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3.喜多村本家に居候

87.お休みの儀式

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✳️後半でお下の世話をします。御注意ください。




「決まったわ!」

 ベッドで立ち上がったタンポポちゃんが宣言する。

「うん。それで何すればいいの?」
「お……」
「お?」

「お休みの……」
「お休みの?」

「お休みの、キス、する!」
「……それで?」

「──それで、って何よ」
「いや、キスともう一つは?」

「もう一つ……。ちょっと、どうする?」
「ん~??」
「わかんない……」

 幼女ーズが、また話し合いだした。決めたのは一つだったらしい。

 ちょっと、埒が明かなそう……。

「──分かった。もう一つは今度にしよう。暗くするからベッドに入って」
「わ、分かった」
「うん」
「分ったわ」

 部屋を暗くしベッドの前で最後の一枚を脱ぐ。ヘッドボードにローブやシャツとまとめて置く。

 それを見て、皆もあわてて脱ぐ。皆は脱がなくてもいいからね?

 まあ脱ぐのはいいけど、そこら辺に放り投げるのはやめて。

 一つひとつ拾い集めて、みんなのシャツやキャミソールとまとめておく。

 かけ布団をめくってベッドに入る。みんな、そんなに見られると恥ずかしい。

 並んだ皆の真ん中へ移動する。

「一番は、タンポポちゃん?」
「そ、そうね。──」

 珍しく考えている。

「──いや、アリサが一番だったからアリサ」
「えっ? わたし」
「じゃあ、アリサちゃん──いや、アリサ、お休みなさい」

 チュッと音を立ててほっぺにキスした。

「はぅあ~。でも、ほっぺじゃなく、お口にして?」
「おませさん。じゃあ……お休み」

 軽くくちびるに唇を添えるように口づける。

「ふんぬぅあ~──」

 脱力してアリサが眠った……。眠ったの?

「じゃあ、マナちゃんもお口?」
「うん」
「じゃあ、お休みなさい、マナ」

 マナちゃんにもチュッと口づける。

「んふぅ~」

 マナちゃんも満足して眠った……よね?

「はい、タンポポちゃん、こっちへ──」
「う、うん──」

 タンポポちゃんをボクの上で抱きかかえる。心臓の激しい鼓動に合わせて体が跳ねている。

「タンポポ、お休み」
「お休み、キョウ。──」

 タンポポちゃんにも軽く口づける。

「──ふにゃ~」
「あらら……」

 タンポポも即行、眠った。眠った……んだよね?

 昼間と同じ体位でボクたちは眠った。地味にタンポポちゃんが重いけどね。


 蒸し暑くて目覚める。当然、分かってたけどね! 皆を起こさないようベッドを脱ける。

「キョウ……おしっこ……」

 しまった、起こしちゃったか。寝る前にトイレ行っとけば良かったね?

 でも、もらす前にちょうど目覚めて良かった。

「トイレ、行こうか?」
「うん。もれる」
「ええっ? たいへん」

 服を着せて……と思ったけど、かなり切迫してたみたい。キャミソールを被せて、ボクもローブを羽織る。

 マナちゃんをトイレに連れて行く。もちろん、抱えて小走りする。

 トイレの個室に入るとマナちゃんを降ろす。

「キョウも一緒」
「一緒って……一人でできるよね?」
「こわい……」
「もう、しょうがない」

 便座に座らせよそを向く。おトイレが豪華でふたりでいるのに充分広くて良かった。

 でも、ローブの袖を握られてあまり離れられない。

「終わった?」
「うん」

 水音が途絶えたので聴いてみる。

「ちゃんと拭いた?」
「拭いてない」
「ちゃんと拭いて?」
「キョウが拭いて?」

 いや、それは、ちょっと……。

「ボクが拭いていいの?」
「うん」
「分かった……」

 ……はあ~、なんか保父さんになった気分だ。

 適度にまとめたトイレットペーパーでマナちゃんのあそこに当てる。

 三回ほど繰り返すと、湿り気が無くなった。

「はい、終わり。帰ろうか」
「うん……。だっこ」
「あー、はい」

 マナちゃんをだっこして部屋に戻ると、ベッドの近くでアリサちゃんが足踏みしてた。

 まさかの二連続か。体が冷えてボクもしたくなってきた、おしっこ。一応、アリサちゃんにも聴いてみる。

「アリサちゃん、もしかしておしっこ?」
「うん、キョウ、連れてって」
「分かった。マナちゃんは寝ててね?」
「うん」
「じゃあ、アリサちゃん、何か着て」
「分かった」

 マナちゃんをベッドに上げ、アリサちゃんが着る間にペットボトルをあおる。

「妙な味なんだよね~、これ」
「キョウ、もれる~」
「はいはい」

 アリサちゃんを抱えてトイレに急ぐ。

 そして、またトイレからのがしてくれない。

 夜のトイレはこわいからね~。寝る前のトイレを失念しつねんした自分をうらむ。

「終わった?」
「うん」
「ちゃんと、拭けた?」
「うん」
「じゃ、返ろう」
「うん」

 アリサちゃんを抱えて部屋に戻る。

「キョウ、遅い!」
「どうしたの? タンポポちゃん」

 部屋に戻るとタンポポちゃんまでベッド横で足踏みしてた。

「おしっこ……」

「まさか」ってあるのね? 十才とおは一人でトイレに行ってよね?

 タンポポちゃんに肌着を着るよう言って、またボクはペットボトルをあおる。

 ん~、まずい。

「着たわ。早く早く!」
「トイレまで我慢できる?」
「ギリギリ」
「分かった」

 またしてもタンポポちゃんを抱えてトイレへ急ぐ。

「外にいるから終わったら教えてね?」
「うん」

 タンポポちゃんを個室に押し込む。はあ~、深夜のトイレに二人っきりって緊張する。ボクもおしっこしよ。

「キョウ、いるの?」
「いるよ。隣でおしっこしてる」
「そ、そう」

 静寂の中、長い沈黙。夜のトイレはやっぱり怖い。

「終わったわ」
「あ、うん。ボクも終わるから、ちょっと待って」
「うん……」

 ん~、なんか残ってる感じだなあ~。まあ、もう出ないし、いいか?

「お待たせ。返ろうか?」
「うん」

 二人、手をつないで部屋へ返る。

 部屋ではマナちゃん、アリサちゃんが待っていてくれた。
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