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そわそわタイム? 3
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実桜さんが来てから朱華のおうちのお庭はびっくりするほど綺麗になった。
「お庭走りやすいねー!」
朝、真っ先に庭に飛び出していく真白は今日もご機嫌です。
「緑青の木も無事だー!」
言いながらお気に入りの洞の中にもぐりこんで
「よし!今日も居ないね!」
緑青が勝ち取った洞の中は昨日詰めた葉っぱがクッションになって変なものが入ってないかさっそく点検。そして新しいふかふかの葉っぱに入れ替えるために昨日の葉っぱを外へと掻き出していた。
そして
「あー!今日も実桜が来たよー!」
「実桜が来るとお庭が明るくなっていいよねー!」
「だけど実桜以外もいるよー?」
「蒼だー!」
「この間は頭が緑色だったのに今日は茶色になってるねー!」
「いつも色が変わってて面白いよねー!」
そんな緑青たちの認識。
あながち間違いじゃないキャラクターだけどこう見えても実桜の夫で一児の父。早く落ち着けと誰も言わない環境なので会社のHPに写る蒼の写真はすべて別カラーという奇跡。HP作った人の悪意、ではなく理解力を感じる秀作だ。
そんな事まで知らない緑青たちだが
「あー、園芸部も来たー!」
「今日はたくさん人が来るねー?」
「お客様がいっぱいだね!」
「今日は何をするんだろうね?」
「もう切る葉っぱがないのにね」
なんてみんなで見守っていれば緑青の梅の木の前に並んで
「で、どうするんだ?やっぱり切るのか?」
三人で見上げていた。
蒼がやっぱりやめるか?なんて言葉に慌てたのは緑青で
「緑青の木を切っちゃダメ!!!」
蒼たちに近づかないでと必死で止めようとする緑青だけど視えない、聞こえない、気付いていない三人組は悩むリーダー事実桜の指示を待つだけ。
だけど実桜は困ったと言わんばかりに梅の木を見上げ
「木の寿命から言ったらいつ枯れてもおかしくないのよこの子。
強風で根元から折れて怪我人が出る前に切っちゃうのが一番安全なんだけど」
うーんと宿り木の生える木を見上げながら
「この間強剪定したでしょ?」
「枝が折れるまで伸びて絡んでましたもんね」
園芸部は重なり合って絡み合ったこの明るい庭に陽の届かないくらいに生い茂った梅の木をどう処理するのか楽しみにしていた。
その結果がここまでの強剪定。
こんなにも切って大丈夫かと思ったけどこの時点で枯れてないという事は逆にここまで切っていいのだと感心する。園芸部にはまだない度胸だ。
「やっぱりここまでの強剪定は無茶だったか?」
蒼もずーっと梅の木を見上げている実桜に心配して声をかければ
「ううん?この子は強い子だよ。
枯れるかも知れないぎりぎりまで小さくしたけど心配は他にあるの」
「どこに?」
園芸部が聞けば
「ちょっと前に綾人さんの町家の中庭全部入れ替えをしたじゃない」
「ああ、街中の家だな」
「急遽クレーン借りて石まで撤去した家ですよね」
その結果何もなくなってしまった古き味のある庭。苔の美しい癒しの空間だったが
「正直に言うと見た目とは裏腹にすごく気持ちの悪い庭だったの。
庭に足を入れるのもためらったぐらい、何か良くないって思う場所だったわ」
一見陽射しも入って明るいかわいらしい坪庭にしか見えないのに一歩足を踏み入れたら暖かいはずの陽射しを感じずに背筋を駆け上る寒気に襲われた事までは口にしない。
「だけど綾人さんが来て庭を見てすぐに全部入れ替えようって言ったでしょ?」
「まあ、綾さんいつも思い切ったこと言うからな」
「一番いい例は城を買ったことだよね」
言ってみんなで笑う。
「だけど今回は真逆で川に抜いた木をしっかり焼いて流したじゃない」
「ああ、私服だったけど神職の人呼んでもらってたな」
蒼が良くわからんけどと言えば
「小さいころ祖父と曽祖父に連れられて何回か見た事があったんだけど……
たぶん同じようなことしてもらってたと思うの。いわゆるお祓いってやつ」
「まじっすか?!」
俺そんな貴重な体験してたんだと喚く園芸部に
「めったには立ち会う事は無いんだけどね」
なんて言いながら梅の木を見て
「この木も最初遠目から見た時はあまりよくない木だって思ったんだけどね」
バッサリ枝を切り落として根元にもしっかり水を与えた。
そして一日過ぎればしっかりと水は上がっていたようでわずかに残された葉っぱはつやつやと生き生きとしている。
「この木は切っちゃいけない木だったみたいだったわ」
「そういうのがあるんですか?」
「あるのよ。俗にいうご神木とか言うでしょ?そういう部類の木になると思うの」
「よくわからん」
蒼がどういうことだというも
「それは、直感的な物よ」
と実桜は言う。
「たぶんこの子はもうしばらく元気に花を咲かせるし、だけど結実するまでの力はないけど代わりにお守りみたいな木になると思うのよ」
「つまり、俺も独り立ちしたかったらそう言うのを見分けれるようにならないとですね!」
「たぶん園芸部には無理だから」
なんて苦笑いしながら、でも視線は小さくなった梅の木を見上げ
「むしろ、綾人さんが町家と言い見極めていることがすごいのよ。
この木を抜けって指示は特になかったの。安全の為に木を切れっていう事はあっても枯れて倒れそうな木なのに切れって言わないから不思議だって思ってたんだけど……」
「つまりは、なんだ?」
俺じゃあ綾さんの頭の中までわからんぞという蒼に苦笑しながら
「せっかくついてきてもらったのにこの梅の木は何もしない事にするから、今日は次の仕事に向かいましょう!」
なんて晴れやかな笑みを浮かべる。
そして緑青も
「緑青の木が無事ー!
緑青が一生懸命お世話するから切らないでね!」
言いながら緑青は実桜の周りをぐるぐると飛んで喜んでいた。
そんな緑青が視えるはずのないのに実桜はちょうど緑青が飛び回ってる当たりに視線をむけてにこにことしながら
「だけどこの話、宮下さんには内緒ね?」
「んー、まあ。あの人この家にもあまり来たくなさそうだからな」
「ホラゲーもダメだし、泣かして社長に怒られるくらいなら黙ってますよ」
なんて三人で苦笑。
「それと綾人さんのちょっと鋭いところも内緒にしましょ!」
そこも強調する。
「面白いのになんで?」
と首をかしげる園芸部に
「人に話せる事ならとっくに宮下さんや社長に話していると思うの。だけど二人とも知らないっていう事は知られたくないだろうから私たちから口にしていい事ではないわ」
「まあ、綾さんを怒らす勇気は俺にはないから。
園芸部も黙ってろよ」
「っす!俺だって綾っさんには嫌われたくないですからね!」
力説する園芸部に実桜も蒼も笑う。
「うん。この家の庭の手入れはこれで終了!
完了の写真撮って綾人さんに送って終わりー!
次の仕事場に行くよー!」
「山か」
あー、蒼も納得と言わんばかりに数年をかけて実桜の好みの植栽で埋め尽くされた山を思えば納得のこのテンション。
「綾っさんの依頼っていつも突然でいつも急務だからね」
山にも行けなかったこの数日。
ひたすら草刈りの日々。
うきうきとしている奥さんを見てここは旦那の蒼が一肌脱ぐしかないとスマホを取り出して
「あとの写真と片付けはやっておくから。
園芸部、実桜と一緒に山に行け」
「蒼ありがとー!」
「了解っす。
因みに兄貴は今日はどちらに?」
「一足遅れて社長たちに合流するから、帰りは夜になるな」
「分かった。気を付けてねー!」
なんていそいそと山に行こうとする実桜を追いかけるようにバタバタと車から降ろしたばかりの機材をまた車に詰めて実桜を乗せて車を走らせる園芸部に嫉妬という言葉よりも
「いつもうちの奥さんに付き合わせて悪いな」
出会って10年になる二人だが相変わらず園芸に関してはさっぱりな蒼は実桜が一人で仕事をしなくて済む相棒がいる事に感謝するのだった。
「お庭走りやすいねー!」
朝、真っ先に庭に飛び出していく真白は今日もご機嫌です。
「緑青の木も無事だー!」
言いながらお気に入りの洞の中にもぐりこんで
「よし!今日も居ないね!」
緑青が勝ち取った洞の中は昨日詰めた葉っぱがクッションになって変なものが入ってないかさっそく点検。そして新しいふかふかの葉っぱに入れ替えるために昨日の葉っぱを外へと掻き出していた。
そして
「あー!今日も実桜が来たよー!」
「実桜が来るとお庭が明るくなっていいよねー!」
「だけど実桜以外もいるよー?」
「蒼だー!」
「この間は頭が緑色だったのに今日は茶色になってるねー!」
「いつも色が変わってて面白いよねー!」
そんな緑青たちの認識。
あながち間違いじゃないキャラクターだけどこう見えても実桜の夫で一児の父。早く落ち着けと誰も言わない環境なので会社のHPに写る蒼の写真はすべて別カラーという奇跡。HP作った人の悪意、ではなく理解力を感じる秀作だ。
そんな事まで知らない緑青たちだが
「あー、園芸部も来たー!」
「今日はたくさん人が来るねー?」
「お客様がいっぱいだね!」
「今日は何をするんだろうね?」
「もう切る葉っぱがないのにね」
なんてみんなで見守っていれば緑青の梅の木の前に並んで
「で、どうするんだ?やっぱり切るのか?」
三人で見上げていた。
蒼がやっぱりやめるか?なんて言葉に慌てたのは緑青で
「緑青の木を切っちゃダメ!!!」
蒼たちに近づかないでと必死で止めようとする緑青だけど視えない、聞こえない、気付いていない三人組は悩むリーダー事実桜の指示を待つだけ。
だけど実桜は困ったと言わんばかりに梅の木を見上げ
「木の寿命から言ったらいつ枯れてもおかしくないのよこの子。
強風で根元から折れて怪我人が出る前に切っちゃうのが一番安全なんだけど」
うーんと宿り木の生える木を見上げながら
「この間強剪定したでしょ?」
「枝が折れるまで伸びて絡んでましたもんね」
園芸部は重なり合って絡み合ったこの明るい庭に陽の届かないくらいに生い茂った梅の木をどう処理するのか楽しみにしていた。
その結果がここまでの強剪定。
こんなにも切って大丈夫かと思ったけどこの時点で枯れてないという事は逆にここまで切っていいのだと感心する。園芸部にはまだない度胸だ。
「やっぱりここまでの強剪定は無茶だったか?」
蒼もずーっと梅の木を見上げている実桜に心配して声をかければ
「ううん?この子は強い子だよ。
枯れるかも知れないぎりぎりまで小さくしたけど心配は他にあるの」
「どこに?」
園芸部が聞けば
「ちょっと前に綾人さんの町家の中庭全部入れ替えをしたじゃない」
「ああ、街中の家だな」
「急遽クレーン借りて石まで撤去した家ですよね」
その結果何もなくなってしまった古き味のある庭。苔の美しい癒しの空間だったが
「正直に言うと見た目とは裏腹にすごく気持ちの悪い庭だったの。
庭に足を入れるのもためらったぐらい、何か良くないって思う場所だったわ」
一見陽射しも入って明るいかわいらしい坪庭にしか見えないのに一歩足を踏み入れたら暖かいはずの陽射しを感じずに背筋を駆け上る寒気に襲われた事までは口にしない。
「だけど綾人さんが来て庭を見てすぐに全部入れ替えようって言ったでしょ?」
「まあ、綾さんいつも思い切ったこと言うからな」
「一番いい例は城を買ったことだよね」
言ってみんなで笑う。
「だけど今回は真逆で川に抜いた木をしっかり焼いて流したじゃない」
「ああ、私服だったけど神職の人呼んでもらってたな」
蒼が良くわからんけどと言えば
「小さいころ祖父と曽祖父に連れられて何回か見た事があったんだけど……
たぶん同じようなことしてもらってたと思うの。いわゆるお祓いってやつ」
「まじっすか?!」
俺そんな貴重な体験してたんだと喚く園芸部に
「めったには立ち会う事は無いんだけどね」
なんて言いながら梅の木を見て
「この木も最初遠目から見た時はあまりよくない木だって思ったんだけどね」
バッサリ枝を切り落として根元にもしっかり水を与えた。
そして一日過ぎればしっかりと水は上がっていたようでわずかに残された葉っぱはつやつやと生き生きとしている。
「この木は切っちゃいけない木だったみたいだったわ」
「そういうのがあるんですか?」
「あるのよ。俗にいうご神木とか言うでしょ?そういう部類の木になると思うの」
「よくわからん」
蒼がどういうことだというも
「それは、直感的な物よ」
と実桜は言う。
「たぶんこの子はもうしばらく元気に花を咲かせるし、だけど結実するまでの力はないけど代わりにお守りみたいな木になると思うのよ」
「つまり、俺も独り立ちしたかったらそう言うのを見分けれるようにならないとですね!」
「たぶん園芸部には無理だから」
なんて苦笑いしながら、でも視線は小さくなった梅の木を見上げ
「むしろ、綾人さんが町家と言い見極めていることがすごいのよ。
この木を抜けって指示は特になかったの。安全の為に木を切れっていう事はあっても枯れて倒れそうな木なのに切れって言わないから不思議だって思ってたんだけど……」
「つまりは、なんだ?」
俺じゃあ綾さんの頭の中までわからんぞという蒼に苦笑しながら
「せっかくついてきてもらったのにこの梅の木は何もしない事にするから、今日は次の仕事に向かいましょう!」
なんて晴れやかな笑みを浮かべる。
そして緑青も
「緑青の木が無事ー!
緑青が一生懸命お世話するから切らないでね!」
言いながら緑青は実桜の周りをぐるぐると飛んで喜んでいた。
そんな緑青が視えるはずのないのに実桜はちょうど緑青が飛び回ってる当たりに視線をむけてにこにことしながら
「だけどこの話、宮下さんには内緒ね?」
「んー、まあ。あの人この家にもあまり来たくなさそうだからな」
「ホラゲーもダメだし、泣かして社長に怒られるくらいなら黙ってますよ」
なんて三人で苦笑。
「それと綾人さんのちょっと鋭いところも内緒にしましょ!」
そこも強調する。
「面白いのになんで?」
と首をかしげる園芸部に
「人に話せる事ならとっくに宮下さんや社長に話していると思うの。だけど二人とも知らないっていう事は知られたくないだろうから私たちから口にしていい事ではないわ」
「まあ、綾さんを怒らす勇気は俺にはないから。
園芸部も黙ってろよ」
「っす!俺だって綾っさんには嫌われたくないですからね!」
力説する園芸部に実桜も蒼も笑う。
「うん。この家の庭の手入れはこれで終了!
完了の写真撮って綾人さんに送って終わりー!
次の仕事場に行くよー!」
「山か」
あー、蒼も納得と言わんばかりに数年をかけて実桜の好みの植栽で埋め尽くされた山を思えば納得のこのテンション。
「綾っさんの依頼っていつも突然でいつも急務だからね」
山にも行けなかったこの数日。
ひたすら草刈りの日々。
うきうきとしている奥さんを見てここは旦那の蒼が一肌脱ぐしかないとスマホを取り出して
「あとの写真と片付けはやっておくから。
園芸部、実桜と一緒に山に行け」
「蒼ありがとー!」
「了解っす。
因みに兄貴は今日はどちらに?」
「一足遅れて社長たちに合流するから、帰りは夜になるな」
「分かった。気を付けてねー!」
なんていそいそと山に行こうとする実桜を追いかけるようにバタバタと車から降ろしたばかりの機材をまた車に詰めて実桜を乗せて車を走らせる園芸部に嫉妬という言葉よりも
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