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告白②
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すると何故か奏くんは、ククッと肩を揺らして楽しそうに笑った。
「うん。千尋さんが居なくて、暇だったから」
今度は彼の方から抱き締められそうになり、反射的に避けてしまった。
不機嫌そうに、奏くんの眉間に深いシワが刻まれる。
訪れた、一瞬の沈黙。
だけどすぐに合点がいったように彼は満面の笑みを浮かべ、力ずくで私の事を腕の中に閉じ込めた。
「もしかしたら、って思ったんだけど。
......やっぱり千尋さん、嫉妬してくれたんだ?
でも俺が泊まったの、男友達の家だから」
耳元で、甘く囁かれて。
ホッとするのと同時にどうしようもないくらい自身の勘違いが恥ずかしくなり、彼に抱き締められたままふるふると小さく震えた。
「可愛いなぁ、ホント」
クスクスと笑いながら、優しく頭を撫でられる。
......こんなの、好きバレ待った無しじゃないか。
「別に、嫉妬なんて......」
本当は彼の言葉通りだったけれど、バツが悪くてゴニョゴニョと言い訳を口にしようとした。
だけど彼は笑顔のままじっと私の瞳を覗き込み、愛らしく首を傾げて聞いた。
「えー、残念。......嫉妬、してくれないの?」
至近距離であまりにも美しい顔面を目にしたモノだから、激しく動揺する私。
なのに彼は余裕の笑みを浮かべ、更に距離を詰めて来た。
「千尋さん、顔真っ赤なんだけど」
私の頬に両手を添え、顔をそらす事が出来ないように固定して、今度はさっきとは異なり意地悪く歪む彼の形のよい唇。
またしてもからかわれたんだと気付き、文句のひとつでも言ってやろうと思ったのに。
......彼は急に、真剣な顔をして言った。
「ねぇ、千尋さん。
俺は千尋さんが嫉妬してくれたら、スゲェ嬉しいよ?」
「うん。千尋さんが居なくて、暇だったから」
今度は彼の方から抱き締められそうになり、反射的に避けてしまった。
不機嫌そうに、奏くんの眉間に深いシワが刻まれる。
訪れた、一瞬の沈黙。
だけどすぐに合点がいったように彼は満面の笑みを浮かべ、力ずくで私の事を腕の中に閉じ込めた。
「もしかしたら、って思ったんだけど。
......やっぱり千尋さん、嫉妬してくれたんだ?
でも俺が泊まったの、男友達の家だから」
耳元で、甘く囁かれて。
ホッとするのと同時にどうしようもないくらい自身の勘違いが恥ずかしくなり、彼に抱き締められたままふるふると小さく震えた。
「可愛いなぁ、ホント」
クスクスと笑いながら、優しく頭を撫でられる。
......こんなの、好きバレ待った無しじゃないか。
「別に、嫉妬なんて......」
本当は彼の言葉通りだったけれど、バツが悪くてゴニョゴニョと言い訳を口にしようとした。
だけど彼は笑顔のままじっと私の瞳を覗き込み、愛らしく首を傾げて聞いた。
「えー、残念。......嫉妬、してくれないの?」
至近距離であまりにも美しい顔面を目にしたモノだから、激しく動揺する私。
なのに彼は余裕の笑みを浮かべ、更に距離を詰めて来た。
「千尋さん、顔真っ赤なんだけど」
私の頬に両手を添え、顔をそらす事が出来ないように固定して、今度はさっきとは異なり意地悪く歪む彼の形のよい唇。
またしてもからかわれたんだと気付き、文句のひとつでも言ってやろうと思ったのに。
......彼は急に、真剣な顔をして言った。
「ねぇ、千尋さん。
俺は千尋さんが嫉妬してくれたら、スゲェ嬉しいよ?」
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