【BL】僕の恋人1

樺純

文字の大きさ
上 下
4 / 7

「キスorちゅう」

しおりを挟む
ヒュウサイド

食欲…ない…

水も飲みたくない…

キスなんて…

H「今は絶対むりだからーーーー!!泣」

僕がここ数日、ずっと拒み続けているキスを僕の恋人が強引に僕に跨り、両手首を掴んで無理矢理、キスをしてこようとする。

H「やだやだやだぁーーーーー!!ギンタ助けてーーーーーー!!」

足をジタバタさせて僕の恋人の家に遊びに来ていた友人のギンタに助けを求めると、僕の恋人はギンタに思いっきり頭をはたかれてた。

G「ヒュウに荒っぽい事したら俺が許さんって言ってんだろが!!」

ギンタの声が低い声になった時は大体、マジギレしたとき。

ちょっと大袈裟に嫌がりすぎちゃったかな~なんて思いながら、ギンタにキレられている僕の可愛い恋人を見つめると、恋人は仕方なさそうな顔をしてゆっくり僕から降りた。

N「てかそもそもさ~俺達の目の前でヒュウを押し倒すとかホント…バカなの?」

ナエスズは僕の恋人を罵りながら優雅にコーヒーを飲んでいる。

G「まぁ、エニシの場合…年中、ヒュウに盛ってるからしょうがないけどさ。」

E「そんなんじゃないし!!ヒュウが…ヒュウが…ここ数日、全然…キスさせてくれないから…」

僕の恋人はでっかい身体して、そんな恥ずかしい事をよくも平気で言えたもんだと内心僕は少し呆れる。

僕にも僕の事情があるって言うのに…僕の恋人はそんな事お構いなし。

キスや営みを断ろうモノなら僕の恋人は狂ったみたいに僕にストーカー行為をしてくるのは…どうにかならないものなのか?

H「僕にも僕の都合があるの!!」

E「僕のこと嫌いになったんだ…」

H「そうじゃないって…」

E「俺の事なんて嫌いになってセイタさんの事が好きになったんだ…」


最近、モデルの先輩であるセイタさんと仕事が重なったことがきっかけで数回、ご飯を食べに行っただけで僕の恋人はこれだからホントにもう…可愛い。


H「そんなわけないじゃん…」

E「だってセイタさんとお揃いのブレスレットだってしてるし…僕とお揃いのは一つもないのに…セイタさんが好きなんだ…」

H「あれはお揃いじゃなくて偶然同じだっただけだし。」

E「僕はただ…ヒュウとキス…したいだけなのに…」

あのでかい身体をプルプルさせて泣き始めた僕の恋人にさすがのナエスズとギンタも目が点だ。

H「だから…ディープキスじゃなかったらいいよって言ってんのにエニシが無理矢理ディープキスしてくるから…」

E「なんで恋人同士なのにディープキスしちゃダメなんだよ!!したっていいじゃんか!!ぶぇ~ん!!泣」

G「ヒュウ…もう正直に言えば?」

少し離れて座るギンタは泣いている僕の恋人を呆れたような目で見て言った。

T「ダメダメ!そんなこと言ったらハンバーガーばっかり隠れて食べてることバレちゃうじゃんか!(小声)」

僕は恋人に聞こえないようにギンタの元に行ってそう訴えかける。

G「正直に言わないとエニシのあの調子だとヒュウの為に別れるとか言いかねないよ?その方が面倒だし。」

ギンタは相当イライラしているのか首をボキボキと鳴らしながらそう言った。

H「だって…」

E「何2人でコソコソやってんですか!!え…ヒュウ…もしかして…セイタさんじゃなくて…ギンタのことが好きなの…?だ…だから僕とのキスをこば…」

H「んなわけないだろ!!ギンタにはナエスズがいるだろ!ただ、口内炎が4つも出来てるからだよーーー!!一緒にダイエットしようねって約束したエニシに隠れてハンバーガーばっかり食べてたら口内炎が4つも出来たの!!!!なのにあんな激しいキスされたら痛くて白目剥いて失神しちゃうから当分はディープキス禁止でーーーすっ!!痛いのきらーい!!以上!!」


僕は叫びながらそう言うと僕の恋人は呆然と立ち尽くしてる。

H「…聞こえた?」

E「き…聞こえた…じゃ、ヒュウは僕のこと嫌いになったからキスを拒んだ訳じゃない?」

H「エニシのこと嫌いになんてなれないよ。」

E「僕の事…好き?」

H「好きに決まってんじゃん…一緒にダイエットしようって言ってたのに約束破ってごめんね…」

E「ヒュウ…よかった…ハンバーガーばっかり食べてる事、気付いてるに決まってんじゃん…大きな撮影があるのに徐々にお腹ぽよぽよなんだもん…気づかない方がやばい…もうやめてよ…心臓に悪いじゃん…泣」

H「バレてたか。もう、泣かないで?ごめんね?だから、口内炎治ったら…いっーーーぱいキスしようね。」

E「ヒュ~ウ!!する!!いっぱいキスする!ヒュウの唇が腫れてタラコみたいになるまでキスする!!」

僕の恋人は僕を抱きしめて小さなリビングの真ん中でクルクルと回る。

E「あ!でも、今も可愛いチュウならしてもいいんだよね?」

H「うん。それなら痛くないから大丈夫!!」

そう言うと僕の恋人はニヤッと笑って僕の唇にチュチュチュウ~チュウと何度も何度も繰り返す。

E「ヒュウの唇ぷにぷにして気持ちいいから大好き。」

H「唇だけ好きとか嬉しくない。」

E「本当はぜーんぶ好き!!」

H「えへへ~知ってる!!」

僕たちはおデコとおデコをこっつんこしてイチャイチャしていると…

N「いい加減にしないと…」

G「バカップルかよ。」

ギンタとナエスズのイラついた声により僕たちは我にかえり、飲み物を取りに行くふりしてキッチンでチュチュと可愛いチュウをしたのは僕とエニシだけの…ひみちゅ。


おわり

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

その関係はこれからのもの

雨水林檎
BL
年下わんこ系教師×三十代バツイチ教師のBL小説。 仕事中毒の体調不良、そんな姿を見たら感情があふれてしまってしょうがない。 ※体調不良描写があります。

好きなあいつの嫉妬がすごい

カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。 ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。 教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。 「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」 ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

【完結】遍く、歪んだ花たちに。

古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。 和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。 「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」 No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。

熱中症

こじらせた処女
BL
会社で熱中症になってしまった木野瀬 遼(きのせ りょう)(26)は、同居人で恋人でもある八瀬希一(やせ きいち)(29)に迎えに来てもらおうと電話するが…?

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 全8話。1日1話更新(20時)。 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。

王子様と魔法は取り扱いが難しい

南方まいこ
BL
とある舞踏会に出席したレジェ、そこで幼馴染に出会い、挨拶を交わしたのが運の尽き、おかしな魔道具が陳列する室内へと潜入し、うっかり触れた魔具の魔法が発動してしまう。 特殊な魔法がかかったレジェは、みるみるうちに体が縮み、十歳前後の身体になってしまい、元に戻る方法を探し始めるが、ちょっとした誤解から、幼馴染の行動がおかしな方向へ、更には過保護な執事も加わり、色々と面倒なことに――。 ※濃縮版

処理中です...