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心は広く持ちたいと言う事を願っております 6

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 昼食後はクレイグさんの指揮の元、時間、絶対、そんな会社としての契約やモラルを守る様にきっちりと時間通りに仕事を終えて皆様は初日を終わらせ、その頃になってやっと宮下と陸斗は目を覚まして起きてきた。
 そして俺達は飯田さんとオリオールのご飯に舌包みを打ち、まだ人様に宿泊を進めれないこの城で俺達は飯田さんやオリヴィエ、綾人が寝泊まりしている部屋に並べられた折りたたみベットを寝床としている。
 因みに岡野親子は三人で個室を与えられていた。幸せ家族が眩しすぎて直視できないと言うわけでもないが、女性もいるので別室をお願いしてもらった物の申し訳ない事にこちらも折りたたみベットだが文句を言わずに一階の今はまだ使えないけど暖炉のある部屋を選んで拠点にしてもらった。
 飯田さんがクレイグさんに聞いてくれた所ではこの部屋は商談する時の部屋だと言う。商談と言っても相手だったり金額に寄ったりで使用する部屋を変えると言うのには驚いたが、元々ここは城なのだ。付き合う人間の多さも違うのでそう言う物だろうと圭斗は思う事にしておいた。
 とは言えこの大きく広い城にたったこれだけの人数。 
 正直夜は寂しいと言うか不安と言った物ばかりがあふれ出て来る。だけどこちらに来て直ぐに働きだした俺と浩太さんと山川さんは風呂を貰って速攻で寝てしまうのだった。
「無茶するからですよ」
 飯田さんが圭斗達に夜は冷えるからと薄い布団をかけて回っていた。山川さんと浩太さんに至ってはベットの間に何所からか見つけてきたテーブルにオリオールが作ってくれた晩ご飯の残りを貰ってそれを摘みにワインを楽しんでいたが早々に寝てしまった。
「勿体ない」
 飯田さんは残った物と新たに作った物を持って夜食にしましょうと圭斗達同様ダウンしている岡野一家も休んでもらっている間に晩酌を楽しむつもりのようだった。
「オリヴィエと陸斗君にはノンアルコールを」
 そんなスパークリングワインに二人は喜んで、夜の飯テロなんて物がまだ怖くない二人はカマンベールをくりぬいて作ったチーズフォンデュに野菜やパンを絡めて楽しみながら綾人が自由に使えと置いて行ったタブレット経由での会話や日本の友人達と賑やかにおしゃべりを楽しみだしていた。
 あの時の友情がまだ繋がっているのを飯田さんと共に眩しく眺めていれば、オリオールからの問いかけに飯田は子供達の友情を教えるのだった。
『かわいらしい!
 あのオリヴィエがちゃんと年齢通りに見える!』
 飯田さんは苦笑しながら俺に
「オリオールもオリヴィエの偏食には頭を抱えてますからね。だいぶ改善されたとはいえ簡単に治らないのが好き嫌いだから。
 まずは一口、それが難しくて日々頭をひねらせている難敵です」
 作ったらすべて食べつくして行く高校生しか知らない飯田にとってこれは難しいとうんうんとうなってみせるのを宮下はとても珍しい物を見たと言う様に飯田を見るも
「それよりも思うんだけど、人足りてる?」
 時差ボケはまだひどくないけど睡眠不足を解消した宮下はいつもの通りののんびりとした田舎の青年と言う様な穏やかにも聞こえる声で、でも心配をしてくれていた。
「人を増やしたいのは確かですがまだ店のオープンも規模も何にも決まってません。年内オープンは確定ですが、そもそもこの城の工事がある程度終わらない事にはままなりませんね」
「それって何年先になるんだか」
 苦笑しながらもパイ生地にベシャメルソースを塗ってベーコンを焼いただけのパイを齧りながらワインを傾ける。ピリッと聞いた黒胡椒とベーコンの塩気がまたおいしいと勝手に進むワインを警戒する様にビールへと切り替えた。
「チェイサーにビールを選ぶなんて宮下君もなかなかの酒豪ですね」
 はははと笑う飯田さんに
「違うに決まってるでしょ!飯田さんと一緒にしないでください!」
 ワインを簡単に一瓶飲んでしまう飯田さんを警戒しながらもうワイン入りませんからと全身で警戒をしていれば、ちゃんとわかってる飯田さんは意地悪く笑いながらも仕方ありませんねぇ、と自分のグラスにワインを入れていた。
 ワイングラスではなく普通のコップと言う奴。
 そしてオリオールも見慣れていると言う様に何も言わずに自分のコップにワインをなみなみと入れていた。
「やだこの二人、油断したら絶対明日は二日酔い決定じゃん」
 言いながら冷蔵庫からビールを取り出して来て壁のように並べながらワインいりませんを主張すれば飯田さんもオリオールも笑うけど
「綾人と話をしてたんだ。絶対人手をどこからか調達してこないとねって」
「ついに人材も物資になりましたか」
 それをオリオールへと翻訳すれば確かにとオリオールは頷いていた。



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