバリーサービスの配達員はしたことありますけどね、自分で使うためのそういうサービスのアカウントは持ってすらいないので」
今時珍しいな――そんな尾城の気持ちが顔に出ていたのか、八尾は彼の方を見ると「お金ないんで」と苦笑いした。
「ああいうのってサービス料が取られるじゃないですか。自分で用意した方が安く済みますから。しかも普段自分がそのサービス料で仕事してることも考えると尚更無駄に思えちゃって」
「ああ、なるほど。それはちょっともやもやしそうですね。じゃあ八尾さんの住所を知っている人物自体少ないのか……」
尾城は相槌を打ちながら部屋を見渡した。改めて見ると、確かに八尾はそんなに余裕のある生活をしているようには思えない。
散らかっていることにばかりに気がいってしまっていたが、家の中にある家具や家電は少し古く見える。八尾がこの家に住んでいるのは長くても高校卒業後からの五年程度のはずだが、それよりも古く見えるのは中古品でも買っているからかもしれない。
「不在時に誰かが忍び込んだと感じたことは?」
八尾に心当たりがないのであれば、彼に知られずに偽の橘椿は侵入していたのかもしれない――尾城が言外に込めて尋ねれば、八尾はゆるゆると首を振った。
「そういう記憶はないですね。ただこの部屋を見ていただけると分かると思いますが、あまり細かいことは気にならないタイプなので……単に気付かなかっただけというのもあるかもしれません」
八尾の言うとおり、これだけ散らかっていれば多少小物の配置が変わっていても気付かないだろう。部屋を散らかす人間の中には、散らかした上で全ての物の位置を大体把握している者もいるが、八尾はそういうわけではないらしい。本人が言うように、そもそも散らかっていること自体が気にならないタイプなのだろう。
「まあ、何かあればこちらの捜査で出るでしょう。その時に思い当たることがないか聞かせてください」
あっという間に物がなくなっていく部屋を見ながら尾城が言えば、八尾は勿論と力強く頷いた。
「そういえば……東海林美亜さんとは、どういう関係でした?」
部屋の中身が持ち出されるのを見ながら尾城が思い出したように尋ねると、八尾は困ったような表情を浮かべた。
「どういうって……警察署でお話ししたとおり、ろくに話したこともない相手です」
やはりそう答えるのか――尾城は越野から聞いた話を思い出しながら、内心で溜息を吐いた。未だ越野と八尾のどちらの言い分が正しいか分かっていないが、どことなく越野の話には嘘はないような気がしていたのだ。
「でも好きだったんじゃないですか?」
「どうして……」
「先程千葉に行ってたんですよ」
尾城が八尾の疑問に答えれば、目の前の男は何かを察したように表情を暗くした。
「……ああ、あの噂のことですね。まだ言ってる人いたんだ……」
「何故教えてくれなかったんです?」
「意味がないと思ったんで。告白も含め全部根も葉もない噂だったので、すぐにみんな飽きてましたし」
そう答える八尾を観察するように尾城は目を細めたが、不自然なものは感じ取れなかった。
§ § §
八尾の自宅の捜査が終わった後、尾城は警察署に戻っていた。結論から言えば、今日の捜査では八尾の家からは何も出なかった。誰かが忍び込んだ形跡も、盗聴器のようなものが仕掛けられていた様子もない。
途中で期待できないかもしれないとは薄々感じてはいたが、まさか何も出ないとは――尾城は疲れたように溜息を吐くと、自席で難しい顔をしている河野の元へと近寄った。
「お疲れ様です」
「おつかれさん。何か出たか?」
「何にも。検査中のものもありますけど、そっちも期待できないでしょうね」
尾城が言えば、「こっちもだ」と河野が疲れたように言った。
「偽の橘椿探しでしょう? そんなすぐ結果なんて出るものではないんじゃないですか?」
「まあな、まだ付近の監視カメラの映像しか見てねぇし……」
妙に歯切れの悪い河野に、尾城は「河野さん?」と訝しむように問いかける。
「……いや、なんていうかな。なんとなく探しても見つからない気がするんだよ」
「なんですか、それ。そりゃ相手が相当気を付けてればそういうこともあるかもしれませんけど、今回の場合は八尾の前に現れてるんですよ? 一人の人間に見られる行動をしている時点で、完全に隠れるなんて無理じゃないですか」
「そんなこと分かってるよ」
河野ははっきりと言わなかったが、恐らく勘のようなものなのだろう。だが直感のように強い感覚ではなく、本人の言うように〝なんとなく〟でしかないから明言することを避けているのかもしれない――尾城がそんなことを考えていると、河野のスマートフォンが着信音を響かせた。
「あ? 新宿?」
表示された登録名は新宿を管轄する警察署のものだった。河野は心当たりがないのか眉を顰めたが、出ないわけにはいかないためそのまま通話ボタンを押した。
「はい、河野です。……ええ、そうです。以前ご足労いただいた時に……え?」
急に顔色を変えた河野が、驚いたような顔で尾城を見上げる。
「分かりました、後ほど資料を届けます。その時にこちらも少しお話しを聞かせてください」
河野が電話を切ったのを確認すると、尾城は「なんだったんですか?」と問いかけた。
「……向こうの管轄で見つかった遺体の携帯の履歴に、この番号があったらしい」
やはりそういう理由か――尾城は河野の様子からなんとなく察していたが、それにしては彼の顔が硬いのが気になった。
「遺体の身元に何か問題が?」
会話の内容からして、恐らく既にその遺体の身元は分かっているのだろう。それ以外の問題かもしれないが、先程の短い通話時間では他の話をしたとも思えない。
現に問いかけられた河野も、「ああ」と肯定している。だがその表情は、いつにも増して険しかった。
「里中だ。里中が他殺体で発見された」
「里中って東海林卓の……!?」
東海林卓が殺害される前に最後に会ったであろう人物――先日自分達が話を聞いたばかりの人間が殺されたと聞いて、尾城の背に嫌な寒気が走った。
「――すみません、散らかってて」
その言葉どおり、八尾の家はお世辞でも片付いていると言える状態ではなかった。この日だけ荒らしたというよりは、そもそも片付けが苦手なタイプなのだろう。あちらこちらに出しっぱなしにしているであろうものが散乱し、洋服も干したものを取り込んで適当に床に積み上げ続けているように見える。辛うじて食品のゴミはそこまで散らかっていなかったが、それでも流しには溜まった洗い物や、コンビニ弁当の容器が重ねられていた。
男の一人暮らしならこんなもんだよな――尾城は流しから目を逸らし、カーテンのかかった窓の方に目をやった。特に何か見たいものがあったわけではなく、この惨状から目を背けたかっただけだ。
この家の状態がそう珍しくもないことは、自分の男友達の家を見て知っている。もっと酷い散らかり方をしているのも見たことがある。それでもどちらかと言えば綺麗好きな方である尾城にとって、あまりまじまじと見ていたいものではなかった。
一方で尾城と一緒に来た捜査員達はこういった部屋には慣れているようで、部屋の状況には無反応でどんどん作業を進めていた。片付けているわけではなく必要なものを外に運び出しているだけだったが、それが救いとなって尾城はゆっくりと視線を室内へと戻した。
「そういえばもう一人の……えっと、河野さんって方はいらっしゃらないんですね」
「河野は留守番です。見ての通りほとんど専門の捜査員が行うので二人もいる必要はなくって」
「尾城さんは僕のお目付け役って感じでしょうか」
「まあ、そんなところです」
尾城が答えると、八尾は少しだけ苦々しい顔をした。「僕ってそんなに弱そうでしょうか」、彼の呟いた言葉の意味が分からなくて尾城が視線で聞き返せば、八尾は苦笑を浮かべた。
「ほら、刑事さんが二人組なのって相手を取り押さえるためでもあるのかなって。そう考えると尾城さん一人だけしか付かないってことは、僕は一人でも十分だと思われてるんじゃないかと……」
「二人なのはそれだけが理由じゃないですよ。それに今だって河野はいないですけど、周りに他の捜査員がいるんで一人じゃないでしょう?」
「ああ、そっか」
警察署にいた時よりも幾分か口数が多いのは、やはり河野が苦手だったからだろうか――尾城は河野が自分は八尾に嫌われていると言っていたことを思い出した。嫌われているかどうかは定かではないが、初対面で河野を得意だと思う人間は珍しいだろう。
自分も今でこそ冗談を言えるようになったが、最初の頃はいつ怒られるか分からなくてびくびくしていた記憶がある。少し前のことを考えて懐かしさを感じた尾城だったが、今は仕事中だと思い出して慌てて意識を現実に戻した。
「この家に偽の橘が来たことは?」
誤魔化すように尾城が問うと、八尾は「いいえ」と首を振った。
「僕はこの家の場所を教えたことはありません。まあ、だからと言って彼女が知らないとは限らないんですけど……」
嵌める相手のことは調査済だろうとでも言いたげに八尾は眉根を寄せる。
「では、最近ここに他の誰かが来たことはありますか? 勿論何かの業者でも」
「それもないです。僕、友達もいないんで……刑事さん達以外だと、郵便の配達くらいしか来たことないですよ。それもここ数ヶ月は覚えがないです」
「宅配便とかも? ほら、最近は食事も含めネットショッピングの利用も増えてますし」
「ないです。デリバリーサービスの配達員はしたことありますけどね、自分で使うためのそういうサービスのアカウントは持ってすらいないので」
今時珍しいな――そんな尾城の気持ちが顔に出ていたのか、八尾は彼の方を見ると「お金ないんで」と苦笑いした。
「ああいうのってサービス料が取られるじゃないですか。自分で用意した方が安く済みますから。しかも普段自分がそのサービス料で仕事してることも考えると尚更無駄に思えちゃって」
「ああ、なるほど。それはちょっともやもやしそうですね。じゃあ八尾さんの住所を知っている人物自体少ないのか……」
尾城は相槌を打ちながら部屋を見渡した。改めて見ると、確かに八尾はそんなに余裕のある生活をしているようには思えない。
散らかっていることにばかりに気がいってしまっていたが、家の中にある家具や家電は少し古く見える。八尾がこの家に住んでいるのは長くても高校卒業後からの五年程度のはずだが、それよりも古く見えるのは中古品でも買っているからかもしれない。
「不在時に誰かが忍び込んだと感じたことは?」
八尾に心当たりがないのであれば、彼に知られずに偽の橘椿は侵入していたのかもしれない――尾城が言外に込めて尋ねれば、八尾はゆるゆると首を振った。
「そういう記憶はないですね。ただこの部屋を見ていただけると分かると思いますが、あまり細かいことは気にならないタイプなので……単に気付かなかっただけというのもあるかもしれません」
八尾の言うとおり、これだけ散らかっていれば多少小物の配置が変わっていても気付かないだろう。部屋を散らかす人間の中には、散らかした上で全ての物の位置を大体把握している者もいるが、八尾はそういうわけではないらしい。本人が言うように、そもそも散らかっていること自体が気にならないタイプなのだろう。
「まあ、何かあればこちらの捜査で出るでしょう。その時に思い当たることがないか聞かせてください」
あっという間に物がなくなっていく部屋を見ながら尾城が言えば、八尾は勿論と力強く頷いた。
「そういえば……東海林美亜さんとは、どういう関係でした?」
部屋の中身が持ち出されるのを見ながら尾城が思い出したように尋ねると、八尾は困ったような表情を浮かべた。
「どういうって……警察署でお話ししたとおり、ろくに話したこともない相手です」
やはりそう答えるのか――尾城は越野から聞いた話を思い出しながら、内心で溜息を吐いた。未だ越野と八尾のどちらの言い分が正しいか分かっていないが、どことなく越野の話には嘘はないような気がしていたのだ。
「でも好きだったんじゃないですか?」
「どうして……」
「先程千葉に行ってたんですよ」
尾城が八尾の疑問に答えれば、目の前の男は何かを察したように表情を暗くした。
「……ああ、あの噂のことですね。まだ言ってる人いたんだ……」
「何故教えてくれなかったんです?」
「意味がないと思ったんで。告白も含め全部根も葉もない噂だったので、すぐにみんな飽きてましたし」
そう答える八尾を観察するように尾城は目を細めたが、不自然なものは感じ取れなかった。
§ § §
八尾の自宅の捜査が終わった後、尾城は警察署に戻っていた。結論から言えば、今日の捜査では八尾の家からは何も出なかった。誰かが忍び込んだ形跡も、盗聴器のようなものが仕掛けられていた様子もない。
途中で期待できないかもしれないとは薄々感じてはいたが、まさか何も出ないとは――尾城は疲れたように溜息を吐くと、自席で難しい顔をしている河野の元へと近寄った。
「お疲れ様です」
「おつかれさん。何か出たか?」
「何にも。検査中のものもありますけど、そっちも期待できないでしょうね」
尾城が言えば、「こっちもだ」と河野が疲れたように言った。
「偽の橘椿探しでしょう? そんなすぐ結果なんて出るものではないんじゃないですか?」
「まあな、まだ付近の監視カメラの映像しか見てねぇし……」
妙に歯切れの悪い河野に、尾城は「河野さん?」と訝しむように問いかける。
「……いや、なんていうかな。なんとなく探しても見つからない気がするんだよ」
「なんですか、それ。そりゃ相手が相当気を付けてればそういうこともあるかもしれませんけど、今回の場合は八尾の前に現れてるんですよ? 一人の人間に見られる行動をしている時点で、完全に隠れるなんて無理じゃないですか」
「そんなこと分かってるよ」
河野ははっきりと言わなかったが、恐らく勘のようなものなのだろう。だが直感のように強い感覚ではなく、本人の言うように〝なんとなく〟でしかないから明言することを避けているのかもしれない――尾城がそんなことを考えていると、河野のスマートフォンが着信音を響かせた。
「あ? 新宿?」
表示された登録名は新宿を管轄する警察署のものだった。河野は心当たりがないのか眉を顰めたが、出ないわけにはいかないためそのまま通話ボタンを押した。
「はい、河野です。……ええ、そうです。以前ご足労いただいた時に……え?」
急に顔色を変えた河野が、驚いたような顔で尾城を見上げる。
「分かりました、後ほど資料を届けます。その時にこちらも少しお話しを聞かせてください」
河野が電話を切ったのを確認すると、尾城は「なんだったんですか?」と問いかけた。
「……向こうの管轄で見つかった遺体の携帯の履歴に、この番号があったらしい」
やはりそういう理由か――尾城は河野の様子からなんとなく察していたが、それにしては彼の顔が硬いのが気になった。
「遺体の身元に何か問題が?」
会話の内容からして、恐らく既にその遺体の身元は分かっているのだろう。それ以外の問題かもしれないが、先程の短い通話時間では他の話をしたとも思えない。
現に問いかけられた河野も、「ああ」と肯定している。だがその表情は、いつにも増して険しかった。
「里中だ。里中が他殺体で発見された」
「里中って東海林卓の……!?」
東海林卓が殺害される前に最後に会ったであろう人物――先日自分達が話を聞いたばかりの人間が殺されたと聞いて、尾城の背に嫌な寒気が走った。
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