7 / 45
7話
しおりを挟む
タカラside
あんな事…
そう、みんなが笑いながら言うあんな事が起きたのは約5年前の出来事だった。
それはキイチが俺の家に居候し始めて2週間が過ぎた頃の出来事だった。
キイチは深夜、ノイルくんの店で働く仲間たちと飲みに行き、酔っ払って帰ってきた。
フラフラで千鳥足のキイチは半分眠りに落ちている俺を見るなり、物凄い鼻息でそのまま俺の上に乗っかり組み敷いた。
驚いた俺はキイチを殴ったり蹴ったりしたがあの力に敵うことはなく、アルコールの匂いが漂うキイチに俺は無理矢理、唇を奪われたのだ。
その口付けというのが決して可愛い口付けではなく…
それはもう気まずくなるほど濃厚で…
口角から互いの唾液が伝うほどキイチは夢中で俺の舌に自分の舌を絡めて呼吸を荒げていた。
男同士だというのにそんなキイチの姿を見て俺の身体までもがドクドクと脈を打ち、過去の辛い出来事により蓋をしたはずのキイチへの想いがまた、鮮明に蘇り泣きそうになった。
キイチの熱い舌が俺の口内を犯し、卑猥な音とヤラシイ息遣いだけが響く中、もう頭がおかしくなりそうだと思った瞬間…
キイチの体の力が抜け俺に全体重がかかり俺は窒息死しそうになった。
なんとかの思いでキイチを横に退かせるとキイチは口をポカーンと開け、スヤスヤと寝息を立てていて、俺は思わずその間抜けな寝顔に腹が立ちあの高い鼻を摘み…
火照る自分の身体を撫でながら涙を流した。
次の日の朝
俺は二日酔いで頭を抱えて苦しむキイチに前日の夜のことをそれとなく聞いてみたものの…
あいつは何一つ覚えてなかった。
だからその程度のこと。
ただ、酔っ払って俺の顔を見るとキイチの頭の中にあるアイツの面影が見え隠れし、アルコールで身体が疼いたから目の前にいた俺にキスしてきただけのこと。
しかし、キイチはその日を境に記憶がなくなるほど泥酔して帰ってくると毎回、俺にキスをしギリギリのラインまで襲うようになり…
この5年間で俺はキイチが酔っ払い記憶をなくしているときに、何度、キイチとキスをしたのかと思うと深いため息しかでなかった。
さすがにこのモヤモヤが募り、諦めたはずの自分の気持ちが爆発してしまいそうになった俺はつい最近、幼なじみ達にキイチによるこの連続キス魔事件を相談した。
そして全員、俺の想像していた反応とは真逆の反応をしたんだ。
H「でもさ?逆によく今までキイチも我慢してたよね。」
ヒノハちゃんはそんな事を言いながらミズキを見て同意を求める。
M「ホントホント。そもそもひとつ屋根の下で暮らしてるってね?もう、いつでもヤッてくださいってキイチに言ってるのと同じだよね?」
ミズキはそう言って俺の肩を叩いた。
L「幼なじみ7人の中でキイチの気持ちに気付いてなかったのはタカラ、1人だよね。」
リヒトくんはそう言って苦笑いし、ノイルくんとユウリちゃんは黙ったまま俺の話を聞いていた。
つづく
あんな事…
そう、みんなが笑いながら言うあんな事が起きたのは約5年前の出来事だった。
それはキイチが俺の家に居候し始めて2週間が過ぎた頃の出来事だった。
キイチは深夜、ノイルくんの店で働く仲間たちと飲みに行き、酔っ払って帰ってきた。
フラフラで千鳥足のキイチは半分眠りに落ちている俺を見るなり、物凄い鼻息でそのまま俺の上に乗っかり組み敷いた。
驚いた俺はキイチを殴ったり蹴ったりしたがあの力に敵うことはなく、アルコールの匂いが漂うキイチに俺は無理矢理、唇を奪われたのだ。
その口付けというのが決して可愛い口付けではなく…
それはもう気まずくなるほど濃厚で…
口角から互いの唾液が伝うほどキイチは夢中で俺の舌に自分の舌を絡めて呼吸を荒げていた。
男同士だというのにそんなキイチの姿を見て俺の身体までもがドクドクと脈を打ち、過去の辛い出来事により蓋をしたはずのキイチへの想いがまた、鮮明に蘇り泣きそうになった。
キイチの熱い舌が俺の口内を犯し、卑猥な音とヤラシイ息遣いだけが響く中、もう頭がおかしくなりそうだと思った瞬間…
キイチの体の力が抜け俺に全体重がかかり俺は窒息死しそうになった。
なんとかの思いでキイチを横に退かせるとキイチは口をポカーンと開け、スヤスヤと寝息を立てていて、俺は思わずその間抜けな寝顔に腹が立ちあの高い鼻を摘み…
火照る自分の身体を撫でながら涙を流した。
次の日の朝
俺は二日酔いで頭を抱えて苦しむキイチに前日の夜のことをそれとなく聞いてみたものの…
あいつは何一つ覚えてなかった。
だからその程度のこと。
ただ、酔っ払って俺の顔を見るとキイチの頭の中にあるアイツの面影が見え隠れし、アルコールで身体が疼いたから目の前にいた俺にキスしてきただけのこと。
しかし、キイチはその日を境に記憶がなくなるほど泥酔して帰ってくると毎回、俺にキスをしギリギリのラインまで襲うようになり…
この5年間で俺はキイチが酔っ払い記憶をなくしているときに、何度、キイチとキスをしたのかと思うと深いため息しかでなかった。
さすがにこのモヤモヤが募り、諦めたはずの自分の気持ちが爆発してしまいそうになった俺はつい最近、幼なじみ達にキイチによるこの連続キス魔事件を相談した。
そして全員、俺の想像していた反応とは真逆の反応をしたんだ。
H「でもさ?逆によく今までキイチも我慢してたよね。」
ヒノハちゃんはそんな事を言いながらミズキを見て同意を求める。
M「ホントホント。そもそもひとつ屋根の下で暮らしてるってね?もう、いつでもヤッてくださいってキイチに言ってるのと同じだよね?」
ミズキはそう言って俺の肩を叩いた。
L「幼なじみ7人の中でキイチの気持ちに気付いてなかったのはタカラ、1人だよね。」
リヒトくんはそう言って苦笑いし、ノイルくんとユウリちゃんは黙ったまま俺の話を聞いていた。
つづく
1
あなたにおすすめの小説
キミと2回目の恋をしよう
なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。
彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。
彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。
「どこかに旅行だったの?」
傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。
彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。
彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが…
彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?
僕のために、忘れていて
ことわ子
BL
男子高校生のリュージは事故に遭い、最近の記憶を無くしてしまった。しかし、無くしたのは最近の記憶で家族や友人のことは覚えており、別段困ることは無いと思っていた。ある一点、全く記憶にない人物、黒咲アキが自分の恋人だと訪ねてくるまでは────
記憶喪失のふりをしたら後輩が恋人を名乗り出た
キトー
BL
【BLです】
「俺と秋さんは恋人同士です!」「そうなの!?」
無気力でめんどくさがり屋な大学生、露田秋は交通事故に遭い一時的に記憶喪失になったがすぐに記憶を取り戻す。
そんな最中、大学の後輩である天杉夏から見舞いに来ると連絡があり、秋はほんの悪戯心で夏に記憶喪失のふりを続けたら、突然夏が手を握り「俺と秋さんは恋人同士です」と言ってきた。
もちろんそんな事実は無く、何の冗談だと啞然としている間にあれよあれよと話が進められてしまう。
記憶喪失が嘘だと明かすタイミングを逃してしまった秋は、流れ流され夏と同棲まで始めてしまうが案外夏との恋人生活は居心地が良い。
一方では、夏も秋を騙している罪悪感を抱えて悩むものの、一度手に入れた大切な人を手放す気はなくてあの手この手で秋を甘やかす。
あまり深く考えずにまぁ良いかと騙され続ける受けと、騙している事に罪悪感を持ちながらも必死に受けを繋ぎ止めようとする攻めのコメディ寄りの話です。
【主人公にだけ甘い後輩✕無気力な流され大学生】
反応いただけるととても喜びます!誤字報告もありがたいです。
ノベルアップ+、小説家になろうにも掲載中。
【完結】言えない言葉
未希かずは(Miki)
BL
双子の弟・水瀬碧依は、明るい兄・翼と比べられ、自信がない引っ込み思案な大学生。
同じゼミの気さくで眩しい如月大和に密かに恋するが、話しかける勇気はない。
ある日、碧依は兄になりすまし、本屋のバイトで大和に近づく大胆な計画を立てる。
兄の笑顔で大和と心を通わせる碧依だが、嘘の自分に葛藤し……。
すれ違いを経て本当の想いを伝える、切なく甘い青春BLストーリー。
第1回青春BLカップ参加作品です。
1章 「出会い」が長くなってしまったので、前後編に分けました。
2章、3章も長くなってしまって、分けました。碧依の恋心を丁寧に書き直しました。(2025/9/2 18:40)
楽な片恋
藍川 東
BL
蓮見早良(はすみ さわら)は恋をしていた。
ひとつ下の幼馴染、片桐優一朗(かたぎり ゆういちろう)に。
それは一方的で、実ることを望んでいないがゆえに、『楽な片恋』のはずだった……
早良と優一朗は、母親同士が親友ということもあり、幼馴染として育った。
ひとつ年上ということは、高校生までならばアドバンテージになる。
平々凡々な自分でも、年上の幼馴染、ということですべてに優秀な優一朗に対して兄貴ぶった優しさで接することができる。
高校三年生になった早良は、今年が最後になる『年上の幼馴染』としての立ち位置をかみしめて、その後は手の届かない存在になるであろう優一朗を、遠くから片恋していくつもりだった。
優一朗のひとことさえなければ…………
勇者様への片思いを拗らせていた僕は勇者様から溺愛される
八朔バニラ
BL
蓮とリアムは共に孤児院育ちの幼馴染。
蓮とリアムは切磋琢磨しながら成長し、リアムは村の勇者として祭り上げられた。
リアムは勇者として村に入ってくる魔物退治をしていたが、だんだんと疲れが見えてきた。
ある日、蓮は何者かに誘拐されてしまい……
スパダリ勇者×ツンデレ陰陽師(忘却の術熟練者)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる