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その後も定期的にイベントは現れた。一人一回、数ヶ月に一回ずつ。流石に放っておくのも寝覚めが悪いし、特に弟は私の命に代えても守ってあげたい人ナンバーワンだから必死で折った。粉々にした。弟のときは他の人よりエフェクトも派手になってしまったような気がする。
そういえばイベント起こってるけど、ヒロインはどうしているのかしらと探ってみたら別のモブと仲良くしていらっしゃった。侯爵令息の三男らしい。お相手もまんざらでもなさそうで青春していた。なんでだよ。いいけどさ。幸せそうでほっこりはしたし。応援もしてるし、なんなら相談にも乗っている。ヒロインちゃんというだけあって本当に可愛くて素敵な子だから幸せになってほしい。攻略対象と波乱万丈なラブコメして死の危機に晒されるよりよっぽど今のほうがいいと思うし大賛成だ。
そんなこんなで奔走しているうちに2年生の進級パーティがあと数日でやってくる。時は早いね。
エスコートは弟に頼んであるので問題ない。断罪ぼっちにはなり得ない。そう安心しきっていると事件は起きた。
……なんでうちに攻略対象が勢揃いしてるんです……? いや弟は置いておいて、他の3人がいるのおかしくないです……? 王子に騎士に先生に、あなたたちここにいたら駄目でしょ。自分の家にお帰りなさいな。え、断罪の序章的なやつかこれ。
「揃いも揃ってどうされたんですか?」
「ジャネットにエスコートはどうするのか聞こうと思ってな。よければ俺が……」
「……エスコート、ですか……? カイルに頼もうかと思っておりますし、問題はございませんが……」
「っ、義弟に頼んだのか……!?」
ということでここで冒頭に戻る。
「っ、ジャネット、俺と婚約しよう。エスコートも俺がしよう。元々は俺の婚約者だったのだからそれが道理というものだろう?」
「はい? 殿下、それは頂けないですね。――姉さん、いや、ジャネット、僕とずっと一緒にいよう? 今までもこれからも、ずっと大好きだからさ。元々エスコートも僕がする予定だったし、今更変える必要ないよ」
「ジャネット様、出会ったそのときからお慕いしておりました。わたくしではあなたの隣は不足でしょうか? どうかあなたのエスコートをするという名誉をわたくしに与えてくださいませんか?」
「僕も君のことを愛してる! 僕のことをすごいって言ってくれる優しい君が、大好きなんだよ……! お願い、君のエスコートは僕に任せて?」
「……………………はい?」
エスコート、と言っていたっけ。どうして婚約とかいう話になるんだ、とつい眉間にシワを寄せてしまった。……あぁ、確かにこの2年の進級式は婚約するのに最適だと言われる時期だった。だから基本的に家族以外でエスコートを頼んだ相手が婚約者と見なされるとかいう面倒くさい風習があったな、そういえば。だから弟に頼んで…………あ、血が繋がってないからよく考えたらグレーゾーンなのか。そういえば義弟だったわ。
「あの、」
「誰にするんだ、勿論俺だよな?」
「僕だよね、姉さん?」
「わたくしでしょう?」
「僕にしてよ……!」
そこでピコンと、もはや慣れ親しんだ通知音が鳴った。すると問答無用で目の前にステータスボードが出てくる。
……ん? フラグ破壊∞の説明? 今更?
…………フラグ破壊∞は不幸な出来事をフラグに触れることで回避させることができるスキルです。このスキルはフラグを破壊する毎にその出来事の重大さに相当するだけの好感度が相手に加算されます…………?
なんで今更言うんだよあのクソ野郎(神)。今更すぎるよ。命を救うレベルのフラグ破壊してるんだからそりゃこうなるよね、納得はした。受け入れられてはいないけど。
「なにそれ先に言ってよ…………」
本当にどうしてくれよう。目の前で私に迫る4人を見て、私は大きくため息をついた。
そういえばイベント起こってるけど、ヒロインはどうしているのかしらと探ってみたら別のモブと仲良くしていらっしゃった。侯爵令息の三男らしい。お相手もまんざらでもなさそうで青春していた。なんでだよ。いいけどさ。幸せそうでほっこりはしたし。応援もしてるし、なんなら相談にも乗っている。ヒロインちゃんというだけあって本当に可愛くて素敵な子だから幸せになってほしい。攻略対象と波乱万丈なラブコメして死の危機に晒されるよりよっぽど今のほうがいいと思うし大賛成だ。
そんなこんなで奔走しているうちに2年生の進級パーティがあと数日でやってくる。時は早いね。
エスコートは弟に頼んであるので問題ない。断罪ぼっちにはなり得ない。そう安心しきっていると事件は起きた。
……なんでうちに攻略対象が勢揃いしてるんです……? いや弟は置いておいて、他の3人がいるのおかしくないです……? 王子に騎士に先生に、あなたたちここにいたら駄目でしょ。自分の家にお帰りなさいな。え、断罪の序章的なやつかこれ。
「揃いも揃ってどうされたんですか?」
「ジャネットにエスコートはどうするのか聞こうと思ってな。よければ俺が……」
「……エスコート、ですか……? カイルに頼もうかと思っておりますし、問題はございませんが……」
「っ、義弟に頼んだのか……!?」
ということでここで冒頭に戻る。
「っ、ジャネット、俺と婚約しよう。エスコートも俺がしよう。元々は俺の婚約者だったのだからそれが道理というものだろう?」
「はい? 殿下、それは頂けないですね。――姉さん、いや、ジャネット、僕とずっと一緒にいよう? 今までもこれからも、ずっと大好きだからさ。元々エスコートも僕がする予定だったし、今更変える必要ないよ」
「ジャネット様、出会ったそのときからお慕いしておりました。わたくしではあなたの隣は不足でしょうか? どうかあなたのエスコートをするという名誉をわたくしに与えてくださいませんか?」
「僕も君のことを愛してる! 僕のことをすごいって言ってくれる優しい君が、大好きなんだよ……! お願い、君のエスコートは僕に任せて?」
「……………………はい?」
エスコート、と言っていたっけ。どうして婚約とかいう話になるんだ、とつい眉間にシワを寄せてしまった。……あぁ、確かにこの2年の進級式は婚約するのに最適だと言われる時期だった。だから基本的に家族以外でエスコートを頼んだ相手が婚約者と見なされるとかいう面倒くさい風習があったな、そういえば。だから弟に頼んで…………あ、血が繋がってないからよく考えたらグレーゾーンなのか。そういえば義弟だったわ。
「あの、」
「誰にするんだ、勿論俺だよな?」
「僕だよね、姉さん?」
「わたくしでしょう?」
「僕にしてよ……!」
そこでピコンと、もはや慣れ親しんだ通知音が鳴った。すると問答無用で目の前にステータスボードが出てくる。
……ん? フラグ破壊∞の説明? 今更?
…………フラグ破壊∞は不幸な出来事をフラグに触れることで回避させることができるスキルです。このスキルはフラグを破壊する毎にその出来事の重大さに相当するだけの好感度が相手に加算されます…………?
なんで今更言うんだよあのクソ野郎(神)。今更すぎるよ。命を救うレベルのフラグ破壊してるんだからそりゃこうなるよね、納得はした。受け入れられてはいないけど。
「なにそれ先に言ってよ…………」
本当にどうしてくれよう。目の前で私に迫る4人を見て、私は大きくため息をついた。
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