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おまけ
龍神様と可能性(おまけその弐)
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龍神様の嫁として半ば強制的に龍神様の住処で暮らさせられて早数週間が経ちました。この数週間の内に今の暮らしにも龍神様の口説きにも慣れてきた龍平は、なぜかご機嫌に龍平のご飯をよそっている龍神様にふと疑問に思っていたことを聞くことにしたのでした。
「そういえば龍神様、すこし気になったことがあるのですが。」
「なんだぁ、愛する嫁の質問ならば嘘偽りなく答えようぞ。」
「愛する嫁って言うのやめて下さい。初めて会った時のことなのですが」
「私が龍平に一目ぼれしたときの話だなぁ。」
「違います。龍神様、俺が退治しに来たと言った時『お前じゃ私は退治出来んなぁ』と言われたじゃないですか。あれはなぜなのですか?」
「むぅ?簡単な話、お前は弱い。村の中では一番の腕っぷしだったようだが、所詮人間だぁ。神の力には勝てぬよぉ。例えば、いくら筋肉があっても雷に直に打たれれば防ぎようがないだろう、そういうことだぁ。」
「なるほど、やはり俺が龍神退治など無謀だったということなのですね。」
「まあ、力比べでも私が負けることは無いがなぁ。しようと思えばすぐにでもお前を押し倒すことも造作もない。」
「いつまでもしようと思わないでいて下さい。でもそうか、力比べでも俺が勝つことはなかったのか...。」
「なんだぁ、色を失っているようだなぁ。だが龍平はこの私に愛されておるのだぞ、これ以上に強いことはない。逆に言えばあの時私が龍平に一目ぼれしなければ一瞬で森の動物の餌になっておったがなぁ。くははは!」
「笑えないです...。それと龍神様、さすがに今は退治するつもりなど無いですが、俺は龍神様の嫁になったつもりもありませんよ。」
「なんとつれないのぉ、龍平よ。だが私は諦めんからな、いつか龍平に『龍神様、俺をあなた様の女にしてください...!』と言わせてやるぞぉ。」
「絶対に言いません!」
こうして力でも龍神様にはかなわないと知ってしまった龍平は、またいつも通りの龍神様世の生活を過ごすのでした。
「そういえば龍神様、すこし気になったことがあるのですが。」
「なんだぁ、愛する嫁の質問ならば嘘偽りなく答えようぞ。」
「愛する嫁って言うのやめて下さい。初めて会った時のことなのですが」
「私が龍平に一目ぼれしたときの話だなぁ。」
「違います。龍神様、俺が退治しに来たと言った時『お前じゃ私は退治出来んなぁ』と言われたじゃないですか。あれはなぜなのですか?」
「むぅ?簡単な話、お前は弱い。村の中では一番の腕っぷしだったようだが、所詮人間だぁ。神の力には勝てぬよぉ。例えば、いくら筋肉があっても雷に直に打たれれば防ぎようがないだろう、そういうことだぁ。」
「なるほど、やはり俺が龍神退治など無謀だったということなのですね。」
「まあ、力比べでも私が負けることは無いがなぁ。しようと思えばすぐにでもお前を押し倒すことも造作もない。」
「いつまでもしようと思わないでいて下さい。でもそうか、力比べでも俺が勝つことはなかったのか...。」
「なんだぁ、色を失っているようだなぁ。だが龍平はこの私に愛されておるのだぞ、これ以上に強いことはない。逆に言えばあの時私が龍平に一目ぼれしなければ一瞬で森の動物の餌になっておったがなぁ。くははは!」
「笑えないです...。それと龍神様、さすがに今は退治するつもりなど無いですが、俺は龍神様の嫁になったつもりもありませんよ。」
「なんとつれないのぉ、龍平よ。だが私は諦めんからな、いつか龍平に『龍神様、俺をあなた様の女にしてください...!』と言わせてやるぞぉ。」
「絶対に言いません!」
こうして力でも龍神様にはかなわないと知ってしまった龍平は、またいつも通りの龍神様世の生活を過ごすのでした。
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