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716.転売屋は保護する
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楽しかったキャンプもあっという間に終わりを迎えた。
今回回収した原石を含め、消費した以上に物が増えてしまったがまぁいつもの事だ。
干物に化石。
今回は当たりが多かったなぁ。
次に来るのは秋の中ごろ、狙いはサモーンだ。
「よし、積み込み終わり。忘れ物は無いか?」
「ありません!」
「忘れ物もなさそうです、後は乗り込んで終わりですね。」
「あれ?ルフとレイがいないわよ。」
さぁ帰ろうかというところで、エリザが二匹がいないことに気が付いた。
さっきまで近くをうろうろしていたのに一体どこに行ったんだろうか。
大きな声で呼んでみても返事はない。
「皆はここに残ってくれ、少し探してくる。」
仕方ないのでキキとエリザと共に森の中を探すことにした。
「足跡が有りますね。」
「ってことは奥に向かったか。」
「何で奥に?」
「さぁ、魔物の気配を感じたかそれとも何かを見つけたか。」
「魔物らしい反応は感じませんね。」
そうなると何かを発見したと考えるべきか。
そうじゃないと勝手に出て行くはずが無い。
だが何を?
足跡をたどり森の奥へと向かう。
獣道すらなくなり鬱蒼とした木々が行く手をさえぎりだしたその時、突然視界が開けぽっかりと開いた広場に出た。
昔アニメ映画のワンシーンで見たことがあるそんな空間。
その中央にルフとレイがいた。
「ルフ、レイ、どうしたんだ。」
名前を読んでやっと俺達に気づいたんだろう、不思議そうな顔をしてこちらを見てくる。
匂いで気づかなかったのが不思議だ。
ゆっくり近づくと、二匹の足元に何か動く物を見つけた。
良く見ると何かの子供だろうか、弱々しくヒーヒーとかすれた声を出している。
犬、いや違うな。
真っ黒で獣のような耳が頭の上で垂れていた。
「なんだこいつ。」
「魔物の子供ではなさそうです、かといって動物でもなさそうですし。」
「キキでもわからないのか。」
「すみません、幼生体までは。」
そりゃ何でもかんでも知っているわけじゃないか、当然だな。
頭を悩ます俺達とは対照的にルフが心配そうにそいつの体を舐め、レイが鼻を押し付ける。
二匹がこの反応という事は害はないんだろうけど、どうしたもんかなぁ。
「さて、どうしたもんか。」
「え、連れて帰らないの?」
「いやいや連れて帰ってどうするんだよ、隷属の首輪で何とかなるならともかく普通に魔物だったら殺すしかないんだぞ。見逃すのが一番だろ。」
「でもこのままじゃどうせ死ぬわよ。」
まぁエリザの言う通りなんだけども。
そいつはあまりにも弱弱しく、ここに放置すれば死んでしまうのは火を見るよりも明らかだ。
とはいえさっきも言ったように魔物であれば連れて帰るわけにもいかないし、かといって放置も出来ない。
恐らく子供、いや赤子?
この小ささであれば親が近くにいてもよさそうなだが。
「キキ、エリザ、辺りを探索してくれ。争った形跡とか足跡とかがあるかもしれない。」
「わかりました。」
「まかせて。」
ここにいても始まらない、とりあえず何かしなければ。
そいつは二匹に任せて三人で手分けして辺りを注意深く観察する。
しかし特に争ったような形跡は無く、そいつがどうやってここまでたどり着いたかは謎のままだ。
「キキ、ちょっときて。」
「どうしたのお姉ちゃん。」
「ここに何かない?」
「これは・・・魔素の反応があるね。糞かな。」
「魔素の出る糞があるのか。」
「魔素の多い食べ物を摂取すると一緒に排出されますね。この森は魔素が濃いので食べ物にもふんだんに含まれていそうです。」
なるほど。
見た感じは犬の糞、草食動物の様な感じではない。
が、雑食独特の匂いもしないんだよなぁ。
三人で糞を囲むというなかなかシュールな光景を続けていると、突然エリザが立ち上がり武器を抜いた。
少し遅れてキキがしゃがんだまま杖を構える。
「何かいるのか。」
「敵意の混じった視線を感じたわ。」
「うん、何かいる。」
茂みの向こうはうかがい知れないが、キキは何かを感じているようだ。
俺もゆっくりと後ろに下がりながら辺りを見渡す。
「出てきなさい。」
「話してわかるのかよ。」
「魔物じゃなかったらね。」
強い敵意ではないのだろう、エリザの言葉は少し明るかった。
そのまま姿の見えない相手と向かい合う事数分、ガサガサと音がして敵意の主が姿を現した。
「亜人?」
「人間が、なんでここにいる。」
「どうやら話はできるようだな、キキ。」
「恐らくは獣人系だと思うんですけど、正直見たことがありません。」
「ここは精霊樹の森、普通の人間が入っていい場所じゃない。」
「え、精霊樹?」
「あー、前に一度世話になったなぁ。」
ミラの病気でこの辺りに来た時に遭遇した。
通称彷徨える樹、二度と出会えないと思っていたのだがまさかまた出会うことになるとは。
いや、まだあの大樹は視界に入っていない。
「縁者か。とはいえここは人のいていい場所ではない、用が無いなら立ち去れ。」
「別に用は無いんだが。」
「私達ここに来る途中で赤ちゃんを見つけたの、貴女しらな・・・。」
「どこにいる!」
エリザが話し終える前にそいつは物凄い早さでこちらに向かってきた。
が、エリザがそれに反応して得物に手をかけた所で急停止。
よく見るとそいつも真っ黒で、獣耳がピンと立っている。
もしかすると、っていうか間違いないよな。
「とりあえず落ち着け、俺の仲間がしっかり守ってるから。アンタの子か?」
「まさかこの森からこぼれてしまうとは、お願いだあの子に会わせてくれ。」
「言われなくてもそのつもりだ。」
「いいの?」
「今のお前ならわかるだろ?あの子には母親が必要だ。」
向こうに敵意はない、あるのは母親としての使命感のみ。
今の会話から察するに、あいつは何かのはずみで普段は入れないこの場所からこぼれ落ちてしまったと考えるべきだろう。
放っておいたら死ぬ、なら会わせてあげるべきだ。
俺の言葉に納得したのかエリザが手を離し、キキも杖をおさめた。
向こうもそれを感じたのか小さく息を吐く。
「ついてこい。」
それからは無言で森の中を進み、元居た場所に戻った。
「どうやら少し元気になったようだな。」
「あぁ!よかった!」
レイの首の部分にまたがるようにしてそいつはもぞもぞと動き回っていた。
最初に会った時とは動き方が全然違う。
何があったのかはわからないが元気になったのなら何よりだ。
母親は子供の傍に駆け寄り、その子を愛おしそうに抱きしめる。
それを見て二匹は満足そうに立ち上がった。
「無事で何よりだ、二匹に感謝しろよ見つけたのはこいつらだ。」
「ワフ!」
ブンブン。
「もう二度とこの子に会うことはできない、そう思っていたというのに。ありがとう狼、そして人間。」
「俺の仲間も精霊樹に助けられた。その恩返しだと思ってくれ、偶然だけどな。」
あの時は本当に助かった。
偶然とはいえこういう形で精霊樹に恩返しできたのならば十分だ。
「あれ美味しかったわねぇ。」
「え、お姉ちゃん何か食べたの?」
「すっごい美味しい実だったわ。それを食べたからミラの病気が治ったの、また食べたいわね。」
「いいなぁ、精霊樹。私も死ぬまでに一度は出会ってみたい。」
「素材もいい値段で売れたしな。っと、そろそろ戻らないとみんな心配するぞ。」
いい加減戻らないとしびれを切らしたミラやアネットが探しに来そうだ。
魔物避けがあるならまだしも森の中は他の魔物も結構出る。
いくらアネットが戦えるとはいえミラは素人だ。
事が大きくなる前にさっさと戻ろう。
「人間。」
「ん?」
「これを持っていけ。」
「別に気にしなくていいぞ。」
「貸しを作るのが嫌なだけだ。人間は強欲だからな、貸しを理由に探しに来られても困る。」
そこまで強欲ではないんだが、まぁ貰えるっていうなら貰っておこう。
何かは知らないけど。
先を行くエリザとキキを待たせてルフと共に獣人の傍に駆け寄る。
小さいのが目をキラキラと輝かせてルフを見つめていた。
『精霊樹の雫。精霊樹が稀に落とす魔素の塊。世の錬金術師や魔術師が一度は手に入れたいと願う膨大な魔素を有した雫は、使用することで強大な力を操ることが出来る。ただしその力は有限でいずれ失われる。最近の平均取引価格は金貨100枚。最安値金貨90枚最高値金貨230枚、最終取引日は901日前と記録されています。』
精霊樹の雫。
金色に輝くそれは仄かに温かく、見ているだけで幸せな気持ちになる。
「いいのか、こんな貴重な物。」
「人間にとっては貴重かもしれないが、我々にとってはいずれ手に入るものだ。」
「そうか、そういうなら遠慮なくいただこう。」
「狼、本当にありがとう。」
ブンブン。
嬉しそうに尻尾を振るルフの頭を撫でてやり、今度こそその場を後にする。
「何貰ったの?」
「凄いやつ。」
「え、見せて見せて!」
「とりあえず馬車に戻ったらな、マジで探しに来るぞ。」
「えー、ちょっとだけー。」
誰も振り返ることはしなかった。
気づけば元の森に戻っていてすぐに馬車へと戻ることが出来た。
心配そうな顔をしたミラが真っ先に駆け寄ってくる。
さて、どこから話せばいいものか。
ポケットの中でほんのりと暖かい雫のぬくもりを感じながら、皆に向かって手を振るのだった。
今回回収した原石を含め、消費した以上に物が増えてしまったがまぁいつもの事だ。
干物に化石。
今回は当たりが多かったなぁ。
次に来るのは秋の中ごろ、狙いはサモーンだ。
「よし、積み込み終わり。忘れ物は無いか?」
「ありません!」
「忘れ物もなさそうです、後は乗り込んで終わりですね。」
「あれ?ルフとレイがいないわよ。」
さぁ帰ろうかというところで、エリザが二匹がいないことに気が付いた。
さっきまで近くをうろうろしていたのに一体どこに行ったんだろうか。
大きな声で呼んでみても返事はない。
「皆はここに残ってくれ、少し探してくる。」
仕方ないのでキキとエリザと共に森の中を探すことにした。
「足跡が有りますね。」
「ってことは奥に向かったか。」
「何で奥に?」
「さぁ、魔物の気配を感じたかそれとも何かを見つけたか。」
「魔物らしい反応は感じませんね。」
そうなると何かを発見したと考えるべきか。
そうじゃないと勝手に出て行くはずが無い。
だが何を?
足跡をたどり森の奥へと向かう。
獣道すらなくなり鬱蒼とした木々が行く手をさえぎりだしたその時、突然視界が開けぽっかりと開いた広場に出た。
昔アニメ映画のワンシーンで見たことがあるそんな空間。
その中央にルフとレイがいた。
「ルフ、レイ、どうしたんだ。」
名前を読んでやっと俺達に気づいたんだろう、不思議そうな顔をしてこちらを見てくる。
匂いで気づかなかったのが不思議だ。
ゆっくり近づくと、二匹の足元に何か動く物を見つけた。
良く見ると何かの子供だろうか、弱々しくヒーヒーとかすれた声を出している。
犬、いや違うな。
真っ黒で獣のような耳が頭の上で垂れていた。
「なんだこいつ。」
「魔物の子供ではなさそうです、かといって動物でもなさそうですし。」
「キキでもわからないのか。」
「すみません、幼生体までは。」
そりゃ何でもかんでも知っているわけじゃないか、当然だな。
頭を悩ます俺達とは対照的にルフが心配そうにそいつの体を舐め、レイが鼻を押し付ける。
二匹がこの反応という事は害はないんだろうけど、どうしたもんかなぁ。
「さて、どうしたもんか。」
「え、連れて帰らないの?」
「いやいや連れて帰ってどうするんだよ、隷属の首輪で何とかなるならともかく普通に魔物だったら殺すしかないんだぞ。見逃すのが一番だろ。」
「でもこのままじゃどうせ死ぬわよ。」
まぁエリザの言う通りなんだけども。
そいつはあまりにも弱弱しく、ここに放置すれば死んでしまうのは火を見るよりも明らかだ。
とはいえさっきも言ったように魔物であれば連れて帰るわけにもいかないし、かといって放置も出来ない。
恐らく子供、いや赤子?
この小ささであれば親が近くにいてもよさそうなだが。
「キキ、エリザ、辺りを探索してくれ。争った形跡とか足跡とかがあるかもしれない。」
「わかりました。」
「まかせて。」
ここにいても始まらない、とりあえず何かしなければ。
そいつは二匹に任せて三人で手分けして辺りを注意深く観察する。
しかし特に争ったような形跡は無く、そいつがどうやってここまでたどり着いたかは謎のままだ。
「キキ、ちょっときて。」
「どうしたのお姉ちゃん。」
「ここに何かない?」
「これは・・・魔素の反応があるね。糞かな。」
「魔素の出る糞があるのか。」
「魔素の多い食べ物を摂取すると一緒に排出されますね。この森は魔素が濃いので食べ物にもふんだんに含まれていそうです。」
なるほど。
見た感じは犬の糞、草食動物の様な感じではない。
が、雑食独特の匂いもしないんだよなぁ。
三人で糞を囲むというなかなかシュールな光景を続けていると、突然エリザが立ち上がり武器を抜いた。
少し遅れてキキがしゃがんだまま杖を構える。
「何かいるのか。」
「敵意の混じった視線を感じたわ。」
「うん、何かいる。」
茂みの向こうはうかがい知れないが、キキは何かを感じているようだ。
俺もゆっくりと後ろに下がりながら辺りを見渡す。
「出てきなさい。」
「話してわかるのかよ。」
「魔物じゃなかったらね。」
強い敵意ではないのだろう、エリザの言葉は少し明るかった。
そのまま姿の見えない相手と向かい合う事数分、ガサガサと音がして敵意の主が姿を現した。
「亜人?」
「人間が、なんでここにいる。」
「どうやら話はできるようだな、キキ。」
「恐らくは獣人系だと思うんですけど、正直見たことがありません。」
「ここは精霊樹の森、普通の人間が入っていい場所じゃない。」
「え、精霊樹?」
「あー、前に一度世話になったなぁ。」
ミラの病気でこの辺りに来た時に遭遇した。
通称彷徨える樹、二度と出会えないと思っていたのだがまさかまた出会うことになるとは。
いや、まだあの大樹は視界に入っていない。
「縁者か。とはいえここは人のいていい場所ではない、用が無いなら立ち去れ。」
「別に用は無いんだが。」
「私達ここに来る途中で赤ちゃんを見つけたの、貴女しらな・・・。」
「どこにいる!」
エリザが話し終える前にそいつは物凄い早さでこちらに向かってきた。
が、エリザがそれに反応して得物に手をかけた所で急停止。
よく見るとそいつも真っ黒で、獣耳がピンと立っている。
もしかすると、っていうか間違いないよな。
「とりあえず落ち着け、俺の仲間がしっかり守ってるから。アンタの子か?」
「まさかこの森からこぼれてしまうとは、お願いだあの子に会わせてくれ。」
「言われなくてもそのつもりだ。」
「いいの?」
「今のお前ならわかるだろ?あの子には母親が必要だ。」
向こうに敵意はない、あるのは母親としての使命感のみ。
今の会話から察するに、あいつは何かのはずみで普段は入れないこの場所からこぼれ落ちてしまったと考えるべきだろう。
放っておいたら死ぬ、なら会わせてあげるべきだ。
俺の言葉に納得したのかエリザが手を離し、キキも杖をおさめた。
向こうもそれを感じたのか小さく息を吐く。
「ついてこい。」
それからは無言で森の中を進み、元居た場所に戻った。
「どうやら少し元気になったようだな。」
「あぁ!よかった!」
レイの首の部分にまたがるようにしてそいつはもぞもぞと動き回っていた。
最初に会った時とは動き方が全然違う。
何があったのかはわからないが元気になったのなら何よりだ。
母親は子供の傍に駆け寄り、その子を愛おしそうに抱きしめる。
それを見て二匹は満足そうに立ち上がった。
「無事で何よりだ、二匹に感謝しろよ見つけたのはこいつらだ。」
「ワフ!」
ブンブン。
「もう二度とこの子に会うことはできない、そう思っていたというのに。ありがとう狼、そして人間。」
「俺の仲間も精霊樹に助けられた。その恩返しだと思ってくれ、偶然だけどな。」
あの時は本当に助かった。
偶然とはいえこういう形で精霊樹に恩返しできたのならば十分だ。
「あれ美味しかったわねぇ。」
「え、お姉ちゃん何か食べたの?」
「すっごい美味しい実だったわ。それを食べたからミラの病気が治ったの、また食べたいわね。」
「いいなぁ、精霊樹。私も死ぬまでに一度は出会ってみたい。」
「素材もいい値段で売れたしな。っと、そろそろ戻らないとみんな心配するぞ。」
いい加減戻らないとしびれを切らしたミラやアネットが探しに来そうだ。
魔物避けがあるならまだしも森の中は他の魔物も結構出る。
いくらアネットが戦えるとはいえミラは素人だ。
事が大きくなる前にさっさと戻ろう。
「人間。」
「ん?」
「これを持っていけ。」
「別に気にしなくていいぞ。」
「貸しを作るのが嫌なだけだ。人間は強欲だからな、貸しを理由に探しに来られても困る。」
そこまで強欲ではないんだが、まぁ貰えるっていうなら貰っておこう。
何かは知らないけど。
先を行くエリザとキキを待たせてルフと共に獣人の傍に駆け寄る。
小さいのが目をキラキラと輝かせてルフを見つめていた。
『精霊樹の雫。精霊樹が稀に落とす魔素の塊。世の錬金術師や魔術師が一度は手に入れたいと願う膨大な魔素を有した雫は、使用することで強大な力を操ることが出来る。ただしその力は有限でいずれ失われる。最近の平均取引価格は金貨100枚。最安値金貨90枚最高値金貨230枚、最終取引日は901日前と記録されています。』
精霊樹の雫。
金色に輝くそれは仄かに温かく、見ているだけで幸せな気持ちになる。
「いいのか、こんな貴重な物。」
「人間にとっては貴重かもしれないが、我々にとってはいずれ手に入るものだ。」
「そうか、そういうなら遠慮なくいただこう。」
「狼、本当にありがとう。」
ブンブン。
嬉しそうに尻尾を振るルフの頭を撫でてやり、今度こそその場を後にする。
「何貰ったの?」
「凄いやつ。」
「え、見せて見せて!」
「とりあえず馬車に戻ったらな、マジで探しに来るぞ。」
「えー、ちょっとだけー。」
誰も振り返ることはしなかった。
気づけば元の森に戻っていてすぐに馬車へと戻ることが出来た。
心配そうな顔をしたミラが真っ先に駆け寄ってくる。
さて、どこから話せばいいものか。
ポケットの中でほんのりと暖かい雫のぬくもりを感じながら、皆に向かって手を振るのだった。
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