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第2章 マジックフェスティバル
【79話】 さらば!都市バットル!!
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閉会式が終わり、俺の最初にして最後のマジックフェスティバルは終わった。
1年の部優勝というこれまでの人生で貰った事のないものを貰った。
それから1日が経った。
今日はこのバットルを出て、パゼーレへと帰る日だった。
窓から朝日が差し込む中、俺は私物を纏めて帰りの支度をしていた。
ここにはマジックフェスティバルの間約5日程泊まっており、それなりに愛着もあった。
だから少しばかり部屋を片付けて下の食堂へと向かった。
「あっ!ユートおはよう!!」
食堂に降りた俺にレイナが話かけてきた。
「あぁ、おはようレイナ」
食事を取るため食堂のテーブルにつく。
「あら?おはようございますユウトさん」
テーブルに着くと斜め前に座っていたヴァーリンは話しかけてきた。
「おう、おはよ」
俺がヴァーリンに話しかけるのと同じくらいにレイナが俺の隣に座る。
「昨日の試合は凄かったよ。」
レイナが昨日の試合について俺に話題を振った。
「それにしても昨日は良いものが見れました。」
レイナが話した直後にヴァーリンも俺に昨日の試合の話題を振って来た。
2方向から同時に話しかけられてどっちに対応したらいいかわからずに困惑する。
「ちょっと、私が先に話してたんだけど?」
「あらレイナさん、いたのですね?胸が小さくて分かりませんでしたわ。」
それから俺を挟んで2人は口喧嘩を始め、その口喧嘩はしばらく続き俺はそれを聞いてるしかなかった。
そんなこんなでひとまず、俺とデイがバットルからパゼーレへ帰る時間になった。
他の生徒達は少し遅れてパゼーレへと帰るらしい。
「よしっ!2人とも準備は出来たか!?」
同行する教師は今回もルコードだ。
ルコードは実況席にいた時とは話し方がいつものうるさい感じへと戻っていた。
「解説の時とはエライ違いですね……」
ルコードの大声を聞きながらデイは呆れるように言った。
「おっ!どうだったよ俺の解説!!いやぁ、ちゃんとした場所だったから頑張ったぜ!」
そう言ってガハハと笑った。
俺とデイは2人して顔を見合わせて苦笑いした。
「それよりユート、決勝のあの剣はなんだったんだよ?」
デイが思い出したかのように俺にたずねてきた。
「もしかして、俺との試合手を抜いていたのか?」
少し不機嫌そうにデイは俺を問い詰める。
「いや、あれはあの時初めて出来たというかー」
そうして話している間にも帰りの馬車が着く。
運転するのは行きに俺たちを乗せてくれた褐色の男性だった。
まず最初にルコード、デイが乗り込む。
そして俺も馬車へと乗り込もうとした。
「ヤレバデキルジャンカ」
ボソッと運転手がつぶやいた。
俺はその言葉についてあえて触れずに、少し口角を上げながら馬車へ乗り込んだ。
全員乗り込んで馬車はパゼーレへと走り出した。
バットルの風景が流れていくのを馬車の外が見える後ろから見ていた。
すると外に……
「「おーい!!」」
パゼーレ魔法学園の生徒達が後ろから手を振って見送っているのが見えた。
俺とデイもそれに応えて手を振る。
「おい!ユウト!!」
パゼーレ魔法学園の生徒達から違う方向から声が聞こえた。
少し目線を右にズラすと、そこにはクラックやマジックフェスティバルに参加していた人達が集まっていたのだ。
「達者でなー!」
「またニャー!!」
などと、多くの声が耳に届く。
そして俺は最初に声を上げたであろうクラックを見た。
「ユウト!待ってろよ!!絶対に治してみせるからな!!」
隣にいるリリノと手を繋ぎながらクラックは俺に宣言した。
「あぁ!!俺も待ってるからな!!」
「みんな!ありがとう!!」
俺はクラックの宣言を返して、見送ってくれている人たちに感謝の言葉を告げる。
次第にその人影も小さくなっていき、ついにバットルを囲む壁を越えて都市バットルの外へと出た。
いろんな経験をした、いろんな人と知り合えたし分かり合えた。
だからこう言うよ。
ありがとう、そしてさようなら都市バットル
1年の部優勝というこれまでの人生で貰った事のないものを貰った。
それから1日が経った。
今日はこのバットルを出て、パゼーレへと帰る日だった。
窓から朝日が差し込む中、俺は私物を纏めて帰りの支度をしていた。
ここにはマジックフェスティバルの間約5日程泊まっており、それなりに愛着もあった。
だから少しばかり部屋を片付けて下の食堂へと向かった。
「あっ!ユートおはよう!!」
食堂に降りた俺にレイナが話かけてきた。
「あぁ、おはようレイナ」
食事を取るため食堂のテーブルにつく。
「あら?おはようございますユウトさん」
テーブルに着くと斜め前に座っていたヴァーリンは話しかけてきた。
「おう、おはよ」
俺がヴァーリンに話しかけるのと同じくらいにレイナが俺の隣に座る。
「昨日の試合は凄かったよ。」
レイナが昨日の試合について俺に話題を振った。
「それにしても昨日は良いものが見れました。」
レイナが話した直後にヴァーリンも俺に昨日の試合の話題を振って来た。
2方向から同時に話しかけられてどっちに対応したらいいかわからずに困惑する。
「ちょっと、私が先に話してたんだけど?」
「あらレイナさん、いたのですね?胸が小さくて分かりませんでしたわ。」
それから俺を挟んで2人は口喧嘩を始め、その口喧嘩はしばらく続き俺はそれを聞いてるしかなかった。
そんなこんなでひとまず、俺とデイがバットルからパゼーレへ帰る時間になった。
他の生徒達は少し遅れてパゼーレへと帰るらしい。
「よしっ!2人とも準備は出来たか!?」
同行する教師は今回もルコードだ。
ルコードは実況席にいた時とは話し方がいつものうるさい感じへと戻っていた。
「解説の時とはエライ違いですね……」
ルコードの大声を聞きながらデイは呆れるように言った。
「おっ!どうだったよ俺の解説!!いやぁ、ちゃんとした場所だったから頑張ったぜ!」
そう言ってガハハと笑った。
俺とデイは2人して顔を見合わせて苦笑いした。
「それよりユート、決勝のあの剣はなんだったんだよ?」
デイが思い出したかのように俺にたずねてきた。
「もしかして、俺との試合手を抜いていたのか?」
少し不機嫌そうにデイは俺を問い詰める。
「いや、あれはあの時初めて出来たというかー」
そうして話している間にも帰りの馬車が着く。
運転するのは行きに俺たちを乗せてくれた褐色の男性だった。
まず最初にルコード、デイが乗り込む。
そして俺も馬車へと乗り込もうとした。
「ヤレバデキルジャンカ」
ボソッと運転手がつぶやいた。
俺はその言葉についてあえて触れずに、少し口角を上げながら馬車へ乗り込んだ。
全員乗り込んで馬車はパゼーレへと走り出した。
バットルの風景が流れていくのを馬車の外が見える後ろから見ていた。
すると外に……
「「おーい!!」」
パゼーレ魔法学園の生徒達が後ろから手を振って見送っているのが見えた。
俺とデイもそれに応えて手を振る。
「おい!ユウト!!」
パゼーレ魔法学園の生徒達から違う方向から声が聞こえた。
少し目線を右にズラすと、そこにはクラックやマジックフェスティバルに参加していた人達が集まっていたのだ。
「達者でなー!」
「またニャー!!」
などと、多くの声が耳に届く。
そして俺は最初に声を上げたであろうクラックを見た。
「ユウト!待ってろよ!!絶対に治してみせるからな!!」
隣にいるリリノと手を繋ぎながらクラックは俺に宣言した。
「あぁ!!俺も待ってるからな!!」
「みんな!ありがとう!!」
俺はクラックの宣言を返して、見送ってくれている人たちに感謝の言葉を告げる。
次第にその人影も小さくなっていき、ついにバットルを囲む壁を越えて都市バットルの外へと出た。
いろんな経験をした、いろんな人と知り合えたし分かり合えた。
だからこう言うよ。
ありがとう、そしてさようなら都市バットル
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