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566.転売屋は花見をする
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「お?」
「どうしたの?」
「あんな花咲いてたか?」
「来るときは夜でしたから気づかなかったのでしょう。綺麗ですね。」
仕入れを終え、港町から川をさかのぼっていた時の事だ。
対岸に鮮やかなピンク色の花をつけた樹をみつけた。
それも一本じゃない、何本も川に沿って花を咲かせている。
まるで桜のような薄いピンク色。
それにしても見事だな。
「もう少し先に停泊できる場所がありますが、止めますか?」
「あぁ頼む、近くで見てみたい。」
「わかりました。」
行きにこれを見逃していたのはもったいない。
しばらく遡上し、無人の停船所に船を着ける。
「行かないのか?」
「船の警護がありますので。正直これだけの荷を置いて出かけるなど、気になって仕方ないと思います。」
「ま、それもそうか。」
「どうぞ楽しんできてください。」
「じゃあ二時間ほどで戻る、ガレイものんびりしてくれ。」
こんな事なら酒とかつまみを積んで来ればよかった。
多少の食い物は乗せているが量はない。
失敗したなぁ。
そんな事を思いながら、ガレイを残して俺達は川沿いをゆっくりと歩くことにした。
「綺麗ですね。」
「あぁ、見事なもんだ。」
「すごい、花びらが絨毯みたいになってる!」
「お姉ちゃんそんなにはしゃいだら危ないよ。」
「そうですよこけたら大変です。」
「は~い・・・。」
妹に加えてアネットにも諭され一瞬は大人しくなったエリザだったが、またはしゃいで走り出す。
子供かあいつは。
花弁の形は桜と微妙に違うがほぼ桜といっていいだろう。
桜並木を女達とのんびりと歩く。
なんて幸せな時間だろうかって、この前もそんな事を考えていたな。
年のせいだろうか。
「どうされました?」
「いや、なんでもない。」
「ご主人様の事ですからまた次の仕込みについて考えていたりして。」
「別に四六時中金の事を考えているわけじゃないぞ?」
「え、そうなの?」
「そうなのってお前なぁ。」
ちゃんと他の事だって考えてるっての。
今後の生活とか、産まれてくる子供とか、他の女達の事とか。
確かにこの世界に来たときは金の事しか考えてなかったけど、最近は他の事を考えている時間の方が多いかもしれない。
あ、訂正する。
金の事の方がやっぱり多いわ。
「あれだけの品を手に入れればどうしても考えてしまうものかと。」
「だよなぁ。」
「黒水晶の欠片、ですか。あれはもう欠片というより水晶そのままではないでしょうか。」
「それを言うな。」
「ブラックキャットだけでもすごいのに洞窟の中に黒水晶があるとか、発表すると大変なことになります。」
「迷惑になるからやめておこうな。」
あの後、塩を持って行った報酬として提示されたのは最初に見たやつの数倍の大きさをした水晶だった。
それも三つも。
欠片ならまだしもほぼ完全な水晶として提出されるとは思ってもみなかった。
キキ曰く、金貨5枚でも安いらしい。
高々銀貨20枚ほどの塩で金貨15枚の水晶が手に入るなんて、ぼったくりもいい所。
とはいえ、量に関しては向こうに一存していたわけで決してこっちから要求したわけではない。
彼らからしてみれば塩にそれだけの価値があったんだろう。
混じりけの無い塩に大喜びしてたもんなぁ。
塩を囲んで十数匹の猫がよくわからない踊りを披露してくれた。
可愛いかと聞かれると、正直可愛くない。
むしろ不気味な光景のはずなのに女達はやっぱりデレデレだった。
可愛さの基準がわからん。
「今後も同じ量を提供してくれるとすれば大儲け間違いない。とはいえせっかく水晶のまま手に入れたんだ、そのまま売るんじゃもったいないよな。」
「あの大きさですから吸魔材としての価値は申し分ありません。加工してオークションに流せばもっと価値は上がると思います。」
「ちなみに加工は?」
「出来ます。」
「よし、じゃあ任せた。」
「えぇ!?」
「あーあ、シロウの前で出来るなんて言っちゃだめよ。」
「金貨15枚を奴隷に?」
「ちなみに私は金貨300枚の管理を任されています。自分を買い戻すには十分すぎる金額ですね。」
奴隷に大金を任せるという事実を受け入れられないキキに、ミラがマウントを取りに行く。
そこは追い打ちをかけるところじゃないと思うぞ。
「ご主人様は私達が持ち逃げしないとわかって大金を預けてくださいます。頑張って下さいキキさん。」
「はぁ、なんで出来るって言っちゃったんだろ。」
「恨むんなら自分を恨みなさいね。」
「わかってるよぉ。」
よし、これで使い道が決まったぞ。
そのまま売れば金貨15枚、だけど加工すれば最低でも倍で売れる。
さらにそれが二か月に一回手に入るとなると・・・。
果樹園の二人には口止め料も含めて塩と一緒にそれなりの金額を支払ってきたが、おつりどころかもっと渡してもよかったかもしれない。
ま、あそこの半分以上をうちが買い付けるって話になったらしいし文句は言われないだろう。
奥さんがかなり黒猫を気に入ったようだし、邪険にはしないはずだ。
「ねぇ、シロウ見て!」
「ん?」
そんな金儲けの事を考えながら歩いていると、先を行くエリザが桜もどきの方を指さした。
こちらからは花びらしか見えないのだが、近づいて上を見てみるとそこにあったのは小さな実。
サクランボってそういや桜の花につくんだったな。
「食べられるかな。」
「食べてみたらどうだ?」
「それもそうね。」
「ダメだよお姉ちゃん、何でも食べてお腹の子に何かあったら大変でしょ。」
「あ、そっか。」
まったく、花より団子とはまさにこのことだ。
とはいえ、俺も食べてみたいと思っているわけで。
キキにお願いして魔法でそいつを打ち落としてもらう。
『ラッキーチェリー。ホワイトチェリーの一種だが極稀に薄いピンク色をしたものがなることがある。食べると幸運が訪れると言われている。最近の平均取引価格は銀貨10枚、最安値銀貨1枚最高値銀貨15枚。最終取引日は330日前と記録されています。』
年に一度しか実がならないことを考えると取引がないのもうなずける。
それにしてもラッキーチェリーねぇ。
本当に幸運なんて訪れるんだろうか。
「ラッキーチェリーだってさ、食べると幸運が訪れるらしいぞ。」
「え、食べたい!」
「だからダメだって。」
「えー、幸運になりたい。」
「今以上の幸運なんてないでしょ、そういうのはミラさんやアネットさんに譲るの。」
「私は別に・・・。」
「じゃあ私食べます!」
遠慮するミラを他所にアネットが元気よく宣言する。
ミラは・・・あれ?怒ってない?
「いいのか?」
「はい。シロウ様に愛してもらえばいいだけですので。」
「愛が重い。」
「お嫌ですか?」
「そんな事ないぞ。」
こんなもので子供を授かるつもりはないというミラの断固たる決意を感じた。
それを聞いたアネットは・・・いや、どうやら気にしていないようだ。
「とりあえずこれはアネットに譲るとして、上を見ると結構あるな。」
「そうですね、恐らくほとんどはホワイトチェリーだと思いますが中には同じものも混ざっているかと。」
「やるか。」
「やりますか。」
「ま、そうなるわよね。」
花より団子、団子より金ってね。
風情も何もないが、このまま置いていたって腐って落ちるだけだろう。
花弁が踏まれずに積もっている所から見ても、誰かが来た様子はない。
なら、俺達がしっかりと使ってやるべきだよな。
キキの魔法でなっている実を落としてもらい、それを地面に落下する前にキャッチするゲームが始まった。
中々に大変だが面白い。
あっという間にチェリーで腕がいっぱいになる。
あ、そうだこれが桜だとするともう一つ使えるものがあるな。
とりあえず綺麗なやつを回収しておこう。
「ねぇ、実はともかくそんなものどうするの?」
「それは食べてからのお楽しみってね。」
「え、食べるんですか?」
「そのままじゃ無理だが手を加えてやれば食べられるぞ。」
「シロウ様の料理、楽しみです。」
「手伝い宜しくな。」
両手いっぱいにチェリーを抱えて戻ってきた俺達を見てガレイが目を丸くして驚いていた。
こういうのにもまた慣れてもらわないと。
船に乗り込み、今度こそ街に向かって川を上る。
はてさて、戻ってからも忙しいぞ。
春といえば花見、そして忘れちゃいけない花より団子。
今から食べるのが楽しみだな。
「どうしたの?」
「あんな花咲いてたか?」
「来るときは夜でしたから気づかなかったのでしょう。綺麗ですね。」
仕入れを終え、港町から川をさかのぼっていた時の事だ。
対岸に鮮やかなピンク色の花をつけた樹をみつけた。
それも一本じゃない、何本も川に沿って花を咲かせている。
まるで桜のような薄いピンク色。
それにしても見事だな。
「もう少し先に停泊できる場所がありますが、止めますか?」
「あぁ頼む、近くで見てみたい。」
「わかりました。」
行きにこれを見逃していたのはもったいない。
しばらく遡上し、無人の停船所に船を着ける。
「行かないのか?」
「船の警護がありますので。正直これだけの荷を置いて出かけるなど、気になって仕方ないと思います。」
「ま、それもそうか。」
「どうぞ楽しんできてください。」
「じゃあ二時間ほどで戻る、ガレイものんびりしてくれ。」
こんな事なら酒とかつまみを積んで来ればよかった。
多少の食い物は乗せているが量はない。
失敗したなぁ。
そんな事を思いながら、ガレイを残して俺達は川沿いをゆっくりと歩くことにした。
「綺麗ですね。」
「あぁ、見事なもんだ。」
「すごい、花びらが絨毯みたいになってる!」
「お姉ちゃんそんなにはしゃいだら危ないよ。」
「そうですよこけたら大変です。」
「は~い・・・。」
妹に加えてアネットにも諭され一瞬は大人しくなったエリザだったが、またはしゃいで走り出す。
子供かあいつは。
花弁の形は桜と微妙に違うがほぼ桜といっていいだろう。
桜並木を女達とのんびりと歩く。
なんて幸せな時間だろうかって、この前もそんな事を考えていたな。
年のせいだろうか。
「どうされました?」
「いや、なんでもない。」
「ご主人様の事ですからまた次の仕込みについて考えていたりして。」
「別に四六時中金の事を考えているわけじゃないぞ?」
「え、そうなの?」
「そうなのってお前なぁ。」
ちゃんと他の事だって考えてるっての。
今後の生活とか、産まれてくる子供とか、他の女達の事とか。
確かにこの世界に来たときは金の事しか考えてなかったけど、最近は他の事を考えている時間の方が多いかもしれない。
あ、訂正する。
金の事の方がやっぱり多いわ。
「あれだけの品を手に入れればどうしても考えてしまうものかと。」
「だよなぁ。」
「黒水晶の欠片、ですか。あれはもう欠片というより水晶そのままではないでしょうか。」
「それを言うな。」
「ブラックキャットだけでもすごいのに洞窟の中に黒水晶があるとか、発表すると大変なことになります。」
「迷惑になるからやめておこうな。」
あの後、塩を持って行った報酬として提示されたのは最初に見たやつの数倍の大きさをした水晶だった。
それも三つも。
欠片ならまだしもほぼ完全な水晶として提出されるとは思ってもみなかった。
キキ曰く、金貨5枚でも安いらしい。
高々銀貨20枚ほどの塩で金貨15枚の水晶が手に入るなんて、ぼったくりもいい所。
とはいえ、量に関しては向こうに一存していたわけで決してこっちから要求したわけではない。
彼らからしてみれば塩にそれだけの価値があったんだろう。
混じりけの無い塩に大喜びしてたもんなぁ。
塩を囲んで十数匹の猫がよくわからない踊りを披露してくれた。
可愛いかと聞かれると、正直可愛くない。
むしろ不気味な光景のはずなのに女達はやっぱりデレデレだった。
可愛さの基準がわからん。
「今後も同じ量を提供してくれるとすれば大儲け間違いない。とはいえせっかく水晶のまま手に入れたんだ、そのまま売るんじゃもったいないよな。」
「あの大きさですから吸魔材としての価値は申し分ありません。加工してオークションに流せばもっと価値は上がると思います。」
「ちなみに加工は?」
「出来ます。」
「よし、じゃあ任せた。」
「えぇ!?」
「あーあ、シロウの前で出来るなんて言っちゃだめよ。」
「金貨15枚を奴隷に?」
「ちなみに私は金貨300枚の管理を任されています。自分を買い戻すには十分すぎる金額ですね。」
奴隷に大金を任せるという事実を受け入れられないキキに、ミラがマウントを取りに行く。
そこは追い打ちをかけるところじゃないと思うぞ。
「ご主人様は私達が持ち逃げしないとわかって大金を預けてくださいます。頑張って下さいキキさん。」
「はぁ、なんで出来るって言っちゃったんだろ。」
「恨むんなら自分を恨みなさいね。」
「わかってるよぉ。」
よし、これで使い道が決まったぞ。
そのまま売れば金貨15枚、だけど加工すれば最低でも倍で売れる。
さらにそれが二か月に一回手に入るとなると・・・。
果樹園の二人には口止め料も含めて塩と一緒にそれなりの金額を支払ってきたが、おつりどころかもっと渡してもよかったかもしれない。
ま、あそこの半分以上をうちが買い付けるって話になったらしいし文句は言われないだろう。
奥さんがかなり黒猫を気に入ったようだし、邪険にはしないはずだ。
「ねぇ、シロウ見て!」
「ん?」
そんな金儲けの事を考えながら歩いていると、先を行くエリザが桜もどきの方を指さした。
こちらからは花びらしか見えないのだが、近づいて上を見てみるとそこにあったのは小さな実。
サクランボってそういや桜の花につくんだったな。
「食べられるかな。」
「食べてみたらどうだ?」
「それもそうね。」
「ダメだよお姉ちゃん、何でも食べてお腹の子に何かあったら大変でしょ。」
「あ、そっか。」
まったく、花より団子とはまさにこのことだ。
とはいえ、俺も食べてみたいと思っているわけで。
キキにお願いして魔法でそいつを打ち落としてもらう。
『ラッキーチェリー。ホワイトチェリーの一種だが極稀に薄いピンク色をしたものがなることがある。食べると幸運が訪れると言われている。最近の平均取引価格は銀貨10枚、最安値銀貨1枚最高値銀貨15枚。最終取引日は330日前と記録されています。』
年に一度しか実がならないことを考えると取引がないのもうなずける。
それにしてもラッキーチェリーねぇ。
本当に幸運なんて訪れるんだろうか。
「ラッキーチェリーだってさ、食べると幸運が訪れるらしいぞ。」
「え、食べたい!」
「だからダメだって。」
「えー、幸運になりたい。」
「今以上の幸運なんてないでしょ、そういうのはミラさんやアネットさんに譲るの。」
「私は別に・・・。」
「じゃあ私食べます!」
遠慮するミラを他所にアネットが元気よく宣言する。
ミラは・・・あれ?怒ってない?
「いいのか?」
「はい。シロウ様に愛してもらえばいいだけですので。」
「愛が重い。」
「お嫌ですか?」
「そんな事ないぞ。」
こんなもので子供を授かるつもりはないというミラの断固たる決意を感じた。
それを聞いたアネットは・・・いや、どうやら気にしていないようだ。
「とりあえずこれはアネットに譲るとして、上を見ると結構あるな。」
「そうですね、恐らくほとんどはホワイトチェリーだと思いますが中には同じものも混ざっているかと。」
「やるか。」
「やりますか。」
「ま、そうなるわよね。」
花より団子、団子より金ってね。
風情も何もないが、このまま置いていたって腐って落ちるだけだろう。
花弁が踏まれずに積もっている所から見ても、誰かが来た様子はない。
なら、俺達がしっかりと使ってやるべきだよな。
キキの魔法でなっている実を落としてもらい、それを地面に落下する前にキャッチするゲームが始まった。
中々に大変だが面白い。
あっという間にチェリーで腕がいっぱいになる。
あ、そうだこれが桜だとするともう一つ使えるものがあるな。
とりあえず綺麗なやつを回収しておこう。
「ねぇ、実はともかくそんなものどうするの?」
「それは食べてからのお楽しみってね。」
「え、食べるんですか?」
「そのままじゃ無理だが手を加えてやれば食べられるぞ。」
「シロウ様の料理、楽しみです。」
「手伝い宜しくな。」
両手いっぱいにチェリーを抱えて戻ってきた俺達を見てガレイが目を丸くして驚いていた。
こういうのにもまた慣れてもらわないと。
船に乗り込み、今度こそ街に向かって川を上る。
はてさて、戻ってからも忙しいぞ。
春といえば花見、そして忘れちゃいけない花より団子。
今から食べるのが楽しみだな。
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