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第2部 激戦編
第49話 【変化】のモーシャス戦②
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「ふはははっ!! そんなものはこれで避けられるぞ!」
「なっ!?」
『霧状に変化して回避しただと!?』
『【変化】のモーシャスとはよく言ったものだね』
『全くですよぉ』
魔王軍七大幹部の一人である【変化】のモーシャスに攻撃を仕掛ける私達。
しかし、その攻撃はモーシャスが自分の身体を変化させることでことごとく回避されてしまう。
「ぬぅん!!」
『ぐっ!?』
「リーゼ!!」
『大丈夫だ。 しかし、防御してもこの威力とはね』
即座にモーシャスがリーゼの機体にタックルを仕掛ける。
咄嗟に防御態勢を取ったリーゼは、吹き飛ばされずに済んだようだ。
『でも、ある程度からくりは分かったよ。 もう少しだけ適当に仕掛けて欲しい』
『打開策はあるのか?』
『奴が変化する際に何かが見えたからね。 タイミングを見たいんだ』
「分かった。 でも、早めに解決してよ?」
『もちろんさ』
「人間が何をやろうとも、我が変化の魔法の敵ではない!!」
「それはどうかしらね? っと」
モーシャスは、今度は私に拳で攻撃を仕掛けたので、シールドで対処する。
流石に威力は高いのでシールドが凹んでしまったが……。
「ぬぅっ、そ、その機体は……! まさか……!?」
「あら、急に余裕がなくなったわね?」
「馬鹿な! 何故動いている!? 何故その機体が動いている!? 何故、我が魔族の天敵が動いている!?」
アパタイトを間近に見たモーシャスが焦ったように拳を連打する。
私はシールドとバリアで対処はしているが、どうもモーシャスはこの機体を嫌っているようだ。
魔族の天敵と言ってたわね。
「何故って言ってもね、私はこれに呼ばれたのよ!」
「ぐわぁぁっ!!」
私はそう言って、ビームサーベルでモーシャスの片腕を斬り落とす。
そこで私はすぐに距離を取り、みんなと合流する。
『大丈夫か、ルキア』
「ええ、ビームサーベルを使ってごめんなさい」
『構わない。 相手は魔王軍だ。 だが……』
『ああ、奴は言ってましたね。 アパタイトに向かって魔族の天敵って』
『さっきのビームサーベルの攻撃であっさり片腕を斬り落とされたみたいだし、その話は本当みたいですね』
片腕を斬り落とされ、焦りを生じたモーシャスに私達は対峙する。
再生しないみたいだけど、どうなんだろうか?
「アルム、魔族って再生能力はあるの?」
『七大幹部クラスなら再生能力は所持している。 だが、それでも再生しないってことはさっきのビームサーベルで腕と共に再生能力も消え去ったみたいだな』
「そうなのね」
『だが、ルキアに負担はかけられない。 まだ変化能力はあるし、それを誘って欲しい』
『ああ、みんな、一斉攻撃だ』
『よーし、いきますよぉ!!』
アルムがそう指示して、みんなでモーシャスを一斉に攻撃する。
「甘いぞ! まだ変化の魔法は使えるのだ!!」
そう言ってモーシャスは自分の身体を霧状に変化させようとした瞬間に、私の目でも見える玉のような何かがあった。
『見えた! リュート中尉!!』
『よし、フリージングライフルだ!!』
「何!? しまった!! ぐわぁぁぁっ!!」
リーゼも何かが見えたようで、それに向けてリュート中尉がフリージングライフルで狙い撃つ。
その何かは当たった瞬間に凍結して、モーシャスも中途半端な変化のまま凍結した。
『さっきの玉が変化の魔法の媒体だったわけだ。 それで暫く変化の魔法は使えない』
「しかし、リュート中尉のフリージングライフル、威力高いですね」
『氷属性なら私達ロゼッタの民よりはリュート中尉の方が高いんです。 あの人、ファシナシオン内の最北端の辺境伯の息子ですから』
「ええっ!?」
『昔の話だよ。 これで奴に思う存分攻撃が出来るはず』
『ああ、再度一斉攻撃だ!!』
「了解!!」
そしてアルムの指示で再度モーシャスに一斉攻撃を仕掛ける。
中途半端に変化したまま凍結したモーシャスは成すすべもなく攻撃を受け続ける。
私のバルカンとライフル、アルムのデバイス攻撃とライフル、マイア王女のファイアボール連射、リュート中尉のライフルによる二丁拳銃攻撃と。
次々と来る波状攻撃にモーシャスの命もわずかとなる。
『さぁ、締めはボクがやろう! 【メイサックス】、アクスモード!』
そして、止めを刺すと言わんばかりのリーゼの機体、フォカロルは【メイサックス】という武器を持ってモーシャスに向かう。
どうやらあの武器、メインはメイスでモードチェンジで斧形態になれるみたいだ。
これもリーゼの【制作魔法】から生み出されたものだろうか。
「な、や、やめろ……!!」
『そうはいかないさ! そぉいっ!!』
「ぐわぁぁぁぁぁっ!!」
リーゼはモーシャスに肉薄すると斧を持ちながら回転攻撃を仕掛ける。
それはまるで竜巻となってモーシャスを打ち上げる。
ある程度の高さにまで打ち上げたのを見て、リーゼがブーストを吹かして飛び上がる。
『マキ割りストライクッ!!』
「ぐぼあぁぁぁぁっ!!」
そして、そのまま無防備となったモーシャスを斧形態の【メイサックス】で叩き割った。
その勢いのまま、地面にクレーターを作りつつ、モーシャスを粉々に粉砕したようだ。
『捨て台詞すら言わせないとは、リーゼ嬢も容赦ないな』
『大体、この手の奴らの捨て台詞は聞くに堪えませんから』
「ああ、なるほどねぇ」
『ジョージ中尉の方も何とか殲滅が終わったようだ。 一人は検証の為に回収するようだ』
『なら、そろそろこちらも撤退し……』
『北西から20の影が接近! 帝国軍です!!』
「ちょっ、こっちは魔王軍の七大幹部の戦いなどで疲弊してるのに」
魔王軍の七大幹部の一人を倒した所を狙ってきたのか、帝国軍が来る事をマイア王女から知らされた。
私達はともかく、他の人たちは辺境の部隊の人と戦ってたんだから疲弊しているはず。
まさか、そこを狙われた……!?
『フィールラスクスより各機へ! 主砲を最大出力で使う!! そのために時間を稼いでくれ!!』
「主砲!?」
『了解しました! みんな、もうひと踏ん張りだ! 主砲発射の時間を稼ぐぞ!!』
こうして、私達はそのまま連戦に突入した。
戦艦フィールラスクスの主砲を最大出力で発射するための時間稼ぎとして、帝国軍と会敵する。
「なっ!?」
『霧状に変化して回避しただと!?』
『【変化】のモーシャスとはよく言ったものだね』
『全くですよぉ』
魔王軍七大幹部の一人である【変化】のモーシャスに攻撃を仕掛ける私達。
しかし、その攻撃はモーシャスが自分の身体を変化させることでことごとく回避されてしまう。
「ぬぅん!!」
『ぐっ!?』
「リーゼ!!」
『大丈夫だ。 しかし、防御してもこの威力とはね』
即座にモーシャスがリーゼの機体にタックルを仕掛ける。
咄嗟に防御態勢を取ったリーゼは、吹き飛ばされずに済んだようだ。
『でも、ある程度からくりは分かったよ。 もう少しだけ適当に仕掛けて欲しい』
『打開策はあるのか?』
『奴が変化する際に何かが見えたからね。 タイミングを見たいんだ』
「分かった。 でも、早めに解決してよ?」
『もちろんさ』
「人間が何をやろうとも、我が変化の魔法の敵ではない!!」
「それはどうかしらね? っと」
モーシャスは、今度は私に拳で攻撃を仕掛けたので、シールドで対処する。
流石に威力は高いのでシールドが凹んでしまったが……。
「ぬぅっ、そ、その機体は……! まさか……!?」
「あら、急に余裕がなくなったわね?」
「馬鹿な! 何故動いている!? 何故その機体が動いている!? 何故、我が魔族の天敵が動いている!?」
アパタイトを間近に見たモーシャスが焦ったように拳を連打する。
私はシールドとバリアで対処はしているが、どうもモーシャスはこの機体を嫌っているようだ。
魔族の天敵と言ってたわね。
「何故って言ってもね、私はこれに呼ばれたのよ!」
「ぐわぁぁっ!!」
私はそう言って、ビームサーベルでモーシャスの片腕を斬り落とす。
そこで私はすぐに距離を取り、みんなと合流する。
『大丈夫か、ルキア』
「ええ、ビームサーベルを使ってごめんなさい」
『構わない。 相手は魔王軍だ。 だが……』
『ああ、奴は言ってましたね。 アパタイトに向かって魔族の天敵って』
『さっきのビームサーベルの攻撃であっさり片腕を斬り落とされたみたいだし、その話は本当みたいですね』
片腕を斬り落とされ、焦りを生じたモーシャスに私達は対峙する。
再生しないみたいだけど、どうなんだろうか?
「アルム、魔族って再生能力はあるの?」
『七大幹部クラスなら再生能力は所持している。 だが、それでも再生しないってことはさっきのビームサーベルで腕と共に再生能力も消え去ったみたいだな』
「そうなのね」
『だが、ルキアに負担はかけられない。 まだ変化能力はあるし、それを誘って欲しい』
『ああ、みんな、一斉攻撃だ』
『よーし、いきますよぉ!!』
アルムがそう指示して、みんなでモーシャスを一斉に攻撃する。
「甘いぞ! まだ変化の魔法は使えるのだ!!」
そう言ってモーシャスは自分の身体を霧状に変化させようとした瞬間に、私の目でも見える玉のような何かがあった。
『見えた! リュート中尉!!』
『よし、フリージングライフルだ!!』
「何!? しまった!! ぐわぁぁぁっ!!」
リーゼも何かが見えたようで、それに向けてリュート中尉がフリージングライフルで狙い撃つ。
その何かは当たった瞬間に凍結して、モーシャスも中途半端な変化のまま凍結した。
『さっきの玉が変化の魔法の媒体だったわけだ。 それで暫く変化の魔法は使えない』
「しかし、リュート中尉のフリージングライフル、威力高いですね」
『氷属性なら私達ロゼッタの民よりはリュート中尉の方が高いんです。 あの人、ファシナシオン内の最北端の辺境伯の息子ですから』
「ええっ!?」
『昔の話だよ。 これで奴に思う存分攻撃が出来るはず』
『ああ、再度一斉攻撃だ!!』
「了解!!」
そしてアルムの指示で再度モーシャスに一斉攻撃を仕掛ける。
中途半端に変化したまま凍結したモーシャスは成すすべもなく攻撃を受け続ける。
私のバルカンとライフル、アルムのデバイス攻撃とライフル、マイア王女のファイアボール連射、リュート中尉のライフルによる二丁拳銃攻撃と。
次々と来る波状攻撃にモーシャスの命もわずかとなる。
『さぁ、締めはボクがやろう! 【メイサックス】、アクスモード!』
そして、止めを刺すと言わんばかりのリーゼの機体、フォカロルは【メイサックス】という武器を持ってモーシャスに向かう。
どうやらあの武器、メインはメイスでモードチェンジで斧形態になれるみたいだ。
これもリーゼの【制作魔法】から生み出されたものだろうか。
「な、や、やめろ……!!」
『そうはいかないさ! そぉいっ!!』
「ぐわぁぁぁぁぁっ!!」
リーゼはモーシャスに肉薄すると斧を持ちながら回転攻撃を仕掛ける。
それはまるで竜巻となってモーシャスを打ち上げる。
ある程度の高さにまで打ち上げたのを見て、リーゼがブーストを吹かして飛び上がる。
『マキ割りストライクッ!!』
「ぐぼあぁぁぁぁっ!!」
そして、そのまま無防備となったモーシャスを斧形態の【メイサックス】で叩き割った。
その勢いのまま、地面にクレーターを作りつつ、モーシャスを粉々に粉砕したようだ。
『捨て台詞すら言わせないとは、リーゼ嬢も容赦ないな』
『大体、この手の奴らの捨て台詞は聞くに堪えませんから』
「ああ、なるほどねぇ」
『ジョージ中尉の方も何とか殲滅が終わったようだ。 一人は検証の為に回収するようだ』
『なら、そろそろこちらも撤退し……』
『北西から20の影が接近! 帝国軍です!!』
「ちょっ、こっちは魔王軍の七大幹部の戦いなどで疲弊してるのに」
魔王軍の七大幹部の一人を倒した所を狙ってきたのか、帝国軍が来る事をマイア王女から知らされた。
私達はともかく、他の人たちは辺境の部隊の人と戦ってたんだから疲弊しているはず。
まさか、そこを狙われた……!?
『フィールラスクスより各機へ! 主砲を最大出力で使う!! そのために時間を稼いでくれ!!』
「主砲!?」
『了解しました! みんな、もうひと踏ん張りだ! 主砲発射の時間を稼ぐぞ!!』
こうして、私達はそのまま連戦に突入した。
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