164 / 190
Chapter7(女優編)
Chapter7-⑫【innuendo】後編
しおりを挟む
アサヒの推理は違う気がした。
スクープ欲しさにやるにしては大胆過ぎる。
失敗した時のリスクを考えれば、常人ならしない筈だ。
狂人ならあるかもしれないが、三流週刊誌のカメラマンはやらないだろう。
『とすると金目的か?』
そう考えると気が楽になった。
『金で解決するなら安いもんだ。』
相手が連絡してくるのを持つしかない。
慟哭するアサヒを見ていると、再びペニスが活気付いてきた。
ネットに画像が出回ったのは翌々日だった。
金銭の連絡はないままに。
瞬く間に拡散していく。
男に掘られて喘いでいるアサヒの画像は世間を騒がせるのに充分だった。
不思議な事に背後に立つ男の顔はどの画像も切れている。
どうやらターゲットはアサヒだったらしい。
晴れ晴れした気分で山下の家へ向かう。
解決金の10万円は使用する事はなくなった。
沸々と沸き上がる衝動の捌け口にワタルを選んだのだ。
「また前回と同じコースで。」
ユウヤは財布を出し、先に金を払う。
「今日は二回目なので、少しレベルアップします。」
「レベルアップ?」
怪訝な視線をワタルに向ける。
「そうです。
普段の力をセーブするのです。
今日からトレーニングはこれを着用してもらいます。」
微笑んだトレーナーが手を伸ばした。
「マスクとリング?
これを使うんすか?」
「そうです。
締め付けられた拘束の中でトレーニングする事により、血流を制御し、乳酸濃度を高
める。
そして外した時、一気に流れた乳酸が成長ホルモンを爆発させる。
拘束が解かれた効果は二割は増します。」
トレーナーの言葉に頷く。
猛々しい股間が萎える事はない。
勇ましい股間はその理論を証明していた。
「なら先生も締め付けているんすか?」
キャップで視線を隠したまま聞く。
「勿論です。
暫く外してないですね。
今では外すのが怖いです。」
「怖い?」
「外した時のパワーが自分でも制御出来ないのです。」
トレーナーは笑って言うが、それが冗談でない事は分かった。
「見せてくれないっすか?」
恐る恐る聞いて見る。
「只ではないですよ。」
トレーナーがスパッツを下げた。
真っ赤に鬱血したペニスに幾重にも血管が浮かんでいた。
睾丸の根本に食い込むリングは全てを塞き止めている様だ。
「さ、触ってもいいっすか?」
「更にチャージされますよ。」
「ああ、二万円追加する。」
震える手を伸ばす。
触れた瞬間、手を引っ込める。
電気に触れた時の様に。
それは肉体の一部とは思えない固さだった。
鉄でもない、岩でもない、そう正に角だ。
雄が他の雄と戦う為の角だった。
二度目はゆっくりと掌で覆う。
弾力は全くない。
あるのは凛とした勇猛さだけだった。
ユウヤはこのトレーナーに付いて行こうと決心する。
『力をセーブするだけなら、リングだけで充分ではないか?
何故、マスクまで必要なのか?
まあ、いいか。』
リングとマスクがあれば、もう二度と失態を繰り返す事はないと思えた。
(完)
スクープ欲しさにやるにしては大胆過ぎる。
失敗した時のリスクを考えれば、常人ならしない筈だ。
狂人ならあるかもしれないが、三流週刊誌のカメラマンはやらないだろう。
『とすると金目的か?』
そう考えると気が楽になった。
『金で解決するなら安いもんだ。』
相手が連絡してくるのを持つしかない。
慟哭するアサヒを見ていると、再びペニスが活気付いてきた。
ネットに画像が出回ったのは翌々日だった。
金銭の連絡はないままに。
瞬く間に拡散していく。
男に掘られて喘いでいるアサヒの画像は世間を騒がせるのに充分だった。
不思議な事に背後に立つ男の顔はどの画像も切れている。
どうやらターゲットはアサヒだったらしい。
晴れ晴れした気分で山下の家へ向かう。
解決金の10万円は使用する事はなくなった。
沸々と沸き上がる衝動の捌け口にワタルを選んだのだ。
「また前回と同じコースで。」
ユウヤは財布を出し、先に金を払う。
「今日は二回目なので、少しレベルアップします。」
「レベルアップ?」
怪訝な視線をワタルに向ける。
「そうです。
普段の力をセーブするのです。
今日からトレーニングはこれを着用してもらいます。」
微笑んだトレーナーが手を伸ばした。
「マスクとリング?
これを使うんすか?」
「そうです。
締め付けられた拘束の中でトレーニングする事により、血流を制御し、乳酸濃度を高
める。
そして外した時、一気に流れた乳酸が成長ホルモンを爆発させる。
拘束が解かれた効果は二割は増します。」
トレーナーの言葉に頷く。
猛々しい股間が萎える事はない。
勇ましい股間はその理論を証明していた。
「なら先生も締め付けているんすか?」
キャップで視線を隠したまま聞く。
「勿論です。
暫く外してないですね。
今では外すのが怖いです。」
「怖い?」
「外した時のパワーが自分でも制御出来ないのです。」
トレーナーは笑って言うが、それが冗談でない事は分かった。
「見せてくれないっすか?」
恐る恐る聞いて見る。
「只ではないですよ。」
トレーナーがスパッツを下げた。
真っ赤に鬱血したペニスに幾重にも血管が浮かんでいた。
睾丸の根本に食い込むリングは全てを塞き止めている様だ。
「さ、触ってもいいっすか?」
「更にチャージされますよ。」
「ああ、二万円追加する。」
震える手を伸ばす。
触れた瞬間、手を引っ込める。
電気に触れた時の様に。
それは肉体の一部とは思えない固さだった。
鉄でもない、岩でもない、そう正に角だ。
雄が他の雄と戦う為の角だった。
二度目はゆっくりと掌で覆う。
弾力は全くない。
あるのは凛とした勇猛さだけだった。
ユウヤはこのトレーナーに付いて行こうと決心する。
『力をセーブするだけなら、リングだけで充分ではないか?
何故、マスクまで必要なのか?
まあ、いいか。』
リングとマスクがあれば、もう二度と失態を繰り返す事はないと思えた。
(完)
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる