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第3章・贄の花嫁【終】
夢・叶え①
しおりを挟む屋敷にもどったライカは考えすぎて、庭園の散策を楽しめずに帰宅し…身重な体では無理をしたのだろう、疲れて寝室へ入り…眠り、夜になって、マナが帰宅しても、起きてくることはなかった。
帰宅したマナはライカの出迎えがないことに不思議に思い、執事に訪ねれば…庭園の散策に疲れて眠られたと聞き、マナは寝室へと足を向けた。
‡
ライカは夢を見ていた。
《様々な思い出が映像となり目蓋に写し出された》
贄としてバイラー国へ来て縁あってマナの嫁になり、それからはいつも一緒。マナを独占してモフリ放題。充実した毎日を送り、寝室も一緒になり時間はかかったがようやく結ばれた。ずっと一緒にいたのに…妊娠を機に一緒に行動することが限られてしまった。
庭園の話を聞いたのを機に…結婚式をしたいと夢見ていたことに欲が出てしまった。賑やかな挙式をしたいと…。素直に言えず、勝手に苦しむ自分がいる。
昔は怖いもの知らずで、お転婆だったのに、妊娠して慎重になったからか…性格が変わったみたいに…我慢ばかりしている毎日。
ライカは庭園でみた挙式を思いだし…大粒の涙をホロホロと流し…一人ベッドでうなされていた。
静かに開くドアにまったく気づかす夢の中で…自分に言い聞かせていた。
(贅沢は言わない…でも…花嫁衣装着てみたい…な。)
「庭園…素敵だったあ…式かぁ…いいなあ。」
毛布にくるまりながらライカは目蓋を閉じて…挙式の夢を見ていた。
「…式がしたいのか?」
マナは静かに扉の前で立ち止まり小さく呟くと、知らぬ間に現れた執事と護衛兼使用人のルタが背後からマナへ声をかけた。
「マナ様少しお話をよいですか?」
「ん…?」
「ライカ様は最近この領地にある庭園のお話を耳にされ…ずっと我慢されていたのでしょう…庭園の挙式をとても気に入られているご様子でした。」
執事の言葉の後、ルタは今日の様子をマナに報告をした。
「庭園の挙式の様子を本当はマナ様といかれたかったのかも…庭園の散策中、見渡せばカップルばかりで…いつもの元気なライカ様ではなくて……」
マナは昨日の事を思いだしはっとした。
「俺は…女心が理解できないみたいだな?二人とも、報告感謝する。そうだな…俺は疎くてうまく行かない…二人に協力を頼んでも…よいだろうか。」
「喜んで」
執事はビシッと直立し、頬笑み、ルタは満面の笑みでマナに質問をした。
「挙式のご相談ですか?屋敷の皆に協力をしてもらいましょう!早速話をしに行ってきます!」
「ああ、頼んだ。」
ルタは四つん這いになると小さな猫になって廊下を駆けていった。
こうして、ライカがいない場所で話しは進み始めたのだった。
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