47 / 387
3
7
しおりを挟む
感情を昂らせながら、ラズが言った。
「だってようやく、ずっと心で描いていた私の夢が、叶おうとしているんだもの」
これで、なんのわだかまりもなしに、ずっと行きたかった、冒険に行ける。
なんでも見られる。どんな人にも会える。たくさん経験できる。
ラズは喜びが爆発して、
「うれしい! 私、やっと冒険に行けるんだわ!」と、声高らかに、そう言った。
リドはそんなラズを見て、満足した顔で、その場に座っていた。
「じゃがな、あの、小さな頃から可愛がっていたラズが、この村から出て行くとなると、本当に、寂しくなるのう……」
ヨールおじいちゃんはうつむき、すっかり、肩を落としていた。
そんなヨールおじいちゃんを見たラズは、とっさに、
「心配しないで、ヨールおじいちゃん」と言った。
「私、また一年後に、この村に帰ってくるわ。それだけじゃなくて、毎年、顔を見せに来るわよ」
ラズの言葉を聞いたヨールおじいちゃんは、パッと顔を上げて、
「なに? 本当か? それは、うれしいことじゃのう」と、元気を取り戻しながら言った。
「なら喜んで、お前を送り出してやれるというものじゃわい」
「そうと決まったら、明日には冒険に出た方がいいと思うぜ。善は急げだ」
自分とは関係ないにもかかわらず、リドはおせっかいにも、ラズにそう言って、急かしてきた。
この時ラズは、冒険に行けることが嬉しくてたまらず、
「ええ。本当に、私、胸がワクワクしてきたわ!」と、相変わらず、喜びをあらわにしていた。
「オイラも、なんか楽しくなってきた!」
ネルーピーが、ラズにつられて、そう言った。
「でも私、自分の船を持っていないわ。だから、船を造ってから、冒険に出ないといけない」
突如、重要なことを思い出し、冷静になりながら、ラズが言った。
「それなら、俺の船に乗ればいい。俺の船に乗って、一緒に冒険に出よう」
気軽にリドが、ラズを誘った。
「だってようやく、ずっと心で描いていた私の夢が、叶おうとしているんだもの」
これで、なんのわだかまりもなしに、ずっと行きたかった、冒険に行ける。
なんでも見られる。どんな人にも会える。たくさん経験できる。
ラズは喜びが爆発して、
「うれしい! 私、やっと冒険に行けるんだわ!」と、声高らかに、そう言った。
リドはそんなラズを見て、満足した顔で、その場に座っていた。
「じゃがな、あの、小さな頃から可愛がっていたラズが、この村から出て行くとなると、本当に、寂しくなるのう……」
ヨールおじいちゃんはうつむき、すっかり、肩を落としていた。
そんなヨールおじいちゃんを見たラズは、とっさに、
「心配しないで、ヨールおじいちゃん」と言った。
「私、また一年後に、この村に帰ってくるわ。それだけじゃなくて、毎年、顔を見せに来るわよ」
ラズの言葉を聞いたヨールおじいちゃんは、パッと顔を上げて、
「なに? 本当か? それは、うれしいことじゃのう」と、元気を取り戻しながら言った。
「なら喜んで、お前を送り出してやれるというものじゃわい」
「そうと決まったら、明日には冒険に出た方がいいと思うぜ。善は急げだ」
自分とは関係ないにもかかわらず、リドはおせっかいにも、ラズにそう言って、急かしてきた。
この時ラズは、冒険に行けることが嬉しくてたまらず、
「ええ。本当に、私、胸がワクワクしてきたわ!」と、相変わらず、喜びをあらわにしていた。
「オイラも、なんか楽しくなってきた!」
ネルーピーが、ラズにつられて、そう言った。
「でも私、自分の船を持っていないわ。だから、船を造ってから、冒険に出ないといけない」
突如、重要なことを思い出し、冷静になりながら、ラズが言った。
「それなら、俺の船に乗ればいい。俺の船に乗って、一緒に冒険に出よう」
気軽にリドが、ラズを誘った。
0
あなたにおすすめの小説
精霊の国に嫁いだら夫は泥でできた人形でした。
ひぽたま
児童書・童話
琥珀は虹の国の王女。
魔法使いの国の王太子、ディランに嫁ぐ船上、おいしそうな苺を一粒食べたとたんに両手をクマに変えられてしまった!
魔法使いの国の掟では、呪われた姫は王太子の妃になれないという。
呪いを解くために、十年間の牛の世話を命じられて――……!
(「苺を食べただけなのに」改題しました)
見える私と聞こえる転校生
柚木ゆず
児童書・童話
「この中に、幽霊が見える人はいませんか?」
幽霊が見える中学1年生の少女・市川真鈴のクラスに転校生としてやって来た、水前寺良平。彼のそんな一言が切っ掛けとなり、真鈴は良平と共に人助けならぬ幽霊助けをすることになるのでした――。
先祖返りの姫王子
春紫苑
児童書・童話
小国フェルドナレンに王族として生まれたトニトルスとミコーは、双子の兄妹であり、人と獣人の混血種族。
人で生まれたトニトルスは、先祖返りのため狼で生まれた妹のミコーをとても愛し、可愛がっていた。
平和に暮らしていたある日、国王夫妻が不慮の事故により他界。
トニトルスは王位を継承する準備に追われていたのだけれど、馬車での移動中に襲撃を受け――。
決死の逃亡劇は、二人を離れ離れにしてしまった。
命からがら逃げ延びた兄王子と、王宮に残され、兄の替え玉にされた妹姫が、互いのために必死で挑む国の奪還物語。
未来スコープ・コンセプト絵本 ―みらいのたまごとカメのトト―
米田悠由
絵本
「ちゃんと ふつうに しなさい!」
──どうして ぼくは みんなみたいに できないんだろう……
森の奥で、のんびり屋のカメ・トトは「みらいのたまご」を見つけます。
そのたまごには、見えた未来 がほんとうになる不思議な力がありました。
トトは、たまごに映る立派な姿を なりたい自分 だと信じて、努力を始めます。
でも、仲間たちとの出会いを通して、少しずつ問いが生まれます。
──それは、ほんとうにぼくが望む未来なのかな?
やがて、たまごは失われ、未来も見えなくなります。
けれどその喪失の中で、トトは気づきます。
「未来は、見えるものじゃなくて、歩きながらつくっていくもの」
誰かに決められた 普通 ではなく、自分のペースで、自分らしく生きることを選んだトト。
違いを抱えた仲間たちとの出会いが、トトの心をほどき、再び歩き出す力をくれました。
挫折と再生、多様性と希望を描いた、すべての 選び直したい人 にそっと寄り添う絵本です。
少年イシュタと夜空の少女 ~死なずの村 エリュシラーナ~
朔雲みう (さくもみう)
児童書・童話
イシュタは病の妹のため、誰も死なない村・エリュシラーナへと旅立つ。そして、夜空のような美しい少女・フェルルと出会い……
「昔話をしてあげるわ――」
フェルルの口から語られる、村に隠された秘密とは……?
☆…☆…☆
※ 大人でも楽しめる児童文学として書きました。明確な記述は避けておりますので、大人になって読み返してみると、また違った風に感じられる……そんな物語かもしれません……♪
※ イラストは、親友の朝美智晴さまに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる