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715.転売屋は余暇を楽しむ
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「あー、ついたついた。」
「お疲れ様でした。」
「とりあえず設営準備といきたいところだが、随分荒れてるなぁ。」
「おそらくこの前の雨で川が溢れたのかと。」
今日は久方ぶりにガーネットの原石集めという名のキャンプに来ている。
春ぐらいから月一ぐらいで来ていたのだが、この夏は色々と忙しくなかなかその時間が取れなかった。
原石の在庫はまだあるのだが、秋になると水は冷たくなるし冬はそもそも入れなくなるので、今のうちに在庫を確保しておかないと大変なことになってしまう。
仕入れを任されているだけにこの辺は気を抜けないというわけだ。
「コレぐらいなら問題ありませんよ、ジョン手伝え!」
「はい!」
「では私達は荷物の準備をしましょう、キルシュさんミミィさん行きますよ。」
「「はい!」」
いつもなら女達とだけ行くのだが、今回屋敷のみんなに休みを取ってもらう為にハワードたちにも同行してもらった。
ちなみにグレイスとハーシェさん、それとセラフィムさんは留守番だ。
一応誘ったんだが、不在にしている間の仕事を処理するほうが楽しいんだとか。
こっちとしても事務処理をしてもらえるのは嬉しいので無理に誘うことはしなかった。
一応休暇なのでハワードたちにもゆっくりしてもらうつもりでいるのだが、設営に関しては全員での作業だから仕方がない。
ちなみに俺は天幕の準備を担当する。
「ルフ、レイ、周りを見に行くわよ!」
「ワフ!」
「あ、お姉ちゃん私も・・・。」
「こっちは大丈夫だからキキは魔物よけの準備をお願い。大丈夫、ワーベアーさえ出なければこの子達だけで何とかなるわ。」
「とはいえ気をつけろよ。」
「シロウも腰痛めないようにね。」
「へいへい。」
エリザはルフとレイを連れて周囲の見回り、その間にキキが魔物除けを焚けば一晩ぐらいは魔物に襲われる心配は無い。
一時間ほどで設営は完了した。
「さーて、のんびりしますかね。」
「お姉ちゃん、行こうよ!」
「え、でも・・・。」
「今日は休暇だ、俺たちの事はいいからしっかり遊んで来い。ただし水に入るときは充分に注意しろよ、後で俺達も行くが深みは意外に流れが速いからな。」
「はい!」
元気いっぱいのジョンは年齢相応の笑顔をうかべて姉(キルシュ)の手を取り走り出した。
てっきりミミィもついていくものだと思ったのだが、こちらに残りこちらの様子を伺ってくる。
「えっと・・・。」
「ミミィも行って来ていいんですよ?」
「それともほかにしたい事があるんですか?」
「あの、魚釣りをしてみたくて。」
「いいねぇ、それじゃあ俺と行くか!」
「はい!」
食いしん坊のミミィは昨夜俺とハワードが話をしていたのを覚えていたようだ。
釣ってすぐの魚は美味い。
今日の昼は焼き魚で決定だな。
「そんじゃま俺は一仕事してくるか。魚釣りをするなら先に下流から回収してくる、ジョンたちも心配だし。」
「私はここでのんびりしてるからキキも行って来ていいわよ。折角水着を持ってきたんだから、もったいないわよ。」
「でも・・・。」
「私も着替えてすぐに参ります。」
「もちろん私も行きますよ、いきましょうキキさん。」
「じゃあ、お姉ちゃんくれぐれも気をつけてね。」
「だから大丈夫だって。」
方や心配性の妹(キキ)と大雑把な姉(エリザ)。
方や面倒見のいい姉(キルシュ)と元気いっぱいの弟(ジョン)。
ルフはエリザの足元に、レイは魚ほしさにミミィ達にくっついていった。
各自が思い思いの時間を過ごすからこその休暇だ。
まぁ、俺も半分仕事だけどそれが終わればゆっくりさせてもらう。
たまにはこんな時間があってもいいだろう。
久方ぶりの採取だったので原石はいつもより多めに回収できた。
ジェイドもポツポツだが転がっている。
夏の終わりの割には気温が高く水の中が気持ちいい。
なにより、水着姿の女達が楽しそうにはしゃいでいるのは目の保養になるなぁ。
「はぁ、疲れた。」
「お疲れ様でした。」
「ミラも向こうで遊んできていいんだぞ?」
「いえ、私はシロウ様のおそばにいるだけで充分です。」
「新しい水着も良く似合ってるな。」
「そういってくださると思っていました。」
いつもと違いなかなかにきわどい深緑色のビキニだ。
もしかしなくても下着より布面積が少ない。
なかなかのスタイルをもつミラの魅力がさらに上がっているので、何もいわずに尻を揉みまくった。
ううん、いつ揉んでもいい尻だ。
「満足されましたか?」
「いいや、全然。とはいえ小さいのがいるからな、今日はお預けだ。」
「仕方ありません。」
「みんな楽しそうか?」
「はい、日々頑張ってくれていますが三人ともまだ子供ですから。」
ジョンに触発されてキルシュもやっと遊びだしたようだ。
一応アネットがついていくれているので問題ないだろう。
エリザは焚き火番という名の日向ぼっこ。
ハワードはミミィと共に吊り上げた魚を調理しているはず。
そういやキキの姿が無いな。
「あれ、キキは?」
「キキ様でしたら周辺の見回りに出ています。」
「なんでまた、魔物避けは設置してあるんだろ?」
「なんでも珍しい魔物を見つけたとか、水着のまま服を着て走っていってしまいました。」
「着替えることもしないとかよっぽどだな。」
そんな珍しい魔物がいただろうかと首をかしげながらも、この森ならばありえない話じゃない。
その節は俺もミラも世話になったしなぁ。
それから後二度程原石を回収して天幕へと戻る。
焚き火の周りでは大量の魚が串に刺された状態で焼かれていた。
「大漁じゃないか。」
「いやー、年甲斐も無く張り切ってしまいました。あそこまでスレていない魚は珍しいですよ。」
「いっぱい釣りました!」
「そりゃ見たら分かる、一匹貰っていいか?」
「一匹でも二匹でもじゃんじゃん食べてください、焼ききれないやつは裏で干物にしてますんで。」
ざっと数えても20本は焼かれている。
それに加えてエリザの足元に5本以上、さらに干物にってさすがに多すぎないか?
「獲りすぎだろ。」
「ちゃんと加減はしましたよ?」
「それならまぁいいんだが。秋口にはまたサモーンが遡上してくるはずだ、それを狙えたら最高だな。」
可能なら張り込みたいところだ。
味もいい上に売ると高い、狙えるなら狙ってしまいたいよなぁ。
「ただいまです!」
「ただいま戻りました。」
「おかえり、楽しかったか?」
「楽しかった!ねぇおなかすいた!」
「ちょっとジョン!」
慌ててジョンの口を押さえるキルシュ。
それを後ろで見ていたアネットが優しい目で見守る。
「今日は休暇だから気にしなくていいぞ、天幕で体を拭いてから好きなだけ食べろ。寒かったら何か羽織るんだぞ。」
「は~い!」
「すみません、すみません。」
ジョンは年相応な感じに戻っているが、キルシュはまだまだのようだな。
これは本腰を入れて遊ばせてやらねば。
仕事熱心なのはいいことだが、時には仕事を忘れて遊ぶのも大事なことだぞ。
「そうだご主人様。」
「どうしたアネット。」
「先ほど遊んでいるとこんな物を見つけました。」
そういいながら胸元から何かを取り出すアネット。
受け取ったのはほんのり人肌に温まったすべすべとした丸い石。
ちなみに水着は鮮やかな黄色のタンクトップとビキニの組み合わせだ。
ポケットが無かったからとはいえなんてところに入れてるんだか。
『ホワイトドラゴンの牙の化石。ホワイトドラゴンが稀に落とす牙が長い年月を掛けて化石となったもの。取り出すことは出来ないが弱い聖属性の加護を受ける事が出来る。最近の平均取引価格は銀貨20枚。最安値銅貨10枚最高値銀貨44枚、最終取引日は301日前と記録されています。』
魔物の化石、それもドラゴンのものらしい。
っていうか化石になるぐらい古い時代から魔物がいるのか。
そもそもこの世界は一体何年ぐらい前から存在しているんだろうな。
元の世界が46億年前だったか?
途方も無い時間だけに確認する事もできないが、一ついえるのは化石化されるぐらい古い時代から存在しているということだけ。
でも化石って人工的につくれるんだっけ?
確か高圧力を掛ければとか何とか・・・。
ま、それはさておき取引履歴から察するに珍しいものだが決して見つかっていないわけではなさそうだ。
しかしドラゴンねぇ、持ち帰ってディーネに聞いてみるか。
「ホワイトドラゴンの牙の化石らしい、珍しいものだぞ。」
「え、化石ですか。」
「鑑定結果ではそうでているな、どこにあったんだ?」
「丸い石を捜していると偶然発見しました、川原の中央付近だったかと。」
「僕が見つけたんだよ!」
話を聞きつけたのか、着替えを済ませたジョンが目を輝かせて教えてくれた。
その頭をくしゃくしゃと撫でてやると嬉しそうに目を細める。
「それじゃあ腹いっぱい食べたら皆で似たようなのを探すか。」
「がんばります!」
「そうと決まれば腹ごしらえだ、しっかり食えよ。」
「はい!」
「ということだ、昼からも付き合ってくれ。」
「大丈夫です、そういうの大好きなので。」
「そうなのか?」
薬草を探したりするのは仕事柄していたそうだが、石拾いが好きとは知らなかった。
腹ごなしを済ませ、昼からはエリザも連れ出し全員総出で化石を探し回った。
そしたら出るわ出るわ。
この川は本当にどうなっているんだろうか。
宝石の原石に始まり次は化石?
探せば魔石なんかも出てくるかもしれない。
そんなこんなでその日はみんなで大騒ぎして楽しい時間を過ごすことができた。
夜は早々に寝静まり、大人だけでのんびり夜空を見上げながら話し込む。
これもまたキャンプの醍醐味だよなぁ。
明日は上流の原石を回収して撤退だ。
たくさん見つかるといいんだけど、そんな事を考えながら夜は更けていくのだった。
「お疲れ様でした。」
「とりあえず設営準備といきたいところだが、随分荒れてるなぁ。」
「おそらくこの前の雨で川が溢れたのかと。」
今日は久方ぶりにガーネットの原石集めという名のキャンプに来ている。
春ぐらいから月一ぐらいで来ていたのだが、この夏は色々と忙しくなかなかその時間が取れなかった。
原石の在庫はまだあるのだが、秋になると水は冷たくなるし冬はそもそも入れなくなるので、今のうちに在庫を確保しておかないと大変なことになってしまう。
仕入れを任されているだけにこの辺は気を抜けないというわけだ。
「コレぐらいなら問題ありませんよ、ジョン手伝え!」
「はい!」
「では私達は荷物の準備をしましょう、キルシュさんミミィさん行きますよ。」
「「はい!」」
いつもなら女達とだけ行くのだが、今回屋敷のみんなに休みを取ってもらう為にハワードたちにも同行してもらった。
ちなみにグレイスとハーシェさん、それとセラフィムさんは留守番だ。
一応誘ったんだが、不在にしている間の仕事を処理するほうが楽しいんだとか。
こっちとしても事務処理をしてもらえるのは嬉しいので無理に誘うことはしなかった。
一応休暇なのでハワードたちにもゆっくりしてもらうつもりでいるのだが、設営に関しては全員での作業だから仕方がない。
ちなみに俺は天幕の準備を担当する。
「ルフ、レイ、周りを見に行くわよ!」
「ワフ!」
「あ、お姉ちゃん私も・・・。」
「こっちは大丈夫だからキキは魔物よけの準備をお願い。大丈夫、ワーベアーさえ出なければこの子達だけで何とかなるわ。」
「とはいえ気をつけろよ。」
「シロウも腰痛めないようにね。」
「へいへい。」
エリザはルフとレイを連れて周囲の見回り、その間にキキが魔物除けを焚けば一晩ぐらいは魔物に襲われる心配は無い。
一時間ほどで設営は完了した。
「さーて、のんびりしますかね。」
「お姉ちゃん、行こうよ!」
「え、でも・・・。」
「今日は休暇だ、俺たちの事はいいからしっかり遊んで来い。ただし水に入るときは充分に注意しろよ、後で俺達も行くが深みは意外に流れが速いからな。」
「はい!」
元気いっぱいのジョンは年齢相応の笑顔をうかべて姉(キルシュ)の手を取り走り出した。
てっきりミミィもついていくものだと思ったのだが、こちらに残りこちらの様子を伺ってくる。
「えっと・・・。」
「ミミィも行って来ていいんですよ?」
「それともほかにしたい事があるんですか?」
「あの、魚釣りをしてみたくて。」
「いいねぇ、それじゃあ俺と行くか!」
「はい!」
食いしん坊のミミィは昨夜俺とハワードが話をしていたのを覚えていたようだ。
釣ってすぐの魚は美味い。
今日の昼は焼き魚で決定だな。
「そんじゃま俺は一仕事してくるか。魚釣りをするなら先に下流から回収してくる、ジョンたちも心配だし。」
「私はここでのんびりしてるからキキも行って来ていいわよ。折角水着を持ってきたんだから、もったいないわよ。」
「でも・・・。」
「私も着替えてすぐに参ります。」
「もちろん私も行きますよ、いきましょうキキさん。」
「じゃあ、お姉ちゃんくれぐれも気をつけてね。」
「だから大丈夫だって。」
方や心配性の妹(キキ)と大雑把な姉(エリザ)。
方や面倒見のいい姉(キルシュ)と元気いっぱいの弟(ジョン)。
ルフはエリザの足元に、レイは魚ほしさにミミィ達にくっついていった。
各自が思い思いの時間を過ごすからこその休暇だ。
まぁ、俺も半分仕事だけどそれが終わればゆっくりさせてもらう。
たまにはこんな時間があってもいいだろう。
久方ぶりの採取だったので原石はいつもより多めに回収できた。
ジェイドもポツポツだが転がっている。
夏の終わりの割には気温が高く水の中が気持ちいい。
なにより、水着姿の女達が楽しそうにはしゃいでいるのは目の保養になるなぁ。
「はぁ、疲れた。」
「お疲れ様でした。」
「ミラも向こうで遊んできていいんだぞ?」
「いえ、私はシロウ様のおそばにいるだけで充分です。」
「新しい水着も良く似合ってるな。」
「そういってくださると思っていました。」
いつもと違いなかなかにきわどい深緑色のビキニだ。
もしかしなくても下着より布面積が少ない。
なかなかのスタイルをもつミラの魅力がさらに上がっているので、何もいわずに尻を揉みまくった。
ううん、いつ揉んでもいい尻だ。
「満足されましたか?」
「いいや、全然。とはいえ小さいのがいるからな、今日はお預けだ。」
「仕方ありません。」
「みんな楽しそうか?」
「はい、日々頑張ってくれていますが三人ともまだ子供ですから。」
ジョンに触発されてキルシュもやっと遊びだしたようだ。
一応アネットがついていくれているので問題ないだろう。
エリザは焚き火番という名の日向ぼっこ。
ハワードはミミィと共に吊り上げた魚を調理しているはず。
そういやキキの姿が無いな。
「あれ、キキは?」
「キキ様でしたら周辺の見回りに出ています。」
「なんでまた、魔物避けは設置してあるんだろ?」
「なんでも珍しい魔物を見つけたとか、水着のまま服を着て走っていってしまいました。」
「着替えることもしないとかよっぽどだな。」
そんな珍しい魔物がいただろうかと首をかしげながらも、この森ならばありえない話じゃない。
その節は俺もミラも世話になったしなぁ。
それから後二度程原石を回収して天幕へと戻る。
焚き火の周りでは大量の魚が串に刺された状態で焼かれていた。
「大漁じゃないか。」
「いやー、年甲斐も無く張り切ってしまいました。あそこまでスレていない魚は珍しいですよ。」
「いっぱい釣りました!」
「そりゃ見たら分かる、一匹貰っていいか?」
「一匹でも二匹でもじゃんじゃん食べてください、焼ききれないやつは裏で干物にしてますんで。」
ざっと数えても20本は焼かれている。
それに加えてエリザの足元に5本以上、さらに干物にってさすがに多すぎないか?
「獲りすぎだろ。」
「ちゃんと加減はしましたよ?」
「それならまぁいいんだが。秋口にはまたサモーンが遡上してくるはずだ、それを狙えたら最高だな。」
可能なら張り込みたいところだ。
味もいい上に売ると高い、狙えるなら狙ってしまいたいよなぁ。
「ただいまです!」
「ただいま戻りました。」
「おかえり、楽しかったか?」
「楽しかった!ねぇおなかすいた!」
「ちょっとジョン!」
慌ててジョンの口を押さえるキルシュ。
それを後ろで見ていたアネットが優しい目で見守る。
「今日は休暇だから気にしなくていいぞ、天幕で体を拭いてから好きなだけ食べろ。寒かったら何か羽織るんだぞ。」
「は~い!」
「すみません、すみません。」
ジョンは年相応な感じに戻っているが、キルシュはまだまだのようだな。
これは本腰を入れて遊ばせてやらねば。
仕事熱心なのはいいことだが、時には仕事を忘れて遊ぶのも大事なことだぞ。
「そうだご主人様。」
「どうしたアネット。」
「先ほど遊んでいるとこんな物を見つけました。」
そういいながら胸元から何かを取り出すアネット。
受け取ったのはほんのり人肌に温まったすべすべとした丸い石。
ちなみに水着は鮮やかな黄色のタンクトップとビキニの組み合わせだ。
ポケットが無かったからとはいえなんてところに入れてるんだか。
『ホワイトドラゴンの牙の化石。ホワイトドラゴンが稀に落とす牙が長い年月を掛けて化石となったもの。取り出すことは出来ないが弱い聖属性の加護を受ける事が出来る。最近の平均取引価格は銀貨20枚。最安値銅貨10枚最高値銀貨44枚、最終取引日は301日前と記録されています。』
魔物の化石、それもドラゴンのものらしい。
っていうか化石になるぐらい古い時代から魔物がいるのか。
そもそもこの世界は一体何年ぐらい前から存在しているんだろうな。
元の世界が46億年前だったか?
途方も無い時間だけに確認する事もできないが、一ついえるのは化石化されるぐらい古い時代から存在しているということだけ。
でも化石って人工的につくれるんだっけ?
確か高圧力を掛ければとか何とか・・・。
ま、それはさておき取引履歴から察するに珍しいものだが決して見つかっていないわけではなさそうだ。
しかしドラゴンねぇ、持ち帰ってディーネに聞いてみるか。
「ホワイトドラゴンの牙の化石らしい、珍しいものだぞ。」
「え、化石ですか。」
「鑑定結果ではそうでているな、どこにあったんだ?」
「丸い石を捜していると偶然発見しました、川原の中央付近だったかと。」
「僕が見つけたんだよ!」
話を聞きつけたのか、着替えを済ませたジョンが目を輝かせて教えてくれた。
その頭をくしゃくしゃと撫でてやると嬉しそうに目を細める。
「それじゃあ腹いっぱい食べたら皆で似たようなのを探すか。」
「がんばります!」
「そうと決まれば腹ごしらえだ、しっかり食えよ。」
「はい!」
「ということだ、昼からも付き合ってくれ。」
「大丈夫です、そういうの大好きなので。」
「そうなのか?」
薬草を探したりするのは仕事柄していたそうだが、石拾いが好きとは知らなかった。
腹ごなしを済ませ、昼からはエリザも連れ出し全員総出で化石を探し回った。
そしたら出るわ出るわ。
この川は本当にどうなっているんだろうか。
宝石の原石に始まり次は化石?
探せば魔石なんかも出てくるかもしれない。
そんなこんなでその日はみんなで大騒ぎして楽しい時間を過ごすことができた。
夜は早々に寝静まり、大人だけでのんびり夜空を見上げながら話し込む。
これもまたキャンプの醍醐味だよなぁ。
明日は上流の原石を回収して撤退だ。
たくさん見つかるといいんだけど、そんな事を考えながら夜は更けていくのだった。
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