年下俺様アイドルの、正しい飼い方

ryon*

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チヒロハ、コンランシタ②

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 そう考え、やっぱり出ていくと言ったら男はやれやれとでも言いたげに大きく息を吐き、わざとらしく肩をすくめて見せた。
 それから彼はニヤニヤとゲス顔で笑い、言った。

「ホントに出ていって、大丈夫?
 この時間だともうバスもないし、タクシーも捕まらないと思うけど。
 ここから駅前まで歩こうと思ったら、小一時間掛かるんじゃね?」

 くっ......、確かに!
 
「お言葉に、甘えさせて頂きます。
 ......だけど少しでも妙な真似したら、訴えますよ?
 姉に聞けば、こっちもあなたの身元くらいすぐに分かるんですからね!」
 
 善意から言われている気がしながらもやはり身の危険を感じ、大きな声で叫んでビシッと指先を彼の鼻先に突き付けた。
 すると彼はきょとんとした感じで、私の顔をじっと見つめた。

 こんな風に、ポカンと口を空けていても阿呆面にならないとか。
 ......イケメンって、なんかずるい。

「あぁ......うん。
 確かにそれは、困るね。
 だって千尋さんは俺の事なんて、全く知らないんだもんね?」

 クククと肩を揺らし、笑う男。
 ......この会話の一体、何が可笑しいというのか?

 笑いが堪え切れないといった様子の男に苛立ちながらも再び距離を空け、臨戦態勢をとった。
 すると彼はフッと微笑み、それからこてんと首を愛らしく傾げたかと思うと、さっきまでの意地悪なモノとはまるでことなるキラキラ目映い笑みを浮かべた。

「そんなに、警戒しないでよ?
 でも、うーん......そうだなぁ。
 じゃあ俺の事は、ペットか何かだと思ってくれていいよ?」
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