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飯田家の事情 10
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もっふもっふと歩くしいさんとこまさん、そしてついてきた次郎さんと鈴さんにこの近辺と言うかお散歩コースを案内してもらい、暁の家を眺めれば好奇心に姿を現す九条家の付喪神と挨拶をしたり、なぜか晴朝の小学校の門まで来たり、古い大きな木のある公園を通り抜けたり、途中見つけた和菓子屋さんでおやつを買って一緒に食べたりとしいさんとこまさんのエスコートを楽しんでからの……
「おーい、生きてるかー?」
「綾っちごめん。
話が難しくってわからなくなった」
「綾っちごめん。
足がしびれてそれどころじゃなかった」
予想通りの残念な水野と植田はさらさら期待してはいなかった。
ちゃんとこうやって話し合えばわかりあえる家族なのに首を突っ込まされた腹いせ……なんて言わないけど、こうやって乗り込んできた責任者に最後まで責任を取らせただけだ。
もう高校時代や学生時代の水野と植田じゃないんだ。
俺に助けを求めるのは構わないが、今回の企画発案者として最後まで見ろと自分達で責任を取る事を俺は学ばせただけ。
まあ、練習するにはいい相手だけど、突っ込む相手を間違えたお前ら勇者だよと褒め称えるしかない。
それでもしいさん達とデートして帰ってくるまでこの飯田家を追い出されなかっただけでも十分だと思う。
「陸斗も疲れたな?」
「俺はただお話を聞かせていただいていただけなので」
足は崩しているけどちゃんと最後まで話を聞いていたと言うように机の下でスマホにメモを取っていた陸斗の頭を撫でてあげる。
嬉しそうに、そしてどこか懐かしそうに目を細める笑顔にとても圭斗の弟とは思えないと癒されながら俺もスマホを取り出す。
「どっちにしてもせっかく京都まで来たんだ。
駅前のホテルに部屋を取ってるから三人で泊まってこい。ついでに観光もしてくると良いぞー。
俺は飯田さん達と話があるからここに泊まっていくから適当に遊んでていいぞー」
「「綾っち大好き!」」
「綾人さんありがとうございます」
途端に水野と植田は復活して両手をついて深々と頭を下げて感謝をするその姿が一番胡散臭い。
陸斗は相変わらず心から嬉しいと言わんばかりの笑顔と視線を向けてくれる。あまりにも眩しくてもっと何かしてあげたいと思うけど
「そうだ!折角だから陸斗が行きたがっていた京のおばんざいが食べれる所にしよう!」
なんて水野の提案。
お前の後ろでお父さんが聞き捨てならんと言うように目を見開いていますよ?と言うのは口を閉ざしておいた。
「陸斗君はどういうったものを食べたかったのです?」
飯田さんが何気に聞けば
「カウンターにおばんざいがいっぱい並んでいて地酒が飲めるお店を来る時新幹線の中で調べたら見つけまして、一人で入るのはちょっと勇気が居たからせっかくなので綾人さんと一緒に行けたらって思いまして……」
「悪いな。ちょっとこのお兄さんとお話があるからついて行ってやれなくって」
言えば
「大丈夫です。水野先輩も植田先輩もいますから」
にこにこと笑う陸斗からはかつての人の顔色をうかがうような瞳の色はない。むしろ水野と植田相手に安心しきってる様子に心配になってしまうが、なんて思った所で俺も飯田さんの事言えないなと一人小さく笑ってしまう。
「まあ、今日は大移動だったから美味い飯食ってちゃんと寝ろよ」
もう行けと言えば一応お父さんにお伺いを立てる水野と植田と陸斗に
「今日は息子たちの為に遠い所から足を運んでくれてありがとう。
本当なら感謝してご馳走をしたいところだが、それはまた東京で庵に食べさせてもらいなさい。
駅前のおばんざいなんて目じゃないくらいの京料理を庵が用意するからな」
なんてにこにこするお父さんは何やら激しく対抗心をお持ちのよう。
だけどそこはポンコツ水野と植田。
「いおりん楽しみにしてるね!」
「今日いっぱい勉強してくるから楽しみにするね!」
「ええと、楽しみにしてます!」
なんて屈託ない様子にさすがのお父さんも苦笑い。
「じゃあ、もう行け。
通りに出ればタクシー拾えるしバスも通ってるから……」
「ふふふ、タクシー呼んでいるからもう少し待っていてね」
なんてお母さんの配慮に元気よくありがとうございますと言う水野達をお母さんは少し驚きながらも目を細めて笑ってくれた。
そう言って三人を門まで案内する頃丁度タクシーがやってくると言う良すぎるタイミングにさすがですねと遠ざかっていくエンジン音にやっとお父さんと飯田さん、庵と向き合う。
「ちゃんと話は出来ましたか?」
庵に聞けば
「きっと全部、ではないけど言いたい事は言えました。はずです」
なんてまだ心の全部を言えてはないが重要な事は言えたと言うのはそのすっきりとした顔を見ればその通りなのだろう。
「飯田さんももう十分ですよね」
なんてどこか不貞腐れた顔。
「ですが、俺は綾人さんの付喪神を侮辱した庵を許していません」
「苦手なものを強要してはいけませんよ」
なんて言えば不貞腐れるように分かってますがと言って
「うちの店を守ってくれるしいさん達に失礼じゃないですか」
「判ってる!それはさんざん話し合って俺も理解するようにした!
だけど視えない相手が側にいるって怖いじゃないか!」
そこが庵のどうしても譲れない一点らしい。
逆にそれを面白がってしいさんとこまさんにサンドイッチ状態になって胡座をかいた膝の上には鈴さんと次郎さんが蹲っている。
視えないってかわいそうだな……
こんなにも愛されてるのにと思うも俺はスマホを取り出し
「あ、つっきー?
今飯田さんちにいるんだけどすぐ来い」
それだけを連絡して電話を切った。
飯田さんは慣れたようにまたかと言うもののさすがに横暴ともいえるこの呼び出しに庵はえ?それで大丈夫なの?なんて顔をしていた。
お父さんとお母さんは全く動じないのにねとこの親子を面白く観察する事10分もせずに
「お前は、なんでいきなりそんなお呼びたてをする……」
走って来たのか汗だくになってやって来た暁に
「お前が家に居るのはわかってたからな。呼べばすぐ来れるって言うのは調査済みなんだよ」
「怖っ!」
なんて単にしいさん達と散歩した時に暁の家の付喪神から聞いただけというだけの話しだ。
「おーい、生きてるかー?」
「綾っちごめん。
話が難しくってわからなくなった」
「綾っちごめん。
足がしびれてそれどころじゃなかった」
予想通りの残念な水野と植田はさらさら期待してはいなかった。
ちゃんとこうやって話し合えばわかりあえる家族なのに首を突っ込まされた腹いせ……なんて言わないけど、こうやって乗り込んできた責任者に最後まで責任を取らせただけだ。
もう高校時代や学生時代の水野と植田じゃないんだ。
俺に助けを求めるのは構わないが、今回の企画発案者として最後まで見ろと自分達で責任を取る事を俺は学ばせただけ。
まあ、練習するにはいい相手だけど、突っ込む相手を間違えたお前ら勇者だよと褒め称えるしかない。
それでもしいさん達とデートして帰ってくるまでこの飯田家を追い出されなかっただけでも十分だと思う。
「陸斗も疲れたな?」
「俺はただお話を聞かせていただいていただけなので」
足は崩しているけどちゃんと最後まで話を聞いていたと言うように机の下でスマホにメモを取っていた陸斗の頭を撫でてあげる。
嬉しそうに、そしてどこか懐かしそうに目を細める笑顔にとても圭斗の弟とは思えないと癒されながら俺もスマホを取り出す。
「どっちにしてもせっかく京都まで来たんだ。
駅前のホテルに部屋を取ってるから三人で泊まってこい。ついでに観光もしてくると良いぞー。
俺は飯田さん達と話があるからここに泊まっていくから適当に遊んでていいぞー」
「「綾っち大好き!」」
「綾人さんありがとうございます」
途端に水野と植田は復活して両手をついて深々と頭を下げて感謝をするその姿が一番胡散臭い。
陸斗は相変わらず心から嬉しいと言わんばかりの笑顔と視線を向けてくれる。あまりにも眩しくてもっと何かしてあげたいと思うけど
「そうだ!折角だから陸斗が行きたがっていた京のおばんざいが食べれる所にしよう!」
なんて水野の提案。
お前の後ろでお父さんが聞き捨てならんと言うように目を見開いていますよ?と言うのは口を閉ざしておいた。
「陸斗君はどういうったものを食べたかったのです?」
飯田さんが何気に聞けば
「カウンターにおばんざいがいっぱい並んでいて地酒が飲めるお店を来る時新幹線の中で調べたら見つけまして、一人で入るのはちょっと勇気が居たからせっかくなので綾人さんと一緒に行けたらって思いまして……」
「悪いな。ちょっとこのお兄さんとお話があるからついて行ってやれなくって」
言えば
「大丈夫です。水野先輩も植田先輩もいますから」
にこにこと笑う陸斗からはかつての人の顔色をうかがうような瞳の色はない。むしろ水野と植田相手に安心しきってる様子に心配になってしまうが、なんて思った所で俺も飯田さんの事言えないなと一人小さく笑ってしまう。
「まあ、今日は大移動だったから美味い飯食ってちゃんと寝ろよ」
もう行けと言えば一応お父さんにお伺いを立てる水野と植田と陸斗に
「今日は息子たちの為に遠い所から足を運んでくれてありがとう。
本当なら感謝してご馳走をしたいところだが、それはまた東京で庵に食べさせてもらいなさい。
駅前のおばんざいなんて目じゃないくらいの京料理を庵が用意するからな」
なんてにこにこするお父さんは何やら激しく対抗心をお持ちのよう。
だけどそこはポンコツ水野と植田。
「いおりん楽しみにしてるね!」
「今日いっぱい勉強してくるから楽しみにするね!」
「ええと、楽しみにしてます!」
なんて屈託ない様子にさすがのお父さんも苦笑い。
「じゃあ、もう行け。
通りに出ればタクシー拾えるしバスも通ってるから……」
「ふふふ、タクシー呼んでいるからもう少し待っていてね」
なんてお母さんの配慮に元気よくありがとうございますと言う水野達をお母さんは少し驚きながらも目を細めて笑ってくれた。
そう言って三人を門まで案内する頃丁度タクシーがやってくると言う良すぎるタイミングにさすがですねと遠ざかっていくエンジン音にやっとお父さんと飯田さん、庵と向き合う。
「ちゃんと話は出来ましたか?」
庵に聞けば
「きっと全部、ではないけど言いたい事は言えました。はずです」
なんてまだ心の全部を言えてはないが重要な事は言えたと言うのはそのすっきりとした顔を見ればその通りなのだろう。
「飯田さんももう十分ですよね」
なんてどこか不貞腐れた顔。
「ですが、俺は綾人さんの付喪神を侮辱した庵を許していません」
「苦手なものを強要してはいけませんよ」
なんて言えば不貞腐れるように分かってますがと言って
「うちの店を守ってくれるしいさん達に失礼じゃないですか」
「判ってる!それはさんざん話し合って俺も理解するようにした!
だけど視えない相手が側にいるって怖いじゃないか!」
そこが庵のどうしても譲れない一点らしい。
逆にそれを面白がってしいさんとこまさんにサンドイッチ状態になって胡座をかいた膝の上には鈴さんと次郎さんが蹲っている。
視えないってかわいそうだな……
こんなにも愛されてるのにと思うも俺はスマホを取り出し
「あ、つっきー?
今飯田さんちにいるんだけどすぐ来い」
それだけを連絡して電話を切った。
飯田さんは慣れたようにまたかと言うもののさすがに横暴ともいえるこの呼び出しに庵はえ?それで大丈夫なの?なんて顔をしていた。
お父さんとお母さんは全く動じないのにねとこの親子を面白く観察する事10分もせずに
「お前は、なんでいきなりそんなお呼びたてをする……」
走って来たのか汗だくになってやって来た暁に
「お前が家に居るのはわかってたからな。呼べばすぐ来れるって言うのは調査済みなんだよ」
「怖っ!」
なんて単にしいさん達と散歩した時に暁の家の付喪神から聞いただけというだけの話しだ。
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