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第一部 ダンジョンマスター 前編

番外編! 『魔力極振りの迷宮探索』 没そのに!

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「さて、番外編!」

「作者」

「大山 たろうの! グダグダ! 未練たらたら『魔力極振り』振り返りコーナー! ぱちぱちぱち!」

「いぇーい」

「どうしたぜっちゃん、気分でも悪いか?」

「いや、どれだけ後悔があるのかと」

「そりゃあ山ほど。だって二年生編すっ飛ばしたんだぜ?」

「それもそうか、でもそれならやればよかったじゃない」

「処女作を完結するのに誰も見てくれないんじゃあ、悲しくないか?」

「まぁ、その選択自体に悔いはないと」

「そうだな。その代わり回収しなかった伏線が山ほど」

「例えば? って聞いたらいいの?」

「ありがとうぜっちゃん! 実はアルファイエティの後、ベータを出そうとしたんだが、尺の都合でカットしたんだ! そして百階層、試練の間を結構でかく書くつもりだったんだが、尺の都合でカットしたんだ! そして最後まで会長の名前考えてなかったんだ! の三本でお送りするぞ!」

「ほう、その......え、まって最後なんて」

「三本でお送り」

「その前」

「会長の名前を?」

「を?」

「考えてませんでした」

「なんてこったい」

「先に一つずつ。アルファイエティのステータスは主人公と同じ一極集中ステータスだったんだ。だからベータにカウンターを持ってきて、それでバランスを保っている、っていうことだったんだけど、ダメだった、出せない」

「それはわかった。カウンターは良くも悪く映えないし」

「そう。そして次。試練の間。これ結構でかい。実はあれ――――――いや、この内容は別で使うかもしれないから伏せるが、個人の心を問う試練だったんだ。けど実際は......」

「引っ張った結果このありさま? たろー」

「そうだよちきしょう! そして最後が......」

「それが一番大事、会長の名前」

「実は考えたけど個人的に微妙で、どこで言うか見てたら、もう言わなかった、はず」

「確かに、姉妹シーンは姉と妹、っていう対比でずっと書いてる」

「そう、そして主人公がいるところは常に会長、で呼んでたし、妹もお姉ちゃんだったろ? 確か」

「......」

「どうしたぜっちゃん」

「準ヒロインの名前くらい出して!」

「誠に申し訳ございません あ、姉と妹の主人公奪い合い、書けなかったなぁ......」

「今思い出して落ち込むの!?」

「もうどこで伏線張ったか覚えてないしな、そこから関連するところが芋づる式に出てくる」

「たろー、実はバカだった」

「はぁ、その通りでぐうの音が出ねぇ。そういや――――――」

「もういい、一回落ち着いてたろー」

「実は―――――」

「落ち着け!」

 ドゴォォオオン!!!

「やりすぎた」

 焦げ付いた地面と、ちりちりの髪をしたたろー少年が地面と抱擁を交わしているだけだった。
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