失恋した少年は、妹の友達に癒される

イズミント(エセフォルネウス)

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柚希ちゃんと下校時間(妹付き)

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「ふぁ~、眠たかった…」

 失恋から一夜明けた今日の授業が終わり、俺は一人で帰宅しようとしていた。
 和人は別件の用事があるので、すぐに帰ったのだとか。 まぁ、俺も和人も今は部活に入ってないしな。

 なお、朝はその和人から聞いたのかクラスメイトがこぞって俺に声を掛けて来た。 殆ど励ましの言葉だったが、一部の男子生徒が『女って怖ぇな』的な事を言っていた。
 多分、そいつらも別の形でそういう目に遭っていたのだと思いたいが…。

「あ、お兄ちゃん!」

「真人お兄ちゃん!」

 そう考えながら校門に着くと、そこには妹の静香とその友達で和人の妹である柚希ちゃんが待っていた。 柚希ちゃんの茶色のセミロングに後ろに付けられたブルーのリボンが可愛らしい。
 制服も公立のとある中学のセーラー服のようだ。 令嬢である柚希ちゃんもそうだが、和人も今俺がいる公立の高校なのだが、これは楠家のしたきりらしい。 庶民視点に立って色々考えようという事なのだろう。

「二人ともわざわざお迎えか?」

「うん、柚希ちゃんがどうしてもっていうからね」

「えへへ、真人お兄ちゃんと一緒に帰りたかったのです」

 静香が苦笑いしながら俺の質問に答えると、柚希ちゃんが横から俺にギュっと抱き着いてきた。 俺と一緒に帰りたかったそうだ。
 嬉しいんだけど、柚希ちゃんの柔らかい胸が当たってるんですけど。 ムニュっという感触が伝わって色々とドキドキする。
 それよりも周囲の男の視線が色々と不味いのですが…。 これは嫉妬の目ですね、間違いない。

「くぅぅっ、あの葉月中のアイドルの柚希ちゃんと一緒に帰れるだとぉ…!?」

「う、羨ましすぎる!!」

「リア充死すべし、慈悲はない!」

 嫉妬の目線が向けられているのも構わずに俺に頬ずりしてくる柚希ちゃん。 とにかくそろそろここから離れないと…。

「柚希ちゃん、そろそろここから離れようか。 視線もやばいし…」

「そうですね。 そろそろ帰るのです!」

 相変わらずの満面の笑顔。
 その笑顔が可愛いので思わずニヤニヤしてしまう。 そんな柚希ちゃんに腕を組まれながら家まで一緒に帰る。

「そういえば、お兄ちゃん。 今日はちゃんと授業受けれた?」

「ああ、和人が色々根回ししてくれたおかげで変に絡まれる事なく過ごせたよ」

「それはよかったのです。 兄様の行動力は若干呆れてるのですけど」

「あはは…」

 妹の静香が、無事に授業を受けれたのかを聞いてきたので、無事に受けれた事は伝える。 妹もそれに安堵し、柚希ちゃんも安心していたそうだが、どうも和人の行動力に若干呆れているようだった。
 その後も、他愛のないお話などで自然と会話が弾んでいき、気が付くと自分の家にたどり着いていた。

「いつの間にか着いちゃったな。 会話が楽しいとすぐだな」

「じゃあ今日も一緒に遊んでもいいですか?」

「いいよー。 お兄ちゃんもいいよね?」

「ああ、構わないよ。 一応、和人には連絡しておくぞ?」

「はいなのです! 真人お兄ちゃんとも遊べるのです!」

 昨日に続き、今日も柚希ちゃんを自分の家へと招くことにする。
 一応、その事を和人に連絡しておこう。
 
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