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【第4章】ロデオに吹く情熱の風 フラメンコも愛も踏み込みが肝心

新聞とドーニャ・マリカ

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 ドーニャ・マリカは自室に戻るとベッドに腰を掛けて再び新聞を開く。
 ニュースのほとんどが王都での出来事。突如婚約破棄をし、幼馴染との結婚に変更。そして元婚約者は歓迎会で姿をくらまし今も行方不明。さらに元婚約者には国家転覆の容疑で指名手配されている。名前も似顔絵も一面を使って大々的に知らせていた。
 その似顔絵は、たった今別れた女性と瓜二つ。

「……」

 新聞は有益な情報を提供すれば対価も与えると報じていた。
 目撃情報であれば銀貨一枚。
 正確な潜伏場所を通報したら金貨三枚。

 ドーニャ・マリカは煙草の煙を新聞に吹きかける。

「……くだらねえ」

 全ての記事を読み終える前に、新たにマッチを擦ると新聞に近づけて燃やしてしまう。

「さっさと寝ようかね、ふう」

 灰皿に煙草を押し付けて布団を被るとたちまちイビキが始まった。
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