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飯田家の事情 15
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爪が床に当たる音と聞こえづらくても小走りのように近づく足音。
更に他と違い跳ねるような足音に視線を向ければ
「皆さん戻ってきましたか?」
飯田さんが俺の視線を見ただけで言えば少しだけ庵の緊張する顔。
だけどなんかそわそわとしている様子がお前一体どっちなんだよと突っ込みたくなるもドアを開けなくても部屋に入ってくる皆に
「ご飯沢山もらえたか?」
なんて聞けばみんな満足げな顔で俺の側に侍るも次郎さんは庵の胡座の上でくるんと丸まった。
いい座布団だと言わんばかりに前足をぺろぺろする仕草に笑ってしまえば
「え?綾人さんなんで笑うの?」
なんて動揺する庵に
「次郎さんはお前の膝の上を気に入ったらしいぞ。お父さんの次にだけどな」
「よかったな庵」
「あああ…… 暁さんにどんな状況か見せてほしい」
どうやらとっくに苦手意識はなくなっている模様。あとはただ自分の思い込みだけを乗り越えれば大丈夫だなと判断すればうまくやっていける未来に俺と飯田さんは視線を合わせて庵に気付かれないようにそっと肩を震わせて笑うのだった。
そして約二年の月日をかけて店は大改装をして飯田さんの店が無事オープンする事になった。
改装する前折角だからと圭斗たちみんなでお父さんのお店の最後の姿を見学をさせてもらえば雨漏りや壁に亀裂が見つかったりとかなりの大きな修繕が必要となっていた。
ただ何かとこだわりのあるお土地柄。
宮下は今も交流のある人の伝手を伝いながら修繕に参加させてもらい、実桜さんもこの素敵な庭園の造園を専属の人から学ぶと言う貪欲な人たちが数か月飯田家に滞在する事になった。
もちろんその間家の方はみんなでフォローする事になったのだが他にもいろいろな出来事が起きた。
何とあの騒動の後半年ほどして実家に戻って来たいおりんが結婚しました。
お相手は高校時代の同級生だそうです。
図書委員だった時に知り合ったそうで、母子家庭だった彼女は昼休みに昼食をとらないと言う様子に食べさせたのがきっかけだとかなんか懐かしいフレーズを聞いた。
だけどそれも高校時代の時だけの話しで久しぶりに再会した彼女は相変わらず痩せていたと……
再会して話を聞けば子供の為に働いた母親が体調を崩し、一人娘の彼女が母親と生活を支えながら過ごしてきたと言う。
母親の為に仕事を休んでばかりしていた為に会社に居辛くなってついには辞めてしまい、パートをしながら支えてきた生活は高校時代に知り合った頃を彷彿とさせる姿になっていた。
母親は再会する少し前に亡くなってしまったもののこの歳で再就職も難しく今は派遣をして何でもやっていると言う。
ただ再会した時にどこか途方に暮れていた顔をしていたので話を聞けば今まで住んで居たアパートが取り壊しになるから退去を求められていると言う。貯めたお金は母の葬儀で使ってしまったので今直ぐには動けない事を大家に伝えてみたもののアパートの取り壊しの日は決まっていてもう取りやめる事は出来ないと言う。
そんな苦い話を聞く再会になってしまったらしいが庵も何か手助けが出来る事があればと考えるも引っ越し代だけを渡せば解決ではない事は判っている。
取り壊さなくてはいけないにアパートにしがみ付いているという事はアパート代問題もあるからだろう。
築60年のアパートは風呂もないらしく、女性がそんなアパートに住んで居て本当に大丈夫なのかと思ったけど子供の頃から慣れているからと言われたらなんて言い返せばいいのかなんて分からない。
彼女の問題はさらにある。
今務めている会社の派遣期間がもうすぐ終わると言う。
正社員の採用もあると聞いて決めたのだが前任者からの引継ぎの時に「そんなの建前だから」なんて毒づくように言われて落胆をした、なんて事はない。むしろここもかとため息が出る程度に経験を積んで、でも少しだけ夢を見たけどやっぱり切られる事となり、悪い事は重なるものだと笑いながら一粒の涙をこぼしていた。
目の前の事が山積みで自分の夢を持てない人間を庵はもう一人知っていた。
だけどその人物は流される事無く歯向かうように自力で突き進む強さと、手を貸してくれた周囲をそこまでと言うくらい大切にする度量を持つ人で、俺も沢山助けられたことは言うまでもない。
そして助けてもらった人たちも見習って周囲に手を伸ばし……
そこでも俺は助けられた。
だったら今度は俺の番。
今度こそただ助けられるだけの人間のままでは居たくないと顔をあげる。
「確か家政婦の仕事したことあったよね?」
「うん。今思い出せば一番続いたかも。
だけど最後はその家の方が家を引き払う事になって終わったの」
その時が一番楽しかった、そんな顔で年老いたご婦人の家のこまごまとした事を契約外でも何でもしたと言う。
「沢山の事を教えてくれた素敵な奥様だったからついつい手を貸してしまって、よく奥様に怒られたわ。私を甘やかしちゃダメよって」
その奥様もすでに儚くなっており、思い出は薄れてしまうも美しくとどまっている素敵な出会いでもあったようだ。
だったらあとは俺が少しの勇気を持てばいい。
俺を助けてくれたあいつらだってものすごい緊張した顔で俺を引っ張って孤独な世界に落ちないようにしてくれたじゃないか。
年下のあいつらにできて俺が出来ないわけはない。
そんな決意を秘めて俺は
「うちの家政婦をしないか?」
と話を持ち掛けた。
戸惑う彼女の返事も聞かず家へと連れて行き親父と母さんに相談すればどこか呆れた顔。
本人の了承も得ずに何を言ってると言われたけどなぜかその時遊びに来ていた綾人さんに
「だったら面接がわりにこの家の一階部分の掃除をしてもらえばいい。
審査員はお母さん。受かったら俺が雇用しよう」
相変わらずこの人は人の話を聞かずに話を進めてしまう。お前もだと父さんに突っ込まれたけど……
母さんの冷ややかな視線に俺は身をすくめてしまうものの母さんはこの広い家の客間と床の間、そして玄関だけを掃除をさせながら監視と言う監督をしながらも
「あら、意外と手慣れているのね」
「前に派遣された先のお宅でたくさん勉強させていただきまして」
件の奥様の話しだろう。
そこから話が盛り上がれば何とうちの店にも通う常連さんのお宅だったようで……
後は故人の話しに懐かしさから話が止まる事はなく、綾人さんはこうなるという事が分かっていたかのように持っていたノートパソコンからうちのプリンターを使ってどんどん契約書類を用意する始末。
そして勝手に徒歩五分ぐらいのアパートまで契約してしまい、母さんと話が終える頃には即日入居可能なアパートの為に今からでも引っ越せると言う相変わらず早い仕事に俺達は慣れているけど彼女はついて行けないようだった。
とりあえず今から管理会社に行ってきますと綾人さんが連れて行こうとするから俺も慌ててついて行き、帰ってくる頃には兄さんが呆れたように綾人さんを無言で眺めていたけどやっぱりすぐに何か言うのを諦めて
「女手が足りない事は判っていましたがせめて一言俺にも相談してください」
つまるところ少しのけ者にされた事に落ち込んでいたらしい。
いや、兄さん今それどころじゃない位忙しいんだからと思うも親父の方から丁寧な説明があったようで反対はなく、丁寧に頭を下げて口数の多い母さんと口数の少ない父さんですがよろしくお願いしますなんて言われた彼女、柚木雫はこちらこそよろしくお願いしますと三つ指をついてのご挨拶。
その姿は父さん達を満足させるような美しさにもう誰も何も文句は言わなかった。
更に他と違い跳ねるような足音に視線を向ければ
「皆さん戻ってきましたか?」
飯田さんが俺の視線を見ただけで言えば少しだけ庵の緊張する顔。
だけどなんかそわそわとしている様子がお前一体どっちなんだよと突っ込みたくなるもドアを開けなくても部屋に入ってくる皆に
「ご飯沢山もらえたか?」
なんて聞けばみんな満足げな顔で俺の側に侍るも次郎さんは庵の胡座の上でくるんと丸まった。
いい座布団だと言わんばかりに前足をぺろぺろする仕草に笑ってしまえば
「え?綾人さんなんで笑うの?」
なんて動揺する庵に
「次郎さんはお前の膝の上を気に入ったらしいぞ。お父さんの次にだけどな」
「よかったな庵」
「あああ…… 暁さんにどんな状況か見せてほしい」
どうやらとっくに苦手意識はなくなっている模様。あとはただ自分の思い込みだけを乗り越えれば大丈夫だなと判断すればうまくやっていける未来に俺と飯田さんは視線を合わせて庵に気付かれないようにそっと肩を震わせて笑うのだった。
そして約二年の月日をかけて店は大改装をして飯田さんの店が無事オープンする事になった。
改装する前折角だからと圭斗たちみんなでお父さんのお店の最後の姿を見学をさせてもらえば雨漏りや壁に亀裂が見つかったりとかなりの大きな修繕が必要となっていた。
ただ何かとこだわりのあるお土地柄。
宮下は今も交流のある人の伝手を伝いながら修繕に参加させてもらい、実桜さんもこの素敵な庭園の造園を専属の人から学ぶと言う貪欲な人たちが数か月飯田家に滞在する事になった。
もちろんその間家の方はみんなでフォローする事になったのだが他にもいろいろな出来事が起きた。
何とあの騒動の後半年ほどして実家に戻って来たいおりんが結婚しました。
お相手は高校時代の同級生だそうです。
図書委員だった時に知り合ったそうで、母子家庭だった彼女は昼休みに昼食をとらないと言う様子に食べさせたのがきっかけだとかなんか懐かしいフレーズを聞いた。
だけどそれも高校時代の時だけの話しで久しぶりに再会した彼女は相変わらず痩せていたと……
再会して話を聞けば子供の為に働いた母親が体調を崩し、一人娘の彼女が母親と生活を支えながら過ごしてきたと言う。
母親の為に仕事を休んでばかりしていた為に会社に居辛くなってついには辞めてしまい、パートをしながら支えてきた生活は高校時代に知り合った頃を彷彿とさせる姿になっていた。
母親は再会する少し前に亡くなってしまったもののこの歳で再就職も難しく今は派遣をして何でもやっていると言う。
ただ再会した時にどこか途方に暮れていた顔をしていたので話を聞けば今まで住んで居たアパートが取り壊しになるから退去を求められていると言う。貯めたお金は母の葬儀で使ってしまったので今直ぐには動けない事を大家に伝えてみたもののアパートの取り壊しの日は決まっていてもう取りやめる事は出来ないと言う。
そんな苦い話を聞く再会になってしまったらしいが庵も何か手助けが出来る事があればと考えるも引っ越し代だけを渡せば解決ではない事は判っている。
取り壊さなくてはいけないにアパートにしがみ付いているという事はアパート代問題もあるからだろう。
築60年のアパートは風呂もないらしく、女性がそんなアパートに住んで居て本当に大丈夫なのかと思ったけど子供の頃から慣れているからと言われたらなんて言い返せばいいのかなんて分からない。
彼女の問題はさらにある。
今務めている会社の派遣期間がもうすぐ終わると言う。
正社員の採用もあると聞いて決めたのだが前任者からの引継ぎの時に「そんなの建前だから」なんて毒づくように言われて落胆をした、なんて事はない。むしろここもかとため息が出る程度に経験を積んで、でも少しだけ夢を見たけどやっぱり切られる事となり、悪い事は重なるものだと笑いながら一粒の涙をこぼしていた。
目の前の事が山積みで自分の夢を持てない人間を庵はもう一人知っていた。
だけどその人物は流される事無く歯向かうように自力で突き進む強さと、手を貸してくれた周囲をそこまでと言うくらい大切にする度量を持つ人で、俺も沢山助けられたことは言うまでもない。
そして助けてもらった人たちも見習って周囲に手を伸ばし……
そこでも俺は助けられた。
だったら今度は俺の番。
今度こそただ助けられるだけの人間のままでは居たくないと顔をあげる。
「確か家政婦の仕事したことあったよね?」
「うん。今思い出せば一番続いたかも。
だけど最後はその家の方が家を引き払う事になって終わったの」
その時が一番楽しかった、そんな顔で年老いたご婦人の家のこまごまとした事を契約外でも何でもしたと言う。
「沢山の事を教えてくれた素敵な奥様だったからついつい手を貸してしまって、よく奥様に怒られたわ。私を甘やかしちゃダメよって」
その奥様もすでに儚くなっており、思い出は薄れてしまうも美しくとどまっている素敵な出会いでもあったようだ。
だったらあとは俺が少しの勇気を持てばいい。
俺を助けてくれたあいつらだってものすごい緊張した顔で俺を引っ張って孤独な世界に落ちないようにしてくれたじゃないか。
年下のあいつらにできて俺が出来ないわけはない。
そんな決意を秘めて俺は
「うちの家政婦をしないか?」
と話を持ち掛けた。
戸惑う彼女の返事も聞かず家へと連れて行き親父と母さんに相談すればどこか呆れた顔。
本人の了承も得ずに何を言ってると言われたけどなぜかその時遊びに来ていた綾人さんに
「だったら面接がわりにこの家の一階部分の掃除をしてもらえばいい。
審査員はお母さん。受かったら俺が雇用しよう」
相変わらずこの人は人の話を聞かずに話を進めてしまう。お前もだと父さんに突っ込まれたけど……
母さんの冷ややかな視線に俺は身をすくめてしまうものの母さんはこの広い家の客間と床の間、そして玄関だけを掃除をさせながら監視と言う監督をしながらも
「あら、意外と手慣れているのね」
「前に派遣された先のお宅でたくさん勉強させていただきまして」
件の奥様の話しだろう。
そこから話が盛り上がれば何とうちの店にも通う常連さんのお宅だったようで……
後は故人の話しに懐かしさから話が止まる事はなく、綾人さんはこうなるという事が分かっていたかのように持っていたノートパソコンからうちのプリンターを使ってどんどん契約書類を用意する始末。
そして勝手に徒歩五分ぐらいのアパートまで契約してしまい、母さんと話が終える頃には即日入居可能なアパートの為に今からでも引っ越せると言う相変わらず早い仕事に俺達は慣れているけど彼女はついて行けないようだった。
とりあえず今から管理会社に行ってきますと綾人さんが連れて行こうとするから俺も慌ててついて行き、帰ってくる頃には兄さんが呆れたように綾人さんを無言で眺めていたけどやっぱりすぐに何か言うのを諦めて
「女手が足りない事は判っていましたがせめて一言俺にも相談してください」
つまるところ少しのけ者にされた事に落ち込んでいたらしい。
いや、兄さん今それどころじゃない位忙しいんだからと思うも親父の方から丁寧な説明があったようで反対はなく、丁寧に頭を下げて口数の多い母さんと口数の少ない父さんですがよろしくお願いしますなんて言われた彼女、柚木雫はこちらこそよろしくお願いしますと三つ指をついてのご挨拶。
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