不老不死ロリの国

木mori

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第二章

第四十四話

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「ちょっと待ってくれ。今のに何かが引っかかるぞ。ロリを人間の時間軸で考えるから話が進まない。モノの視点で思考するんだ。魔法はロリの姿でしか使えない。魔導具のレベルに合わせてるからだ。魔導具はロリの波長に合わせている。ならば魔導具を女子高生波長に合わせればいい。」

「そういうことか!それならカンタン!」

 導具と言っても魔力を込める前はタダの物体。人間の体に比べたら、加工は容易であった。

「お兄ちゃん、できたよ。」

箱子が昆太に見せたナタは中ナタであった。以前のナタの1.5倍であった。

吝奈たちも魔導具を大きくして魔力受け入れの準備ができた。

「よし、みんな、来い。」

「お兄ちゃん、ハグッ。キモイよ~!」

「お兄様、クンクン。臭いですわ!」

「あんちゃん、その汚い毒血をいただくよ。プチュー。」

三人女子高生にくっつかれて、フツーなら、セクハラで逮捕される絵であるが、昆太には何の疚しい感情はない。

「あれ?このシチュエーションはどこか変だぞ。みんなから嫌がられて、しかも俺のメリットが存在感を一向に示さないぞ。」

「お兄ちゃん、物事は深く考えちゃダメだよ。あたしたちには十分メリットがあるんだから、それを共感すればいいんだよ。それが他人のために存在感を示す魔力供給源というものだよ。」

「それはわからないけど、とりあえずわかった。ところで、これからいったいどうするつもりだ。時間を止めた魔法使いを捕まえるということなのか?もしそうなら誰が魔法使いなのか、わかってるのか?」

「わかってるよ。うちの高校の校長だよ。」

「サプライズで、あたし。」

「いったい何を言ってるんだ?吝奈、木憂華。箱子は何か悪いモノでも拾い食いしたんじゃ?」

ふたりは宿題忘れの小学生のように下を向いた。

「箱子、正気か?どこかでヘンタイロリ王でも見たのか?」

「ヘンタイロリ王はここにいるよ。すでにタイホ衝動に駆られてるよ。自爆行動は慎んでよ。」

「その言動は天然系箱子らしからぬ冷静沈着さだけど、もしかして、箱子の中身は別細胞なのか?」

「中身が細胞とか、生物学的におかしいよ。じれったいから、中の人、交代してよ。」

(そこまで言うなら仕方ないよん。わかったよん。)

「その幼女のごとき喋り方。まさか。」

「この体はもえが乗っ取ったよん。」

「な、なんだと?しかし、今の会話から察するに、乗っ取ったというよりは同居、サザエさん状態じゃないか。」
「そういうことだよん。もえは箱子の同意の下で、この体を共有しているんだよん。」

「箱子、どうしてそんなことを許可したんだ?」

(宿題忘れて。校長つまり教師に責められて。)

「そんな理由かよ!」
(この学校で宿題がどれほど重いかお兄ちゃんも知ってるでしょ。)

「たしかに即退学だよな。この高校は超進学校で、学校のカリキュラム通りにやっていけば一流大学に確実に入れて、その後の進路も約束されているから、退学なんてイヤだよな。ちょっと待てよ。でも3月1日からカレンダーが動いてないのに?」

(だから、動き出すと、即座に退学になってしまうんだよ。お兄ちゃん、助けてよ!)

「でもメリットがないと。」

(問題解決したら、妹を差し出すよ!)

「妹?それはロリ王を満足させられるのか?」

(それは全然問題ないよ。完璧な幼女だから。)

「わかった。ならば協力しよう。」
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