やさしい異世界転移

みなと

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第2章 マジックフェスティバル

【40話】 参加申し込み

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 俺は教員室の前に来ていた。
 理由は1つ、マジックフェスティバルへの参加希望を出す為だ。
 最初は異世界転移者である俺がしゃしゃり出ていいような行事じゃないと思い、参加するのを諦めていた。

 だが昨日ヴァーリンとの話で自分の気持ちに正直になろうと思い、参加する事を決めたのだ。

 教員室のドアを叩く。

「失礼します。」

 そう断りを入れて俺はドアを開けて、教員室に入っていった。

「来たか。」

 俺が入ってくるのを見るなり、机についているアーニスは言った。
 どうやらアーニスは俺がくることを予想していたらしい。俺はアーニスのところまで歩いて行った。

「要件は?」

 アーニスは少し煽り気味に要件を聞いてくる、わかってるくせに意地悪な事をする。

 俺の要件は一つだけ。

「……俺もマジックフェスティバルに参加します!!」

 覚悟を決め参加表明をアーニスに行った。
 それを聞いたアーニスは「ふっ」と笑う。

「……申し込みギリギリセーフ、お前のマジックフェスティバルの参加を認める。」

 アーニスは手元にあった参加用紙である紙に俺の名前を書いた。

「よし、ついてこい。」

 名前を書き終わったアーニスは、立ち上がって俺についてくるように指示して歩く。

「どこに?」

 俺は目的地を聞く。

「どこって決まっているだろ?これから予選だ、魔法大会には学年で2人までしか出れないからな。」

 歩きながらアーニスは説明をしてくれた。
 マジックフェスティバルに参加出来る人数が決まっており学園ごとに予選があるのは聞いていたが、まさか今やるとは。
 恐らく今は予選を行う場所に行っているのだろう。

「すまなかったな。」

 しばらく歩いていると前を歩いているアーニスがいきなり話しかけてきた。

「?なにがです?」

 当然いきなりの話題でなんの事か分かるはずもない。

「襲撃事件の事だ、本来なら私がお前達を守らなければいけなかった。」

 そういえばアーニスは襲撃事件の時、3年と共に遠征へと行っていたっけ。

「だが、私の代わりにお前がみなを守ってくれたようだな。感謝する。」

 アーニスは俺に感謝してきた。
 アーニスはもっと鬼教官のような厳しい人だと思っていた。けれど、生徒思いのいい人なんだ。

「いや、俺なんか全然で……下手したら死んでましたよ。」

 結果的には守れていたのだろうが、それは3年の人達が間に合ってたからだ。もしもっと3年が着くのが遅れていたらどうなっていたかわからない。

「まったくだ。勇敢なのもいいが、少しは自分の武を弁えろ。」

 痛い事を言われる。
 たしかにその通りだ。

「着いたぞ。」

 ようやく目的地に着いたようだ。
 そこは俺たちが入学試験で戦闘試験を受けた場所だった。
 どうやらここが予選会場のようだ。
 そしてアーニスは会場の扉の前で止まり。

「このマジックフェスティバルでその勇敢さに見合った実力でもつけてこい!」

 そう言って予選会場の扉の開けた。
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