年下俺様アイドルの、正しい飼い方

ryon*

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6人目のJOKER②

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 ステージに再び上がる直前の舞台袖で、仁が鈴の肩にポンと触れながら言った。

「鈴ちゃん、ありがとう。
 俺達が全力で、フォローするから」

 それを聞き、俺と桜輔も頷いた。

「ホントごめんな、鈴。
 こんなつもりで呼んだんじゃ無かったけど、マジで助かったわ」

 ニヤリと笑って言ったら鈴は、ククッと可笑しそうに肩を揺らして笑った。

「仁くん。ありがとうは、全部無事に終わってからで。
 それと奏は、謝らないでくれる?
 ......アンタにそんな風に言われると、なんか気持ち悪い」

 失礼な、言われようである。
 だけどホント、頼もし過ぎるヤツ。
 こういう彼女だからきっと、俺達は今までJOKERとして上手くやってこれたのだと思うけれど。

「俺もなるべく、フォローするよ。
 ......でもやっぱり鈴ちゃんが無理って思うなら、今ならまだ止める事だって出来るから」

 エレンが真剣な表情で、静かな口調で告げた。
 すると彼女は左右に首を振り、笑って答えた。
 
「大丈夫!皆の無茶振りにはもう、嫌ってくらい慣れてるから。
 ステージで歌ったり踊ったりするのは初めてだから、正直めちゃくちゃドキドキしてる。
 でもね......同時に、ワクワクもしてるの。
 だって私は、6人目のJOKERだから!」

 ハッとしたように見開かれた、エレンの瞳。
 きっとその笑顔を見て、確信したのだろう。
 自分が本当に好きだった相手が、誰なのかという事を。

「そっか。......そうだよな。
 分かった。なら俺もこれ以上、何も言わない!」

 優しく鈴の頭を撫で、蕩けそうなほど甘い笑みを浮かべるエレン。
 照れ臭そうにしてはいるものの、鈴も嬉しそうだ。

 そしてそのやり取りを見てにやける俺の頭を、桜輔が軽く小突いた。
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