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第1章
堕天使ルシファー
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目が覚めた。
そう思った。
しかしそこはまだ夢の中で、ベッドに四肢を投げ出していた。
体が動かない。
緊張して硬直しているあの感じではなく、リラックスして脱力している三矢。
己はあの最低限物が揃ってる宿坊の一室で寝たはずだ・・・なのにここは・・・
ゆっくりまばたきをして周りを見渡す。
白い空間が広がるのみでその空間にベッドが一つあるだけのようだ。
「おはよう」
声が聞こえ、見る
「いや、ここは時間の概念がないし・・・こんにちは?いややっぱりおはようかな・・・」
「・・・・あなたは?」
三矢はゆっくりと口を動かし尋ねると、挨拶に悩んでいたその人物は笑う
不思議なことにこの人物、姿形が認識できない。
ただ、笑ったというのがわかったことから認識阻害を受けているだけだろうと理解する。
「謎のあしながおじさん・・・って言うことじゃだめかな」
「あしながおじさん」
あしながおじさんって、姿は見えないけどおじさんなのだろうか・・・
「心は若いけど肉体年齢を人間計算するとおじさんどこらかお爺だかねぇ・・・」
どうやら三矢の心の声は筒抜けのようで、うんうんとうなずいている・・・
「っていうのは、まあ冗談で・・・本当の自己紹介をしようか。私の名前はルシファー、悪魔・ルシファーだ」
「!!!」
「っていっても、あっちとは・・・あ、あっちっていうのは地獄のことで、あっちにはもう500年くらい帰ってないから、もうほぼほぼ地獄の悪魔とは関係ない唯の野良悪魔だよ」
「まああっちがどう思ってるかわからないけど」とつぶやくルシファー。
「それに・・・」と続く
「私は悪魔というより堕天使ってやつなんだよね・・・もうひとくくりにされちゃってるから諦めてるけど」
「悪魔が、俺になんのよう・・・」
「ん?」
ルシファーは三矢に近づく
三矢は困惑した
悪魔というのは独特のおどろおどろしい圧を持っていることが多いがこの悪魔、いや堕天使からはそんなものが感じられない。むしろ、清廉さ、美しい魔力を感じることができる。
それゆえか、体が戦闘態勢に入ることができず・・・弛緩し寝転がったままの三矢の頭にゆっくりと手を置く。
「うん・・・だいぶ侵食が激しいね・・・あいつも全く無茶をするなぁ・・・」
「あいつ・・・?」
「うん、まあいいや。しばらくはわるーい夢を見ないようにおまじないをかけてあげる」
何が目的なんだろう・・・
三矢は唐突に睡魔に襲われ、ゆっくりと目を閉じる。
いい夢を・・・
美しい声が三矢を眠りへと導き、そして暗転。
「・・・・・・」
三矢はムクリと起き上がった。
隣のベッドには一がまだ眠りについている。
外はまだ薄暗い、時計を見るとまだ3時である。
「・・・・あー・・・」
―――・・・なんだか、とても不思議な夢を見た気がする・・・とても、不思議なゆめ・・・
夢の内容は覚えていない、ただ漠然と「不思議な夢」という感覚が残っているだけだ。
サタンは苛ついていた。
それは狙っていた獲物を「傲慢なあの男」に掠め取られたからだ。
「ちっ」
舌打ちをし、ワイングラスを放り投げる。
「殺す」
・・・
・・・・
異界「地獄」
この世界には七体の大公と呼ばれる悪魔がいる。
上位種の上、最上位種である七体の悪魔は地獄を己の性質と言う名の罪で支配する。
ルシファーは傲慢
サタンは憤怒
といったように・・・
7の罪(悪魔)は人間が生み出した罪(悪魔)であり、それに対立するように天使という生命体も存在するが・・・今は語るべきときではない
閑話休題。
悪魔は肉体を持たず霊体、いわば幽霊のようなものである。
人間に憑くことで現世に現れ、殺戮、陵辱など悪事を働く。
だが、もし。
それがひっくり返るような出来事が起きるとすれば・・・
ルシファー。
傲慢の悪魔。神の御業で生まれた元・御使い。
彼がすべて、握っているだろう。
・・・―――聖経典解釈、一部抜粋
そう思った。
しかしそこはまだ夢の中で、ベッドに四肢を投げ出していた。
体が動かない。
緊張して硬直しているあの感じではなく、リラックスして脱力している三矢。
己はあの最低限物が揃ってる宿坊の一室で寝たはずだ・・・なのにここは・・・
ゆっくりまばたきをして周りを見渡す。
白い空間が広がるのみでその空間にベッドが一つあるだけのようだ。
「おはよう」
声が聞こえ、見る
「いや、ここは時間の概念がないし・・・こんにちは?いややっぱりおはようかな・・・」
「・・・・あなたは?」
三矢はゆっくりと口を動かし尋ねると、挨拶に悩んでいたその人物は笑う
不思議なことにこの人物、姿形が認識できない。
ただ、笑ったというのがわかったことから認識阻害を受けているだけだろうと理解する。
「謎のあしながおじさん・・・って言うことじゃだめかな」
「あしながおじさん」
あしながおじさんって、姿は見えないけどおじさんなのだろうか・・・
「心は若いけど肉体年齢を人間計算するとおじさんどこらかお爺だかねぇ・・・」
どうやら三矢の心の声は筒抜けのようで、うんうんとうなずいている・・・
「っていうのは、まあ冗談で・・・本当の自己紹介をしようか。私の名前はルシファー、悪魔・ルシファーだ」
「!!!」
「っていっても、あっちとは・・・あ、あっちっていうのは地獄のことで、あっちにはもう500年くらい帰ってないから、もうほぼほぼ地獄の悪魔とは関係ない唯の野良悪魔だよ」
「まああっちがどう思ってるかわからないけど」とつぶやくルシファー。
「それに・・・」と続く
「私は悪魔というより堕天使ってやつなんだよね・・・もうひとくくりにされちゃってるから諦めてるけど」
「悪魔が、俺になんのよう・・・」
「ん?」
ルシファーは三矢に近づく
三矢は困惑した
悪魔というのは独特のおどろおどろしい圧を持っていることが多いがこの悪魔、いや堕天使からはそんなものが感じられない。むしろ、清廉さ、美しい魔力を感じることができる。
それゆえか、体が戦闘態勢に入ることができず・・・弛緩し寝転がったままの三矢の頭にゆっくりと手を置く。
「うん・・・だいぶ侵食が激しいね・・・あいつも全く無茶をするなぁ・・・」
「あいつ・・・?」
「うん、まあいいや。しばらくはわるーい夢を見ないようにおまじないをかけてあげる」
何が目的なんだろう・・・
三矢は唐突に睡魔に襲われ、ゆっくりと目を閉じる。
いい夢を・・・
美しい声が三矢を眠りへと導き、そして暗転。
「・・・・・・」
三矢はムクリと起き上がった。
隣のベッドには一がまだ眠りについている。
外はまだ薄暗い、時計を見るとまだ3時である。
「・・・・あー・・・」
―――・・・なんだか、とても不思議な夢を見た気がする・・・とても、不思議なゆめ・・・
夢の内容は覚えていない、ただ漠然と「不思議な夢」という感覚が残っているだけだ。
サタンは苛ついていた。
それは狙っていた獲物を「傲慢なあの男」に掠め取られたからだ。
「ちっ」
舌打ちをし、ワイングラスを放り投げる。
「殺す」
・・・
・・・・
異界「地獄」
この世界には七体の大公と呼ばれる悪魔がいる。
上位種の上、最上位種である七体の悪魔は地獄を己の性質と言う名の罪で支配する。
ルシファーは傲慢
サタンは憤怒
といったように・・・
7の罪(悪魔)は人間が生み出した罪(悪魔)であり、それに対立するように天使という生命体も存在するが・・・今は語るべきときではない
閑話休題。
悪魔は肉体を持たず霊体、いわば幽霊のようなものである。
人間に憑くことで現世に現れ、殺戮、陵辱など悪事を働く。
だが、もし。
それがひっくり返るような出来事が起きるとすれば・・・
ルシファー。
傲慢の悪魔。神の御業で生まれた元・御使い。
彼がすべて、握っているだろう。
・・・―――聖経典解釈、一部抜粋
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