転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す

エルリア

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651.転売屋は流しそうめんをする

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コーン!コーン!と独特の音が大通りから聞こえてくる。

いや、大通りだけじゃなくそこらじゅうからも聞こえてくる。

一体どうしてこんなことになったのか。

一つ言えるのはこの町の住民が皆お祭り好きということだ。

俺が下手なことを言ったばっかりにこんなことになるなんて。

まぁ、いつもの事だけど。

「シロウ、手が止まってる!」

「いい加減疲れた。」

「言いだしっぺなんだから頑張りなさい、長さはともかく太さはシロウにしか分からないんだから。」

「いや、細ければ別に何でもいいんだけど。」

「そういうわけには行かないわよ。とりあえず漬けタレは婦人会の皆さんが作ってくれてるから、薬味は冒険者が、土台は住民全員で建設中よ。生地はハワードを中心にこねまくってるから量は問題ないわ。ほら、頑張って。」

小麦を練って踏んで固めた巨大な生地を前に、俺は巨大な刀を手にしたまま固まっていた。

夏といえば流しそうめんだよな。

そんな事を言ってしまったがために、こんなことになるなんて。

流しそうめん。

竹を割りそれをくみ上げた所に大量の水を流しつつそうめんも一緒に流す料理。

料理なのか?

まぁいいや、ともかくそういう皆で騒ぎながら食べるやつだ。

だが生憎とこの世界にそうめんらしきものは無く、食べたいと思っても実現することは無い。

が、なければ作ればいいがこの世界の基本。

細くて長い麺類といえばこの町でもおなじみになったうどんがある。

それを出きるだけ細く長く切り、湯がいてしまおうということになったわけだ。

その切り出す生地の太さをどうするか、その基準を作るべく俺は切れ味抜群の刃物を手に悩んでいた。

「太すぎてもダメだし、かといって細いと千切れるしなぁ。」

「適当に何種類か作ればいいじゃない。」

「それじゃ基準にならないだろ?」

「まぁそうだけどさぁ。」

「だがやらないことには始まらないか、エリザそっち持ってくれ。」

「オッケー!」

エリザに反対側へと回ってもらい、三種類の生地を切り出す。

細め、少し太め、太め。

太いって言ってもうどんの半分ぐらいだ。

基準となるようにちゃんと長さを図って切り出している。

「すぐにハワードに渡して別々の鍋で湯がいて貰ってくれ。茹で上がる時間にも差が出るはずだからしっかり計るように頼むぞ。後はお前が食べて食べやすいと思ったサイズで決定だ。」

「はーい!」

これにて生地は終了、漬けタレも薬味も準備は出来ているから後は流す土台だけだな。

「グレイス、大通りへ行ってくる。湯で時間と太さが決まったらすぐに量産に入ってくれ。」

「行ってらっしゃいませ。」

帽子をかぶり屋敷の外へ。

夏らしい強い日差しがジリジリと俺の腕を焼いていく。

体感で行くと30度を超えたぐらいか。

元の世界の体温を超える気温は流石に耐えられないが、これぐらいなら我慢も出来る。

坂を下り大通りへ。

いつもは人が行きかう通りのど真ん中を、巨大な筒が占拠していた。

「おー、いい感じだな。」

「あ!シロウさん!こんな感じでいいですか?」

「十分だ。良くこんなバンブーが手に入ったな。」

「バズーカーバンブーには普段から頭を悩ませていましたから。こんな使い方が出来るなら普段から集めておいたらよかった。」

ポンポンと竹を叩いててみる。

まるで楽器のようないい音が帰ってきた。

『バズーカーバンブー。一抱えもある巨大な竹、その大きさから名前がついた。ダンジョンの中に突如として現れ、道をふさいでしまうこともある厄介者。食用にはならないが、西方では加工される事がある。最近の平均取引価格は銅貨5枚。最安値銅貨1枚最高値銅貨7枚。最終取引日は本日と記録されています。』

「節はくりぬいてあるんだよな?」

「はい!多少残ってますけど、くりぬいて流れるようにしてあります。ここが起点で、ここから一気に流していく感じですね。」

通りの真ん中を占拠していたのは一抱えもありそうな巨大な竹。

それを真っ二つに割った奴が俺の背丈ぐらいありそうな高さに鎮座していた。

「水は?」

「魔道具をかき集めています。中型が何台かあるのでそれを使えばかなりの量が出ますよ。」

「前の水不足も魔道具でどうにかなったんじゃないか?」

「いやいや、流石に町中の需要はまかなえませんって。」

それもそうか。

ちなみに竹を支えているのは、この前襲撃してきた大蟻の足。

鋭い足は地面にしっかり刺さるので、巨大な竹を置いてもびくともしない。

足を交差させ、その上に竹を乗せている。

起点は高さが必要なので、巨大なお立ち台を作って高さを調整しているようだ。

これが大通りの端から端まで繋がっていると思うと改めてバカだなぁと思ってしまう。

ちなみに巨大なやつは通りのみだが、小さいやつはいたるところで設置されているんだとか。

個人で楽しむ為らしい。

どれだけお祭り、いや新しもの好きなんだこの街は。

まぁ、その動きの速さが俺は好きなんだけども。

「魔道具持ってきたわよ!」

「お、エルロースが担当なのか。」

「むしろ私以外にいないと思うけど?」

「かなりの水が必要だが、本当に魔道具で何とかなるのか?」

「魔石じゃなくて魔力結晶を融通してもらったからかなりの量が出るはずよ。でも麺を流すなんて面白いこと考えるのねぇ。」

「普通に食っても美味いが、やっぱり楽しまないとな。」

氷の入った器で食べる素麺も美味いが、流れているのもまた格別だ。

ま、今回は素麺じゃなく細いうどんだけど、色も一緒だし問題ないだろう。

「それには大いに賛成するわ、一人で食べるご飯より皆で食べるご飯よねぇ。」

「ミラが久々に会いたがっていたぞ、暇が出来たら会ってやってくれ。」

「貴方も一緒じゃないの?」

「俺を一緒に食わないと約束してくれるなら参加しよう。」

「それは無理な相談よ。だってそろそろなんだもの。」

「早くないか?」

「そういうものよ。」

いや、理由になっていないと思うんだが。

発情期は主に春先と秋口、夏と冬はさほど波が無いという話だったんだが。

襲われないように気を付けないと。

「シロウさん!こんな所にいたんですか。」

「ん?シープさんじゃないか、何の用だ?」

エルロースの舐めるような視線から目線をそらすと、台の下に羊男がいた。

「お祭り騒ぎをするならちゃんとうちを通してもらわないと困るんですけど。」

「別に俺が企画したんじゃない、皆が勝手にやってるだけだ。」

「じゃあ備蓄を使ったのは?」

「さぁ、話を聞きつけたおたくの職員じゃないか?ちなみに嫁もノリノリで準備に参加してたぞ。冒険者と予算を総動員して今頃ダンシングオニオンの頭を刈りまくってるんじゃないか。」

素麺といえば生姜だが、うどんはネギだろう。

ってことで、青ネギを回収するべく冒険者達はダンシングオニオンを狩りにダンジョンへと潜っている。

ついでにジンジンジャーも頼んでおいた。

ネギといいながらも両方入れたい派なんでね。

「はぁ、勝手に予算を動かして。」

「いいじゃないか。ギルドは今金余りだろ?」

「別に余ってるわけじゃないですよ。余剰分はしっかりプールしてこの前みたいな時に備えておかないと。」

「そうやってぶくぶく溜め込むと面倒なことになるんじゃないか。」

「確かに内部留保が多いのは宜しくありませんが、かといって稼いだ傍から還元するのも違います。これでも新米への購入補助や、熟練者への待遇改善など使う所では使ってるんですから。」

「昔のギルドじゃ考えられないか。」

「本来はこうあるべきなんでしょうけど、でもやりすぎはよくありません。何事も公平に、ギルドも冒険者もどちらも満たされるようにしていきます。」

「ついでにギルド協会とローランド様だな。」

税金を回収するローランド様と、それを分配するギルド協会。

金の取り過ぎはもちろんよくないが、溜め込み過ぎても無駄になるだけ。

適度にばらまいて皆で騒ぐのもまた大切だ。

「ねぇ、そこどいてくれる?」

「おっと悪い悪い。後宜しくな。」

「お腹空いてきたから早く麺持ってきてよ。」

「今茹でてるからもう少し待て。」

エルロースに追い払われ設置台から降りる。

「ちなみに足の使用料はタダですよね?」

「そんなわけないだろ。」

「え、買取りですか?」

「一本につき銅貨1枚要求する。」

「なんだ、びっくりした。」

ほっと胸をなでおろす羊男。

せっかくのお祭りだしな。

使用後は本来の使い方をするので使用料をとるほどでもないのだが、タダってのはお互いの関係上宜しくない。

お金のやり取りがあったとしておいた方が色々と都合がいいこともある。

「使用料はいいが薬味やらなんやらはしっかり金出してやれよ、もちろん代金もタダで食わせろ。」

「ここまで大ごとになったらそうするしかないでしょう。」

「そう来なくっちゃ。」

「楽しむのはいいですけど、そろそろローランド様の所にも顔を出してくださいね。首を長くしてお待ちですから。」

「あー、分った。」

だよなぁ、いい加減顔を出さないとまずいよなぁ。

優先順位が少し低かったので放置していたのだが、さすがに流しそうめんをするなら来いと思われたんだろう。

「宜しくお願いしますよ、名誉男爵様。」

「そういうのは勘弁してくれ。」

別によいしょされたい訳じゃない。

いつも通りが一番だ。

「麺あがったわよ!」

「お、とりあえずできたみたいだな。とりあえず流してみるとするか。」

「いいですねぇ涼しげで。」

「たまにはこういうのも楽しいだろ。」

暑い夏、たまにはこういうので涼むのも悪くない。

その日、町中が水浸しになるぐらい大量のうどんが大通りを流れていったのだった。
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