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第1章 転移!学園!そして……
【1話】 非日常へ
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学校の終わりを告げるチャイムが鳴る。
チャイムの音を聞いた生徒達は教室を出る者 教室に残り友人達と楽しく放課後を過ごす者の2つに分かれる。
俺はどっちかって?
そんなの前者に決まっている。
俺は立ち上がって、自分の机の上に乗せておいたカバンを背負って扉へと向かった。
今日は用事もあるから教室に長居は出来ない。俺は扉を開けて教室から去ろうとした。
「おい、優斗(ゆうと)!」
後ろから声をかけられる。
声をかけてきた奴の方を振り返る。でも俺に声をかけてくる奴なんかすぐに誰か絞れた。
俺に声をかけてきたのは俺と同じクラスで中心的な人物であり俺の友人である松本だった。
「どうした松本?」
はやく帰りたいこともあり、呼んだ理由を説明してくれるよう簡潔に頼んだ。
「これから他の連中誘って遊びに行かね?お前だって友達、俺くらいしかいないとか悲しいだろ。」
松本は俺に笑いかけながらそう言った。
いや、余計なお世話だよ!と心の中で突っ込む。
確かに高校に入学してから一ヶ月が経ったが俺に友人と呼べる奴は松本の1人だけ……こうしてみると少ないなぁ。
その友人が初めて、俺を誘ってくれたのだ。
もちろん一緒に行きたいとは思うがしかし……
「ごめん。今日は用事があって行けそうにもない。また機会があったらその時は行くよ。」
申し訳なさそうに松本の誘いを断る。
たしかに松本達と行って、友人や気になる女子達と充実した高校生活を過ごしたい……という欲はあったが今日は外せない用事があり断るしか無かった。
「そっか……それなら仕方ないな。じゃあまた明日学校でな。」
仕方ないな、という顔で松本は別れの言葉を話す。
俺はその言葉に軽く返事を返して教室を出て学校を後にする。
俺は普段駅の方へと向かうのだが、俺はその逆方向へと足を進めた。
松本の誘いを断ってでもやらなければいけない用事を済ませる為だ。
唯一の友の誘いを断るのは本当に申し訳ないと思ったが 仕方がないのだ。
なぜなら今日は妹の皐さつきの誕生日であり、その祝いの為のケーキを買いに行かなければいけなかったからだ。
数日前からこの先の商店街にあるこの辺りでも有名な洋菓子店に予約を入れているから、松本の用事よりもそっちの方を優先して商店街へと向かった。
商店街へと向かう道はあまり来ない場所なので新鮮な気持ちで辺りを見渡しながら進む。
すぐ横の通りには様々な店が立ち並んでいる。
松本から聞いた話だと休日になるとこの通りには人で賑わうとのこと。
今日は平日なのか人は少なかった。
少し歩くと道の端に荷物を地面に置いて呼吸を整えてるおばあさんを見かけた。
持っている荷物が重たいのだろうか?
早く洋菓子店に向かいたいが困っている人がいるなら助けるのは当然だ、その人の方へ駆け寄った。
「大丈夫ですか?よかったら持ちましょうか?」
声をかけてきた俺を見ておばあさんは少し驚いたが嬉しそうに笑って。
「いいのかい?じゃあ持ってもらおうかな。」
おばあさんは俺に荷物を渡した。
話を聞くに、この人は友達の家に行った際にお土産としてこの荷物を持たされたらしい。
「その荷物とっても重たいけど……大丈夫かい?」
と老人が心配そうに聞いてくる。
「大丈夫ですよ。」
確かに荷物は多少重たかったが、俺は日頃から体を鍛えてるからこのくらいへっちゃらだ、この荷物をこの人の家まで運ぶことにした。
「それにしても、兄ちゃん意外にやさしいんだね。ちょっと怖そうだったから驚いたよ。」
いや失礼だろ!
いやまぁ確かに目つきが怖いってたまに言われるが髪だって染めてるから悪そうには見えないと思っているのだが……
やはり目つきか?それにその事を本人に言うか??
まぁこの人には悪気とかなさそうだし別にいいか。
まったく……
でも俺は"やさしい"だなんて言われていい人間じゃないのにな……
そんな事を考えていたらすぐ横にある電気屋のショーウィンドウに飾ってあるテレビに映ったニュースに目が入った。
半年前に留置所から抜け出し今なお指名手配中の殺人やら強盗などの多くの罪を犯した極悪犯の事だった。
テレビには目に縦傷が入っている大柄の男の写真と豪振(ごうしん) 柳動(りゅうどう)という名前が映し出されていた。
何処かで見たような?そう思ったがどこだったが思い出せない……
まぁ別に思い出せなくてもいいか。
おばあさんも俺と同じようにテレビのニュースを見て心配そうな顔で俺にこう言った。
「ほんと、怖いねぇ……兄ちゃんも気をつけてね?この留置所ここと結構近いからね。」
心配してくれてるのだろうか。
確かに留置所はこの近くだが脱獄したのは半年前の事だからもうこの近くにはいないと思うけど。
「ありがとうね、おばあちゃん。」
その後もおばあさんと他愛のない話をしながら家まで歩き、日も落ちてきて暗くなり始めた時に家に着いた。
俺は荷物を老人の家の玄関に置いてそのまま帰る。
帰る直前におばあさんに家でお茶をしないか?と誘われたが用事があるからと言って家を出て商店街へと向かった。
商店街へ着いた頃には日も落ちて辺りは暗くなっていた。
もう結構暗い。はやく帰らないと親が心配する。
そう思い俺は洋菓子店へ行こうとし、商店街に足を踏み入れた瞬間、辺りに違和感を感じて足を止めた。
商店街に人がいる気配がまったくしないのだ辺りを見渡しても人っ子1人としておらず、店を見ても電気が付いているのにも関わらず人の気配がしない。
おかしいな?と頭の中で思いながらも洋菓子店へ行こうとして歩き出した時だった。
ーこっちへ……おいでー
声が……聞こえた。
小さい女の子が聞こえてきたのだ。
辺りに人がいない筈なのにと思い周りを見渡す。
やっぱりどこを見ても人はいないようだ。
空耳か?
と思い歩こうしたが……
ーおいで……こっちへ……おいでー
ーこっちへ……おいでー
ーこっちへ……おいでー
また、同じ声が聞こえた。
今度はさっきまでとは違い何度も繰り返して聞こえてくる。
俺は耳を澄ませてこの声の出所を探った。
どうやら、聞こえてくる声はすぐ横にある路地裏の方からしているようだ。
俺はその声が聞こえる路地裏を覗いく。
その路地裏は暗くてジメジメとした雰囲気が漂っており、それがかなり奥まで続いているようだ。
気味が悪い場所。こんな場所近寄りたくはない。
しかし気がつくと俺はその路地へ足を踏み入れていた。
理由は俺でもわからない。
ただ懐かしいと感じた、行かなければいけないと感じた。それだけで俺はこの路地に足を踏み入れた。
ゆっくりだった歩きも段々とはやくなっていく。
進む 進む 進む
ただひたすら声が聞こえてくる方へとひたすら俺は進む。
その進んだ先にあったのは……
なにもないただの行き止まりだった。
いつの間にかさっきまでの女の子声はしなくなっていてただ暗く静かな路地に俺がいるだけだった。
「なんだ、何も無いのか……」
少し残念そうに呟く、そして来た道を戻ろうとした時だった。
突然目の前が眩い光に包まる。
俺はとっさに目を瞑って手で顔を覆い隠した。
眩しい 目を瞑っていても明るさを感じる程光が溢れている様だ。
少し経って俺は体に異変を感じる。
体がふわっとなり体が軽くなった。
まるで宙に浮いてるような感じだ。
いや違う、これは浮いているんじゃない。
顔を覆っていた手を離して目を開け俺は確信する。
浮いてるんじゃない……。
俺はただ青い空を身一つで落ちていたのだ。
こうして神洞(しんどう) 優斗(ゆうと)は異世界転移をしていたのだ。
チャイムの音を聞いた生徒達は教室を出る者 教室に残り友人達と楽しく放課後を過ごす者の2つに分かれる。
俺はどっちかって?
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俺に声をかけてきたのは俺と同じクラスで中心的な人物であり俺の友人である松本だった。
「どうした松本?」
はやく帰りたいこともあり、呼んだ理由を説明してくれるよう簡潔に頼んだ。
「これから他の連中誘って遊びに行かね?お前だって友達、俺くらいしかいないとか悲しいだろ。」
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いや、余計なお世話だよ!と心の中で突っ込む。
確かに高校に入学してから一ヶ月が経ったが俺に友人と呼べる奴は松本の1人だけ……こうしてみると少ないなぁ。
その友人が初めて、俺を誘ってくれたのだ。
もちろん一緒に行きたいとは思うがしかし……
「ごめん。今日は用事があって行けそうにもない。また機会があったらその時は行くよ。」
申し訳なさそうに松本の誘いを断る。
たしかに松本達と行って、友人や気になる女子達と充実した高校生活を過ごしたい……という欲はあったが今日は外せない用事があり断るしか無かった。
「そっか……それなら仕方ないな。じゃあまた明日学校でな。」
仕方ないな、という顔で松本は別れの言葉を話す。
俺はその言葉に軽く返事を返して教室を出て学校を後にする。
俺は普段駅の方へと向かうのだが、俺はその逆方向へと足を進めた。
松本の誘いを断ってでもやらなければいけない用事を済ませる為だ。
唯一の友の誘いを断るのは本当に申し訳ないと思ったが 仕方がないのだ。
なぜなら今日は妹の皐さつきの誕生日であり、その祝いの為のケーキを買いに行かなければいけなかったからだ。
数日前からこの先の商店街にあるこの辺りでも有名な洋菓子店に予約を入れているから、松本の用事よりもそっちの方を優先して商店街へと向かった。
商店街へと向かう道はあまり来ない場所なので新鮮な気持ちで辺りを見渡しながら進む。
すぐ横の通りには様々な店が立ち並んでいる。
松本から聞いた話だと休日になるとこの通りには人で賑わうとのこと。
今日は平日なのか人は少なかった。
少し歩くと道の端に荷物を地面に置いて呼吸を整えてるおばあさんを見かけた。
持っている荷物が重たいのだろうか?
早く洋菓子店に向かいたいが困っている人がいるなら助けるのは当然だ、その人の方へ駆け寄った。
「大丈夫ですか?よかったら持ちましょうか?」
声をかけてきた俺を見ておばあさんは少し驚いたが嬉しそうに笑って。
「いいのかい?じゃあ持ってもらおうかな。」
おばあさんは俺に荷物を渡した。
話を聞くに、この人は友達の家に行った際にお土産としてこの荷物を持たされたらしい。
「その荷物とっても重たいけど……大丈夫かい?」
と老人が心配そうに聞いてくる。
「大丈夫ですよ。」
確かに荷物は多少重たかったが、俺は日頃から体を鍛えてるからこのくらいへっちゃらだ、この荷物をこの人の家まで運ぶことにした。
「それにしても、兄ちゃん意外にやさしいんだね。ちょっと怖そうだったから驚いたよ。」
いや失礼だろ!
いやまぁ確かに目つきが怖いってたまに言われるが髪だって染めてるから悪そうには見えないと思っているのだが……
やはり目つきか?それにその事を本人に言うか??
まぁこの人には悪気とかなさそうだし別にいいか。
まったく……
でも俺は"やさしい"だなんて言われていい人間じゃないのにな……
そんな事を考えていたらすぐ横にある電気屋のショーウィンドウに飾ってあるテレビに映ったニュースに目が入った。
半年前に留置所から抜け出し今なお指名手配中の殺人やら強盗などの多くの罪を犯した極悪犯の事だった。
テレビには目に縦傷が入っている大柄の男の写真と豪振(ごうしん) 柳動(りゅうどう)という名前が映し出されていた。
何処かで見たような?そう思ったがどこだったが思い出せない……
まぁ別に思い出せなくてもいいか。
おばあさんも俺と同じようにテレビのニュースを見て心配そうな顔で俺にこう言った。
「ほんと、怖いねぇ……兄ちゃんも気をつけてね?この留置所ここと結構近いからね。」
心配してくれてるのだろうか。
確かに留置所はこの近くだが脱獄したのは半年前の事だからもうこの近くにはいないと思うけど。
「ありがとうね、おばあちゃん。」
その後もおばあさんと他愛のない話をしながら家まで歩き、日も落ちてきて暗くなり始めた時に家に着いた。
俺は荷物を老人の家の玄関に置いてそのまま帰る。
帰る直前におばあさんに家でお茶をしないか?と誘われたが用事があるからと言って家を出て商店街へと向かった。
商店街へ着いた頃には日も落ちて辺りは暗くなっていた。
もう結構暗い。はやく帰らないと親が心配する。
そう思い俺は洋菓子店へ行こうとし、商店街に足を踏み入れた瞬間、辺りに違和感を感じて足を止めた。
商店街に人がいる気配がまったくしないのだ辺りを見渡しても人っ子1人としておらず、店を見ても電気が付いているのにも関わらず人の気配がしない。
おかしいな?と頭の中で思いながらも洋菓子店へ行こうとして歩き出した時だった。
ーこっちへ……おいでー
声が……聞こえた。
小さい女の子が聞こえてきたのだ。
辺りに人がいない筈なのにと思い周りを見渡す。
やっぱりどこを見ても人はいないようだ。
空耳か?
と思い歩こうしたが……
ーおいで……こっちへ……おいでー
ーこっちへ……おいでー
ーこっちへ……おいでー
また、同じ声が聞こえた。
今度はさっきまでとは違い何度も繰り返して聞こえてくる。
俺は耳を澄ませてこの声の出所を探った。
どうやら、聞こえてくる声はすぐ横にある路地裏の方からしているようだ。
俺はその声が聞こえる路地裏を覗いく。
その路地裏は暗くてジメジメとした雰囲気が漂っており、それがかなり奥まで続いているようだ。
気味が悪い場所。こんな場所近寄りたくはない。
しかし気がつくと俺はその路地へ足を踏み入れていた。
理由は俺でもわからない。
ただ懐かしいと感じた、行かなければいけないと感じた。それだけで俺はこの路地に足を踏み入れた。
ゆっくりだった歩きも段々とはやくなっていく。
進む 進む 進む
ただひたすら声が聞こえてくる方へとひたすら俺は進む。
その進んだ先にあったのは……
なにもないただの行き止まりだった。
いつの間にかさっきまでの女の子声はしなくなっていてただ暗く静かな路地に俺がいるだけだった。
「なんだ、何も無いのか……」
少し残念そうに呟く、そして来た道を戻ろうとした時だった。
突然目の前が眩い光に包まる。
俺はとっさに目を瞑って手で顔を覆い隠した。
眩しい 目を瞑っていても明るさを感じる程光が溢れている様だ。
少し経って俺は体に異変を感じる。
体がふわっとなり体が軽くなった。
まるで宙に浮いてるような感じだ。
いや違う、これは浮いているんじゃない。
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