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明日からの休みのお知らせを診療所とパン屋の分を作ったり、薬が必要な患者さんに数日分届けたりして1日はあっという間に過ぎていく。
翌朝、2人の乗る乗り合い馬車を見送りに一緒に駅まで出かけることにした。
「エリー。2、3日で帰ってくるから留守番よろしくね。」
「母さん、父さんと楽しんで来てね。」
2人を見送り、そのまま元来た道を歩いて帰る。
パン屋が休みだと自分の食事も考えないといけないなと考えてながら歩いていると角を曲がって歩いて来た人にぶつかってしまった。
「ごめんなさい。ぼーっとしていて。」
ぶつかったまま抱きとめてくれたのは、私より頭ひとつ分背の高い身なりの良い青年だった。この辺りでは珍しい黒い髪と瞳をしている。
「こちらこそ。ところでこの辺にケインという医師がいると聞いて訪ねて来たんだが、知らないか?」
どうやら父さんを探しているようだが、父さんはいないし近所の人たちを診るくらいの医師なので、こんなお金持ちらしいひとが診察に来るとは思えないので少し警戒する。
「ケイン診療所は、今日からお休みですよ。診察なら隣街に大きな病院がありますよ。」
「いや、ケインさんに会いに来たんだ。休みって?」
「診療所の入口に、しばらく留守にするので休みますと貼り紙がしてありますから。」
「そうか。タイミングが悪かったのか、まさか私が来るとわかった…そんなわけないか。」
なにやらひとりでぶつぶつ言っているので、放って歩きだすとついてくる。
「あと診療所の場所を教えてくれないか。」
仕方がないので案内することになり、何となく雑談ついでに聞いてみた。
「ところであなたは、ホーリーウッド王国の人にしては珍しい髪色をしてますね。」
「私は隣国、フェルティ王国から来たからね。私のことはクリスと呼んでくれ。」
「フェルティだと西隣だからまるっきり反対方向じゃないですか⁈」
「どうしてもケインさんに確認したいことがあるんだ。」
医師ではなく、ケインに会いに来たという男、しかもわざわざ国の反対側の端まで訪ねてくる用事って何だろう?
「君も珍しい髪色だよね?銀髪って。」
「幼い頃、病気で。」
「ごめん。」
「いえ、今は健康ですから。」
父さんの茶色でも母さんの金髪でもない銀色の髪に理由を聞いたことがある。私は母さんと同じ金髪だったが、幼い頃高熱を出して死にかけた時、熱が下がったら色が落ち白髪に近い銀色になってしまったそうだ。その時に記憶もなくしたそうなので、よほどひどい病気だったのだろう。
診療所を案内してクリスと別れ、そのまま裏のパン屋に入ろうとしたら、クリスに声を掛けられた。
「君はそこのパン屋なんだね、またケインに会いに来た時に寄らせてもらうよ。」
「その時は、たくさんお願いします。」
翌朝、2人の乗る乗り合い馬車を見送りに一緒に駅まで出かけることにした。
「エリー。2、3日で帰ってくるから留守番よろしくね。」
「母さん、父さんと楽しんで来てね。」
2人を見送り、そのまま元来た道を歩いて帰る。
パン屋が休みだと自分の食事も考えないといけないなと考えてながら歩いていると角を曲がって歩いて来た人にぶつかってしまった。
「ごめんなさい。ぼーっとしていて。」
ぶつかったまま抱きとめてくれたのは、私より頭ひとつ分背の高い身なりの良い青年だった。この辺りでは珍しい黒い髪と瞳をしている。
「こちらこそ。ところでこの辺にケインという医師がいると聞いて訪ねて来たんだが、知らないか?」
どうやら父さんを探しているようだが、父さんはいないし近所の人たちを診るくらいの医師なので、こんなお金持ちらしいひとが診察に来るとは思えないので少し警戒する。
「ケイン診療所は、今日からお休みですよ。診察なら隣街に大きな病院がありますよ。」
「いや、ケインさんに会いに来たんだ。休みって?」
「診療所の入口に、しばらく留守にするので休みますと貼り紙がしてありますから。」
「そうか。タイミングが悪かったのか、まさか私が来るとわかった…そんなわけないか。」
なにやらひとりでぶつぶつ言っているので、放って歩きだすとついてくる。
「あと診療所の場所を教えてくれないか。」
仕方がないので案内することになり、何となく雑談ついでに聞いてみた。
「ところであなたは、ホーリーウッド王国の人にしては珍しい髪色をしてますね。」
「私は隣国、フェルティ王国から来たからね。私のことはクリスと呼んでくれ。」
「フェルティだと西隣だからまるっきり反対方向じゃないですか⁈」
「どうしてもケインさんに確認したいことがあるんだ。」
医師ではなく、ケインに会いに来たという男、しかもわざわざ国の反対側の端まで訪ねてくる用事って何だろう?
「君も珍しい髪色だよね?銀髪って。」
「幼い頃、病気で。」
「ごめん。」
「いえ、今は健康ですから。」
父さんの茶色でも母さんの金髪でもない銀色の髪に理由を聞いたことがある。私は母さんと同じ金髪だったが、幼い頃高熱を出して死にかけた時、熱が下がったら色が落ち白髪に近い銀色になってしまったそうだ。その時に記憶もなくしたそうなので、よほどひどい病気だったのだろう。
診療所を案内してクリスと別れ、そのまま裏のパン屋に入ろうとしたら、クリスに声を掛けられた。
「君はそこのパン屋なんだね、またケインに会いに来た時に寄らせてもらうよ。」
「その時は、たくさんお願いします。」
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