淫乱お嬢様とトウマの関係

それぞれの望み9

「あっん……ひゃっ！」
指でクリトリスを挟んで上下に擦る。と、同時に乳首を口に含んで舌で転がす。
それだけで先程までのお嬢様の顔から淫乱なメスの顔に変わる。
覚えたばかりの快楽の癖に、いや、だからこそ少し触るだけであっという間に股の間から愛液が溢れる。
「もう覚えたのですか？男に触られると気持ちよくなるって」
違うというように首を振るが、体は言葉に反応するように敏感になる。

親指と人差し指で扱き上げているクリトリスが硬く芯を持ち始める。
「まだ足りなかったんですか？初めてなのにこんなに欲しがる人いないですよ」
「ちがっ……。んっ……。ノル……マだからっ。あっ……ふぁ……」
自分の欲望を当てられた恥ずかしさで顔を染め、喘ぎながら言い訳をする知世。

その姿に少々意地悪をしてみたくなった。
硬くなったクリトリスを扱き、イく直前に手を止める。
「……ふぁっ。でちゃ……。んっ……。ふぇ？」
突然止まった手に知世は物足りなさそうな目で氷室を見つめる。
氷室は知世の熱が治まるのを待って再びクリトリスを扱き始める。
先程イく直前でお預けを食らった知世はあっという間に反応する。
登りつめる直前でまた手を離す。
流石に焦らしていることに気づいたようだ。
知世は氷室を睨みつけるが、蕩けている顔では効果は半減だ。

笑いを堪えて氷室は知世に伝える。
「許しを得ていませんから」
知世の反応は意外なものだった。不思議なものを見るようにキョトンとしている。
きちんと意図が伝わるように言葉を重ねる。
「最後にイかす時は知世さんの許可を取るように言われています」
嘘だった。兼近はそんな甘い人間ではない。容赦なくノルマを達成するように部下に求める。
知世は気づいているのかいないのか、難しい顔をして黙りこくる。
氷室は動きを止め、返事を待つ。

知世は深呼吸するように長く息を吐くと挑むような目で氷室を見た。
「許す？私が、あなたを？そんなことはしませんよ」
知世の口から出た言葉は予想していなかったため、反応が出来なかった。
「父はそのような甘い人間ではありません。嘘ですよね」
知世は氷室の頬に指を這わせる。

艶やかに微笑む知世に、背中がゾクリとした。
「……さすがですね」
思わず声が上擦った。知世は微笑んだままだ。
「ふふ。これでも父の娘をしていますから。氷室、父を裏切って私につきませんか？」

こんな状況でこのセリフを言える知世も大概壊れている。
だけど、氷室は知世の言葉にゾクゾクとする。
未熟ながらも、兄二人にはない才能。兼近譲りの人を捉えて離さない一種のカリスマ性。

捉えるつもりが捕われた。この女が欲しい。
本当の意味で知世に縛られたのはこの日だった。

「お断りします」
氷室は囁くように知世に伝える。答えを気に留める様子もなく知世は氷室の頬を撫でる。
「……まだ父に仕える方がメリットありますものね。でも……」
知世の顔が近づいてくる。
吐息がかかる距離で顔を止めた知世は、ニッコリと微笑む。
「私につく方がメリットあると思ったら付いてきてくれますよね？」


その言葉を聞いた瞬間、氷室は知世のクリトリスを思いっきりつまみ上げる。
「ひゃっ！あっ！でちゃっ……。イッくぅ」
「イッてください。ノルマです。……今は兼近様に仕えますよ。でも……」
つまみながら上下に擦る。小さい豆を男の肉棒のように容赦なく扱く。
「あっ……ふぁっ！んっ……！っくぅ」
先程まで散々焦らした効果か、カチカチになっていたそこは、簡単に絶頂に登りつめる。
ガクガクと身を震わせながら息がかかる距離で甘い声をあげながら達した知世に、氷室は囁く。
「僕に教えてください。あなたに仕えるメリットを。そうしたら、僕は兼近様じゃなく知世さんについていきますよ」
イったばかりの蕩けた顔の知世は気だるそうに頷いた。
「約束ですよ」