5 / 147
プロローグ
勇者になる40人と勇者にならない1人
しおりを挟む
「ありがとうございます!皆様!それでは早速…」
「ちょっと待ってください」
王女の嬉しそうな言葉を遮るように声を発したのは、俺。
このままの流れは困る。非常に困る。何が困るかって?そんなの決まっている。
「俺は魔王退治の勇者とやらにはなりません」
これ、コレ大切。
やる気を出していたクラスメート40人がは?とまたもや口をポカーンと開けた。
すみません、俺一言もやるなんて行ってないんですけど…
え、ちょ!やめてよ!そんな目で見ないで!
「え…っと…貴方様は…」
「あ、俺の名前は一之瀬蒼涼です。とにかく俺は勇者にはなりません」
「あの…元の世界にお返しすることは不可能ですが…」
「あ、別にいいです」
良くないけど。
良くないけど勇者になるのはもうごめんだ!!!
だって俺は昔1回勇者になって魔王退治〝しているんだから〟
隣に居る徹の方を見ると心配そうな瞳でこちらを見る。
うん、やっぱりこいつは他の奴と違うんだな。
お前は他の奴らのような目で見ないんだな。
本当に徹は良い奴だ。良い奴だからこそこの世界を助けようとしてしまう。
「蒼涼…」
「悪いな、徹。俺はパスだ。勇者なんかになるくらいだったら元の世界には帰らなくてもいい」
「そ…か」
なんだあいつ、という目でみてくる徹を除いた39人の目が辛い。
徹は俺の意見を尊重する、という感じだ。
他は違う。クラスの輪を乱す異端視を見る目。
軽く震えてしまう。
情けない。こんなことでトラウマが蘇りそうになるだなんて。
「申し訳ありませんが俺はさよならです、王女様」
軽く一礼して扉へと手をかける。
その時、慌てて止めに入る声が響いた。
「お、お待ちください!!勇者にならないという貴方様のご意見は分かりました。しかしこの後どうなさるのですか?元の世界にお送りすることは叶いません。そして勇者以外の方を国が生活をサポートすることも出来ません!」
そりゃそか。国が役に立ちもしない一般ピーポーの面倒なんかみてたら反感とかいろいろ大変そうだもんな。
しかしこの王女様のこのセリフは遠回しに勇者になる以外に選択肢がないぞ、と言っているのと同じだ。
つまりどういう訳か。
そちらの都合で呼び出しておいてさらには俺に軽く脅しをかけているのと同じことだ。
「外でも生きていくのは大変です!なら…」
「申し訳ありません」
それでも俺は笑う。
「勇者など、二度となりません。では失礼します」
「二度…と?」
あ、やべ。口が滑った…けどまぁいっか。
俺の台詞にこの場にいたもの全てが疑問に思ったのだろう。
だが俺はその疑問を解消する気もなく徹にじゃあな、と告げ早足で立ち去った。
「蒼涼…」
徹は止めることなく俺を見ていた。
俺の頭の中には勇者だった頃の記憶ー前世の記憶がグルグル渦をまいていた。
「ちょっと待ってください」
王女の嬉しそうな言葉を遮るように声を発したのは、俺。
このままの流れは困る。非常に困る。何が困るかって?そんなの決まっている。
「俺は魔王退治の勇者とやらにはなりません」
これ、コレ大切。
やる気を出していたクラスメート40人がは?とまたもや口をポカーンと開けた。
すみません、俺一言もやるなんて行ってないんですけど…
え、ちょ!やめてよ!そんな目で見ないで!
「え…っと…貴方様は…」
「あ、俺の名前は一之瀬蒼涼です。とにかく俺は勇者にはなりません」
「あの…元の世界にお返しすることは不可能ですが…」
「あ、別にいいです」
良くないけど。
良くないけど勇者になるのはもうごめんだ!!!
だって俺は昔1回勇者になって魔王退治〝しているんだから〟
隣に居る徹の方を見ると心配そうな瞳でこちらを見る。
うん、やっぱりこいつは他の奴と違うんだな。
お前は他の奴らのような目で見ないんだな。
本当に徹は良い奴だ。良い奴だからこそこの世界を助けようとしてしまう。
「蒼涼…」
「悪いな、徹。俺はパスだ。勇者なんかになるくらいだったら元の世界には帰らなくてもいい」
「そ…か」
なんだあいつ、という目でみてくる徹を除いた39人の目が辛い。
徹は俺の意見を尊重する、という感じだ。
他は違う。クラスの輪を乱す異端視を見る目。
軽く震えてしまう。
情けない。こんなことでトラウマが蘇りそうになるだなんて。
「申し訳ありませんが俺はさよならです、王女様」
軽く一礼して扉へと手をかける。
その時、慌てて止めに入る声が響いた。
「お、お待ちください!!勇者にならないという貴方様のご意見は分かりました。しかしこの後どうなさるのですか?元の世界にお送りすることは叶いません。そして勇者以外の方を国が生活をサポートすることも出来ません!」
そりゃそか。国が役に立ちもしない一般ピーポーの面倒なんかみてたら反感とかいろいろ大変そうだもんな。
しかしこの王女様のこのセリフは遠回しに勇者になる以外に選択肢がないぞ、と言っているのと同じだ。
つまりどういう訳か。
そちらの都合で呼び出しておいてさらには俺に軽く脅しをかけているのと同じことだ。
「外でも生きていくのは大変です!なら…」
「申し訳ありません」
それでも俺は笑う。
「勇者など、二度となりません。では失礼します」
「二度…と?」
あ、やべ。口が滑った…けどまぁいっか。
俺の台詞にこの場にいたもの全てが疑問に思ったのだろう。
だが俺はその疑問を解消する気もなく徹にじゃあな、と告げ早足で立ち去った。
「蒼涼…」
徹は止めることなく俺を見ていた。
俺の頭の中には勇者だった頃の記憶ー前世の記憶がグルグル渦をまいていた。
23
あなたにおすすめの小説
ReBirth 上位世界から下位世界へ
小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは――
※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。
1~4巻発売中です。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
無属性魔法しか使えない少年冒険者!!
藤城満定
ファンタジー
「祝福の儀式」で授かった属性魔法は無属性魔法だった。無属性と書いてハズレや役立たずと読まれている属性魔法を極めて馬鹿にしてきた奴らの常識を覆して見返す「ざまあ」系ストーリー。
不定期投稿作品です。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる