どん底から頂点を目指しました

ゆめ

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お肉

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 諒としての生を終えてアドニスとしての生をはじめて5年。
 今までの中で一番ご機嫌でっす☆
「肉~肉肉~にぃ~くぅ~♪」
 傍から見ると笑顔で(頬に血をつけて)猪を解体する子供という奇妙な光景だ!だがそこは気にしたら終わり!俺は今日、遂に肉にありつけるのだぁ!
「あ、そだ」
 毒とかはいってたら困るから『毒探知』でもしとくか…一応魔物だし……
 ん?魔物ってことは魔力持ってるから抜いた方がいいのかな……分からん。
「一応抜いとこ」
 母さんにも上げるから万が一の事もある。
 俺一人だったらどうもしないけど。
「…にしてもホント便利だなぁ」
 魔法は呪文詠唱の必要がない。つまり想像で行うことが出来る。魔力の関係や相性などもあるが。
 だが大体はできる。
 はぁー楽
 大方さばいた後(適当にな)『縮小』の魔法をかけ持ち運び便利にする。
「よし。そろそろ帰るか」
 そして『瞬間移動』で森の出口まで飛んだ。
 もう一回言おう。
 あー楽。

「母さんただいまぁぁぁ!!!!」
 「あら、おかえりなさい。宝探しは終わったの?」
 スラムは何処からとなくゴミが捨てられる。その中から色々な物を探すのは案外楽しい。
「うん!」
「なぁに?お母さんにも見せて?」
「いーよー」
 母さんには魔法が使えることは言っていない。 
 もっと使いこなせるようになってから言おうと思ってる。
 だから小さくして持ってきた猪の肉は元の大きさに戻して外に置いてある。
 母さんの手を引っ張って外に来てもらう。
 驚くかな?
「じゃぁぁぁぁぁん!お肉ぅぅぅ」
「……へ?」
 いや、まぁ驚くよね。
 いきなりこんな豪華な物を出されても。
 こんな所じゃお目にかかれないもんね。
 前世では適当にサ〇ゼやらガス〇やらに行けば普通に美味しく食せた物だ。
 だがここでは違う。本当にスラムと思い知らされる。てか米も見たことねぇんだけど。
 …クソジジイめ
「えっと…これ…どうし…たの?」
 母さん。驚くのは分かるけどそこまで挙動不審にならないでよ。折角の美人が台無しだよ。
「んー捕ってきた!」
「え…どうやって?」
 んー…やっぱそこ聞くかぁ…魔法が使えることはまだ言いたくないんだよな…んー…
「えと…罠を張ってたら捕まえた!」
 解体してきたお陰で元々の獣や大きさなどは多分分からないだろう。
 ギリセーフかな?
「あら……ふふ」
 暫く困惑していた母さんだが微笑みを返してくれた。
「凄いわ、アドニス。今日はご馳走ね」
「うん!」
 頭撫でられた!よっしゃ。
 そして母さんと共に夕食の支度へと取り掛かった。
 え?何?母さんの前だと幼児化する?
 いやいや、何を言う。俺は今5歳だぞ。しっかりとしたガキだぞ!!!
 はいそこ!中身は?とか言っちゃいけません。
 
・・・

 いいじゃん!母さんなんて初めてなんだし!こうなっちゃうの!身体年齢に精神年齢が持ってかれちゃうの!しょうがねぇこと!!!!




…お肉美味しかったです。
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