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第3章・贄の花嫁【終】
夢・叶え②
しおりを挟む《プロローグ》
1ヶ月後ライカはババロに未だに着れずにいる花嫁衣装を客間に持ち込みババロに見せた。
「勿体無い…リメイクして普段着れるようにしません?」
ババロは衣装箱からライカが取り出した花嫁衣装を受取り広げてライカに提案し、ライカは不思議そうに首をかしげた。
「どうするんです?」
「白いドレスですから…出産されて…記念に家族揃って絵に収めたらどうです?」
「へぇ~素敵ですね!」
ライカの同意を得たババロは猫族の張り子達をよび客間に入った彼らはライカを取り囲み採寸を計りドレスを回収して立ち去った。
あっと言う間の出来事でライカは呆然とし、ぽすんと椅子に腰かけた。
「1ヶ月後、出来上がったら…そうですねぇ~、お屋敷だと、マナ様へのサプライズでなくなってしまうから…花も見頃な頃になりますし、ヒルキー庭園で会いましょ?」
「そうですね、一人は寂しいし、ババロ様と一緒なら楽しいかも。ドレスもリメイクされるし…楽しみが2倍ですね。」
ライカは向かい合って座るババロに柔らかく笑みを向け、ババロもニッコリと微笑み返した。
「ええ。きっと素敵な一日になりますよ。」
ババロの予言とも言えるその言葉に、ライカは胸を踊らせ…間もなくしてババロは屋敷を後にした。
一ヶ月後…約束の日が訪れた。
‡
ライカはお供にルタを連れて庭園に来た。出迎えたババロは庭園にある休憩所へと連れて行き…まずは一人のところを記念に絵におさめようと言うことになり、ルタを休憩所の個室から追い出しババロはライカの着付けをした。
その後は、絵描きの間へとドレス姿でむかったはずが、タキシードを着た…白熊姿のマナがいた。
「あれ?マナ様もですか?」
「……ん。」
ライカの問いに無愛想なマナはライカのてを引き、その先の庭園内の式場へとむかった。
ババロとルタは距離をとるように後ろをおって歩き、ライカはマナの腕にしがみつくようにして挙式の会場へとやって来た。
式場にリュクスの王女と宰相の父と兄、マナの兄夫婦もそこに集まり、拍手で迎えた。
花道には使用人達が並び花を縫い付けたアーチで向かえ。マナは四つん這いになって歩き、ライカはその背中にのせられて式の舞台へとやって来た。
歓声の中、花吹雪を受けてマナは立ちあがりライカをエスコートするように並び…二人は挙式をあげたのだった。
「ライカ…待たせたね。」
「いえ、」
「君はもう贄なんかじゃない、俺の愛する妻なんだ、遠慮なんてしないでいっぱい欲張ればいい。」
「ふふふっ。マナ様大好きです!」
ライカは四つん這いになった白熊のマナを前にし誓いの口づけをした。
ライカはもう『贄の花嫁』ではなく、『愛する妻』そう思えば、ライカのネガティブだった気持ちはどこかへ吹き飛び…夢のような挙式後、ライカは目一杯マナにおねだりしたり甘えたり、幸せな日々をすごし…そして女の子を出産した。
《END》
――――――――――――――――――
【あとがき】
物語はここで終わります。ようやく【贄】の呪縛から抜け、本当の意味でハッピーエンドになれました。ここまでお読みくださりありがとうございました。
yu-kie
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