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脳筋なめんな! 6
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一つ分かった事がある。
今回の生徒さんは物凄く燃費が悪いと言う事だ。
昨日の草取りの後のダウンはその後の全員が食べ終わっても食べ続ける喰いっぷりに目が点になったし、おかずが無くてもご飯を食べ続けるごはん好きは一人一升は食べている。見てるだけで胃が重くなるし、つられて食べ過ぎて物理的にも胃が重い。
飯田さんは良い顔をして車に一杯のお土産を詰め込んでまた来週一泊させてもらいますと相変わらず変わらないタフさ俺も見習いたいと見送るのだった。
もちろん陸斗達は勿論新入り三人組も。
こんな目覚めの良い高校生初めてだとある種の感動を覚えるのは伝説の水野と植田のコンビの寝起きの悪さが起因するのだろう。学校が朝二十分までに教室に入れと言われているのに朝八時に起きてご飯食べて準備する強者ぶり。むしろどうすれば間に合うか教えてほしい位だ。そして遅刻はないと言う。本当にどうしてたのか教えてほしい。
そんなふうに朝から一生を食べる三人組と飯田さんの朝ごはんを食べ終えた後は
「じゃあ、散歩行ってくるから」
陸斗が三人組を連れてウコハウスから烏骨鶏を出させた所で三人組はげんなりとした顔をしていた。運動が好きなようだがお散歩は苦痛らしい。と言うか高地の散歩のハードさを身を持って理解したようだ。
「行は下り坂だが帰りは降りた分だけ坂を上がらなくてはいけない。
いざとなったら迎えに行くから。まあ、スマホが圏内ならな」
「綾っちー、完全に圏外です」
「頑張って圏内の所まで移動してから掛けてくれ」
無情なまでの一言。
「まぁ、ここに慣れるまでのんびり散歩すればいいから。慣れたらゆっくり走って返って来い。もうちょっと奥で大学生達がよくマラソンの合宿してるくらいだから。最終的に休まずに走りきれればいいから頑張ってみるのもここにいる間の一つの目標にすると言い」
まずこの急な坂は正月名物の駅伝にも匹敵する角度だ。むしろそれより酷い。仕方がないのだ。だってジイちゃんが達ご先祖様が作った道だからな。
当時まだいた職人さん達と山を切り開き、材木を安全に運べる道を作って戦後村役場を半ば脅してアスファルトを敷かせた強者だった。まあ、そこは水道工事に上手くすり替えられてしまったので業者と直接交渉してアスファルトを敷かせた猛者だった。
この辺の事は内田さんからも酔っぱらった時に何度も聞かされていたし、もっとオブラートにした話をジイちゃんがからも聞かされていた。それはもう別次元のような内容で。まあ、部屋で一人本を読んでばっかりの孫を気遣って話しを盛ったのだろうが、だけどこの家に来て、吉野に縁を持つ元樵の皆様の人の良さとその人の好さの裏側に隠された凶暴な一面(熊に対して)を見ればあながち間違いではないような気がして、寧ろ内田さんが語ってくれる話しの方が信憑性がないと言う不思議なすり替え現象が起きている。まあ、そう言う事があった。それでいいじゃないかと思いながらも冬を超えるたびに部分的に崩れるアスファルトの補修しないとなともうめんどくさくって長谷川さんにお願いする事を今決めた。
ちょうどあいつらに土木している姿を身近に見せるのにちょうどいと思いながら電話を掛ける。
「長谷川さんおはようございます。
今日はお願いしたい事がありまして……」
「吉野の、すまん。まだ寝てて……」
与市さんの寝てる所を起こされたかっすかすの声に先生がスマホの時計を見せてくれた。まだ五時を少し回ったばかり。
「すみません。八時ごろもう一度かけ直させていただきます」
それも早いと思うけどどこか出かけられるぐらいならこれくらいの時間ならまだ許されるだろうと起こしてしまってごめんなさいと電話を切る。
昨晩高校生達はさすがになれない環境にさっさと寝てしまい、植田と水野が居ないから離れで寝泊まりしている陸斗達もさっさと寝てしまっての朝四時過ぎ起床時間となってしまったのだ。
と言うか高校生達は飯田さんがご飯の準備をする物音と匂いにつられて目が覚めたと言うダメっぷり。なんて言うか、もう、バカな子ほどかわいいってこう言う事だなと朝から竈で焚くご飯にハイテンションになる子供達のお茶碗はラーメンどんぶりに変更されていた。さすがに酷くね飯田さん?なんて言葉が何度口から出そうになる物の嬉しそうに目を輝かせるお子様にその言葉はぐっと飲み込んだ。
そんな一団が目的地の宮下商店へと向かっていくのを見送って、俺はこの家でのルーティンへと突入するのだがその前にだ。
「よお宮下。今からそっちに先生達が散歩に行ったから。
悪いけどこの後雨予報だから悪いけど拾ってこっちに連れて来てくれる?」
「綾人おはよー。なに、先生たち来るの?相変わらず散歩好きだね先生」
「まあな。歩かせておけばこの後疲れて煩くないからな」
「まあね、ウザいからね」
二人して酷い言いぐさ。
帰ってきたら先生は風呂に突っ込んで後はみんなで小一時間ほどのお昼寝。それでも八時から九時には起床時間となって頭を切り替えて昼まで勉強の時間にすれは多少宿題は出来るだろう。
そんな計画をして家の世話をしながら待つ事一時間ちょっと……
「綾人、とりあえず高山病になった子達だけ連れてきたから」
顔を真っ青にして連れて帰ってこられた三人はとりあえず土間から上がった台所の隣の部屋に寝転がせればあっという間に眠りについてしまった。
「まぁ、慣れない環境だからね」
そんな宮下のフォロー。
「三人だけ連れて帰られたのは判ったけど残りはどうした?」
と思えば
「ああ、折角だからって母さんが蕎麦を打ち始めたんだ。待ってる間草取りさせられてたよ」
「ああ、うん。
ただでご飯が貰えるわけないかな」
それでいいのかと思うも
「雨が降りそうだから迎えに来てって。さすがにうちの車じゃ乗りきれないから」
「確かに。じゃあ寝てる間に迎えに行こうか」
そう言って三人のスマホに先生達無前に行ってくるからとメッセージを送って、宮下のお袋さんの花畑でキャッキャして草刈りをしている地元の子供達を拾うのだった。
これが地元力。
高校生達にはまだ理解できない謎のタフさを少し誇らしく思ってしまう綾人だった。
今回の生徒さんは物凄く燃費が悪いと言う事だ。
昨日の草取りの後のダウンはその後の全員が食べ終わっても食べ続ける喰いっぷりに目が点になったし、おかずが無くてもご飯を食べ続けるごはん好きは一人一升は食べている。見てるだけで胃が重くなるし、つられて食べ過ぎて物理的にも胃が重い。
飯田さんは良い顔をして車に一杯のお土産を詰め込んでまた来週一泊させてもらいますと相変わらず変わらないタフさ俺も見習いたいと見送るのだった。
もちろん陸斗達は勿論新入り三人組も。
こんな目覚めの良い高校生初めてだとある種の感動を覚えるのは伝説の水野と植田のコンビの寝起きの悪さが起因するのだろう。学校が朝二十分までに教室に入れと言われているのに朝八時に起きてご飯食べて準備する強者ぶり。むしろどうすれば間に合うか教えてほしい位だ。そして遅刻はないと言う。本当にどうしてたのか教えてほしい。
そんなふうに朝から一生を食べる三人組と飯田さんの朝ごはんを食べ終えた後は
「じゃあ、散歩行ってくるから」
陸斗が三人組を連れてウコハウスから烏骨鶏を出させた所で三人組はげんなりとした顔をしていた。運動が好きなようだがお散歩は苦痛らしい。と言うか高地の散歩のハードさを身を持って理解したようだ。
「行は下り坂だが帰りは降りた分だけ坂を上がらなくてはいけない。
いざとなったら迎えに行くから。まあ、スマホが圏内ならな」
「綾っちー、完全に圏外です」
「頑張って圏内の所まで移動してから掛けてくれ」
無情なまでの一言。
「まぁ、ここに慣れるまでのんびり散歩すればいいから。慣れたらゆっくり走って返って来い。もうちょっと奥で大学生達がよくマラソンの合宿してるくらいだから。最終的に休まずに走りきれればいいから頑張ってみるのもここにいる間の一つの目標にすると言い」
まずこの急な坂は正月名物の駅伝にも匹敵する角度だ。むしろそれより酷い。仕方がないのだ。だってジイちゃんが達ご先祖様が作った道だからな。
当時まだいた職人さん達と山を切り開き、材木を安全に運べる道を作って戦後村役場を半ば脅してアスファルトを敷かせた強者だった。まあ、そこは水道工事に上手くすり替えられてしまったので業者と直接交渉してアスファルトを敷かせた猛者だった。
この辺の事は内田さんからも酔っぱらった時に何度も聞かされていたし、もっとオブラートにした話をジイちゃんがからも聞かされていた。それはもう別次元のような内容で。まあ、部屋で一人本を読んでばっかりの孫を気遣って話しを盛ったのだろうが、だけどこの家に来て、吉野に縁を持つ元樵の皆様の人の良さとその人の好さの裏側に隠された凶暴な一面(熊に対して)を見ればあながち間違いではないような気がして、寧ろ内田さんが語ってくれる話しの方が信憑性がないと言う不思議なすり替え現象が起きている。まあ、そう言う事があった。それでいいじゃないかと思いながらも冬を超えるたびに部分的に崩れるアスファルトの補修しないとなともうめんどくさくって長谷川さんにお願いする事を今決めた。
ちょうどあいつらに土木している姿を身近に見せるのにちょうどいと思いながら電話を掛ける。
「長谷川さんおはようございます。
今日はお願いしたい事がありまして……」
「吉野の、すまん。まだ寝てて……」
与市さんの寝てる所を起こされたかっすかすの声に先生がスマホの時計を見せてくれた。まだ五時を少し回ったばかり。
「すみません。八時ごろもう一度かけ直させていただきます」
それも早いと思うけどどこか出かけられるぐらいならこれくらいの時間ならまだ許されるだろうと起こしてしまってごめんなさいと電話を切る。
昨晩高校生達はさすがになれない環境にさっさと寝てしまい、植田と水野が居ないから離れで寝泊まりしている陸斗達もさっさと寝てしまっての朝四時過ぎ起床時間となってしまったのだ。
と言うか高校生達は飯田さんがご飯の準備をする物音と匂いにつられて目が覚めたと言うダメっぷり。なんて言うか、もう、バカな子ほどかわいいってこう言う事だなと朝から竈で焚くご飯にハイテンションになる子供達のお茶碗はラーメンどんぶりに変更されていた。さすがに酷くね飯田さん?なんて言葉が何度口から出そうになる物の嬉しそうに目を輝かせるお子様にその言葉はぐっと飲み込んだ。
そんな一団が目的地の宮下商店へと向かっていくのを見送って、俺はこの家でのルーティンへと突入するのだがその前にだ。
「よお宮下。今からそっちに先生達が散歩に行ったから。
悪いけどこの後雨予報だから悪いけど拾ってこっちに連れて来てくれる?」
「綾人おはよー。なに、先生たち来るの?相変わらず散歩好きだね先生」
「まあな。歩かせておけばこの後疲れて煩くないからな」
「まあね、ウザいからね」
二人して酷い言いぐさ。
帰ってきたら先生は風呂に突っ込んで後はみんなで小一時間ほどのお昼寝。それでも八時から九時には起床時間となって頭を切り替えて昼まで勉強の時間にすれは多少宿題は出来るだろう。
そんな計画をして家の世話をしながら待つ事一時間ちょっと……
「綾人、とりあえず高山病になった子達だけ連れてきたから」
顔を真っ青にして連れて帰ってこられた三人はとりあえず土間から上がった台所の隣の部屋に寝転がせればあっという間に眠りについてしまった。
「まぁ、慣れない環境だからね」
そんな宮下のフォロー。
「三人だけ連れて帰られたのは判ったけど残りはどうした?」
と思えば
「ああ、折角だからって母さんが蕎麦を打ち始めたんだ。待ってる間草取りさせられてたよ」
「ああ、うん。
ただでご飯が貰えるわけないかな」
それでいいのかと思うも
「雨が降りそうだから迎えに来てって。さすがにうちの車じゃ乗りきれないから」
「確かに。じゃあ寝てる間に迎えに行こうか」
そう言って三人のスマホに先生達無前に行ってくるからとメッセージを送って、宮下のお袋さんの花畑でキャッキャして草刈りをしている地元の子供達を拾うのだった。
これが地元力。
高校生達にはまだ理解できない謎のタフさを少し誇らしく思ってしまう綾人だった。
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