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Story 2
フィナーレ
しおりを挟むフィナーレを締めくくるのは、
一体誰なのか───。
「もうすぐお開きの時間かしら?」
私たちはテラスへと移動していた。
テラスの広くて大きな窓から会場を見渡しながらマーガレットはどこかつまらなそうにしている。
「お開きが嫌なの?」
「だって、このためにドレスを新調して髪型とか体のコンディションだって整えたのに、2時間ちょっとでお開きよ?割に合わないわ」
テラスの柵にもたれて頬杖をつきながらそっと息を吐いたマーガレットの話を聞いて私は確かにと思ったのと同時に、彼女がそういうことを考えていたことに驚きだった。そして、そんな不貞腐れてるマーガレットが少し可愛く見えた。
「またすぐあるわよ」
「まぁね、なんてったって今は社交シーズンですものね」
「そうね、はぁ。こんな調子で婚約者は見つけられるかしら?」
この社交シーズンの間に何とか婚約者を見つけて婚約し、殿下を忘れたいという欲望もあれば、変な年配の貴族に貰われていくのも嫌だという昔からの自分の気持も色々と交差していた。
きっと私は焦っているのだ。
今日は結局お兄様と殿下とジル兄様とレーベン様と踊ったっきり。殿方の誘いもなければこちらから誘うこともない。
何だかみんな私を見ているような見ていないのか、これでは婚約者探しができない。
「少なくともこの夜会では無理ね。」
「やっぱり?はあああ。どうしよう。」
「まあ、まだチャンスは沢山あるから」
マーガレットの言葉にまた頷いてまたホールを見るとなぜかホールが賑わっていた。
何事かと一瞬マーガレットと目を合わせてまたホールに視線を移す。
よく見てみるとホール中央で何か行われているみたいだ。踊っている男女?誰?
マーガレットが私の左腕を勢いよく掴んだ。
「見てあれ」
彼女は私の左腕をガシリと掴んだまま反対の手でボールを指差す。よく見てと私と同じ背丈のマーガレットは私と同じ目線で言った。
私は彼女の言う通り、指さされた方をじっと見た。すると見慣れた栗毛の綺麗な髪の毛と、漆黒の妖艶な髪の毛が至近距離で曲に合わせてダンスしているのが見えた。
セレスとロバート様。
困惑──いや、そんなことも考える余裕も、この感情にどう名前をつけていいかもわからない。なにが起こってるのかわからないのだ。
「レティ!ちょっと!しっかりして!」
「え、あ、うん、そうね」
目の前にマーガレットの顔が現れて私の意識を逸らしてくれるが、もうなにもわからないしなにも見たくない私は生返事で返す。
「ちょっと、なにが起きてるか、わからないわ」
何だか頭も痛くなってくるしグラグラする。
このまま帰ってしまおうか。いや、それは流石に公爵令嬢として情けない気がする。でもこのままこの雰囲気の会場にいられるはずがない。
2人のダンスを見ている人たちは口々に"お似合い"だとか"ステキ"などと言っている。
その中で私が彼を奪えるはずもない。
そして私を1番困惑させたのは、なぜセレスなのか。どうしてセレスにこんな感情を抱いてしまっているのか。
実の妹にこんな感情を抱きたくないし、抱いてはいけないと心の中でずっと思っていた。自制をかけていた。でも思ってしまった。
どうしてあの子が?
「レティ、帰りましょう。もう今日は十分頑張ったわ」
「でも…」
精神的に限界だった私は、その場で意識を失ったのか、目覚めた時には見知らぬベッドに寝かされていた。
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