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Chapter2(フラ編)
Chapter2-⑤【Pacific Island Music】後編
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「日本からですか?」
突然日本語で話し掛けられた。
逆行で影しか見えない。
徐々に目が慣れ、年配の白人と分かる。
「はい、東京からです。
日本語上手ですね。」
ワタルは空いてるチェアーを勧めた。
「ええ、調布に長く住んでました。
最近の日本はどうですか?」
「私も最近日本へ戻ったばかりで、良く知らないのです。」
ワタルは愛想笑いを浮かべる。
「そうですか。
日本人が懐かしくて、声を掛けてしまいました。
迷惑ではないですか?」
「いや、大丈夫です。」
ユーリが楽し気にボールを追うのを見て答えた。
「なら良かった。
私は部屋を取ってあります。
来ませんか?」
柔和な笑みに卑猥さが加わる。
「豪華な部屋です。
写真に撮ったら、記念になります。」
男の手がワタルの大殿筋に伸びた。
「日本人の締まりのあるアナルが懐かしいです。
ハワイに戻ってからは緩いアナルばかりで。」
ワタルは慌てて、腰を引く。
「日本人の奥ゆかしさが私は好きです。
そして皆、このぺニスで豹変するのです。」
男がワタルの手を取り、股間へ引き寄せた。
重量感たっぷりのぺニスに思わず喉仏が動いてしまう。
「これで貴方を狂わせてあげましょう。
何ならお友達も含めて3Pでもいいです。」
突然、陽が陰る。
太陽をユーリが遮っていた。
「3Pの必要はないし、ワタルをレンタルする気もないよ。
疲れたから寝たいんだ。
退いてもらえる。」
ユーリの怒気に男は去っていく。
「全くお人好しなんだから。
嫌な事ははっきり言った方がいいよ。」
ユーリはチェアーに横たわると、目を閉じた。
ワタルは一瞬巨大なぺニスを欲した。
だがその事は決して悟られてはならない。
ワタルは俯せになると、後方の白人と目が合った。
パラソルの下でグラスを傾けている。
そこは風が通り、涼し気に見えた。
自分達のいる灼熱地獄とは雲泥の差だ。
陽は丁度真上にいた。
男は空いた手をぺニスに添えると、ゆっくりと扱きだす。
徐々に固さが増し、聳え起っていく。
膨らんだ亀頭がキラキラ輝く。
男は顎で奥を指すと、立ち上がった。
ワタルは隣のチェアーを盗み見る。
軽く鼾を掻くユーリを見届けると、ゆっくりとデッキに足を置く。
見上げる空は雲一つない。
燦々と降り注ぐ陽光を遮る物はここにはなかった。
肩がひりひりし、真っ赤になった皮膚が剥けている。
『ちょっと涼みに行くだけだ。
パラソルさえあれば、俺は行かないのに…。』
ワタルはそう自分に言い訳すると、男の姿を追った。
ハワイアンに合わせフラを踊る黒人の脇をすり抜ける。
船内に入ると、冷気は寒いくらい強かった。
戻ったワタルは再び俯せになる。
ずっとそこにいたかの様に装う。
微かな鼾と太陽に位置に変わりはない。
掌で顎を支え、後方に目を向ける。
デッキチェアーは空いたままだ。
主人のいないタオルが海風で揺れている。
チェアーに置き放しのサンオイルを見て、何故か寒々さを感じた。
(つづく)
突然日本語で話し掛けられた。
逆行で影しか見えない。
徐々に目が慣れ、年配の白人と分かる。
「はい、東京からです。
日本語上手ですね。」
ワタルは空いてるチェアーを勧めた。
「ええ、調布に長く住んでました。
最近の日本はどうですか?」
「私も最近日本へ戻ったばかりで、良く知らないのです。」
ワタルは愛想笑いを浮かべる。
「そうですか。
日本人が懐かしくて、声を掛けてしまいました。
迷惑ではないですか?」
「いや、大丈夫です。」
ユーリが楽し気にボールを追うのを見て答えた。
「なら良かった。
私は部屋を取ってあります。
来ませんか?」
柔和な笑みに卑猥さが加わる。
「豪華な部屋です。
写真に撮ったら、記念になります。」
男の手がワタルの大殿筋に伸びた。
「日本人の締まりのあるアナルが懐かしいです。
ハワイに戻ってからは緩いアナルばかりで。」
ワタルは慌てて、腰を引く。
「日本人の奥ゆかしさが私は好きです。
そして皆、このぺニスで豹変するのです。」
男がワタルの手を取り、股間へ引き寄せた。
重量感たっぷりのぺニスに思わず喉仏が動いてしまう。
「これで貴方を狂わせてあげましょう。
何ならお友達も含めて3Pでもいいです。」
突然、陽が陰る。
太陽をユーリが遮っていた。
「3Pの必要はないし、ワタルをレンタルする気もないよ。
疲れたから寝たいんだ。
退いてもらえる。」
ユーリの怒気に男は去っていく。
「全くお人好しなんだから。
嫌な事ははっきり言った方がいいよ。」
ユーリはチェアーに横たわると、目を閉じた。
ワタルは一瞬巨大なぺニスを欲した。
だがその事は決して悟られてはならない。
ワタルは俯せになると、後方の白人と目が合った。
パラソルの下でグラスを傾けている。
そこは風が通り、涼し気に見えた。
自分達のいる灼熱地獄とは雲泥の差だ。
陽は丁度真上にいた。
男は空いた手をぺニスに添えると、ゆっくりと扱きだす。
徐々に固さが増し、聳え起っていく。
膨らんだ亀頭がキラキラ輝く。
男は顎で奥を指すと、立ち上がった。
ワタルは隣のチェアーを盗み見る。
軽く鼾を掻くユーリを見届けると、ゆっくりとデッキに足を置く。
見上げる空は雲一つない。
燦々と降り注ぐ陽光を遮る物はここにはなかった。
肩がひりひりし、真っ赤になった皮膚が剥けている。
『ちょっと涼みに行くだけだ。
パラソルさえあれば、俺は行かないのに…。』
ワタルはそう自分に言い訳すると、男の姿を追った。
ハワイアンに合わせフラを踊る黒人の脇をすり抜ける。
船内に入ると、冷気は寒いくらい強かった。
戻ったワタルは再び俯せになる。
ずっとそこにいたかの様に装う。
微かな鼾と太陽に位置に変わりはない。
掌で顎を支え、後方に目を向ける。
デッキチェアーは空いたままだ。
主人のいないタオルが海風で揺れている。
チェアーに置き放しのサンオイルを見て、何故か寒々さを感じた。
(つづく)
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