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I.少女が本を抱く理由
三度目の偶然‐逃げるよ!‐
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駅が目前に見えた広い大通りを僕ら三人で歩きながら話す。
「しかしそんな危ねえもん。よく直で持ってられるよな」
ジャッジが言うことに僕も「確かに」と笑っていた。
話題は本のことになる。解読不明の言葉で何が書かれているかを三人で面白予想にして膨らませていた。
昼下がりの空は晴れている。時間に合わせずもう太陽は山脈の陰になろうとしていて、追うように飛行機雲が一筋走っていた。
綺麗だと思って眺めていたら不意にジャッジが言った。
「でもよ。何が書いてあるかも分かんねえし、誰が何で狙ってんのか分かんねえような本なんか、捨てるか燃やすかして処分しちまった方が良いんじゃねえの?」
僕は内心「確かに」と思った。
だけどアルゼレアはそれで足を止めたらしい。
彼女がついて来ていないことに遅れて気付いた僕らは、立ち止まって振り返ることになった。
「どうかした?」
「……」
真面目な顔で俯き、少し体に力が入っている。
「処分して良い本なんてありません」
そう一言アルゼレアは言う。感情を押し殺して言ったように僕は感じた。
「どんな危険な内容が書いてあったとしても、それは本を失くして良い理由にはなりません。本に罪は無いんです。本は人の言葉だから……」
アルゼレアが続きに詰まると思いがけずその目から涙が一粒落ちていく。
女性の涙に男は弱いと言うけれど、例外の人は「泣くかぁ?」なんて無神経なことが言えたものだ。
「……ジャッジ?」
「はいはい。ごめんごめん」
友人を叱ってから僕はアルゼレアのもとに戻った。
あんまり綺麗にしてないかもだけど僕からハンカチを渡してその涙は一旦拭いてもらう。
「ごめんね。アルゼレア」
アルゼレアはパッと顔を上げた。
「君が本をすごく大事にしていたのに酷いことを言った。ごめん」
ここでハンカチは僕に返される。黒いレースの手袋をした彼女の手でだ。火の中から本を救ったと聞いたんだった。
ハンカチをポケットに仕舞いつつ、ふと僕は顔を上げた。
駅とは反対方向の少し寂れた街路に視線を滑らせる。するとだ。離れたところで不審な男が目に止まった。
「……アルゼレア?」
「は、はい」
呼びかけておき、男の行動を見張った。
でも僕が勘付いた通りその男はすぐに行動に移す。頬を掻くような素振りをしながら何か口元で喋ったように動かした。
シルクハットとトレンチコートを身に付ける男だ。そんな格好でこの極寒の地は難しいだろう。
「逃げるよ!!」
男が走り出すのを見て、僕はアルゼレアの腕を持って横道へと入る。後から慌ててジャッジも同じ道に追いついてきた。
「何でだよ! 置いてくな!?」
「政府警察だ! たぶん僕を追いかけてきたんだ!」
息を切らして複雑に角を曲がると、ジャッジはそれでも「何でだよ!」と言ってくる。
「その場で本渡せば良いだろう」
「ダメだ! この本は渡らせちゃいけない!」
「はああ!?」
追っ手はひとりから複数人に増え、時々正面から出会ってしまうこともある。足を止めれば絶えず僕らを追う足音が後ろから聞こえて来ていた。
「二手に分かれよう!」
僕とアルゼレア。ジャッジはひとりで分岐点を分けた。
僕らの走る道には飲食店の裏口が開いたところがある。そこに滑り込んで扉を閉めた。中に店主がいたかもしれないけど料理の音で侵入者には気付いていない。
扉の向こうで複数人の足音が通り過ぎて行く。
十分に間を空けてから扉を開くと、警察が行った方向に僕らも急いだ。
細道の終わりは大通りに繋がっていた。
近くに追う影が無いことを確認したら急いで通りに止まるタクシーに乗り込む。もちろんアルゼレアにも乗ってもらっている。
ジャッジのことは……大丈夫だろう。実はそんなに心配していない。
「国立図書館までお願いします。遠回りでも良いのでなるべく大通りを選んで行ってください」
「ええっ?」
急がなくても良いという注文に少し戸惑った運転手さんだったけど、タクシーはすぐに扉が閉まって発車する。
最初こそ緊張が取れずに不安が勝っていたけど、この車が駅からかなり離れてくるとだんだん落ち着いてきた。
「はぁ……怖かったぁ……」
気が緩むと心の声も構わずに出てしまう。
隣にアルゼレアが居るというのも後で思い出して、僕は苦笑で誤魔化そうとした。この時だけは気を合わせて微笑んでほしいと思う僕だった。
「あ、ありがとうございました。……でもどうして」
「君にとって大切な本だっただろう? なんだか渡してしまうと酷い扱いをされるような気がしたから」
そう言うとアルゼレアがほんの少し微笑んだ気がした。
しかしそこで急に車内が暗くなる。僕もアルゼレアも同時に軽い悲鳴を上げた。だけど怪奇現象でも何でもなくて車がトンネルに入っただけだ。
そんな二人の体験がおかしくて僕らは顔を合わせて正真正銘笑い合った。
何気に彼女の笑うところを見るのが初めてだ。それについてもだいぶ安心した僕がいる。
トンネルを抜けたらアルゼレアが尋ねてきた。
「フォルクスさんって言うんですか」
「あ、うん。フォルクス・ティナー。君は……アルゼレアで合ってるよね?」
ずっと決めつけてかかっていたけど、まさかここで違っていることもあり得る。だとしたら相当失礼なことをした。
「合ってます。ベル・アルゼレア」
「よかった」
いやはや本当によかった。
「それにしても三度も偶然会うなんて凄いことだよね」
「三度?」
「ああ、そっか。実は僕と君、フェリー乗り場で会う前にバスの中でも出会ってるんだよ。君が僕のネームカードを拾ってくれた」
嬉しくなって流暢になる僕だったけど、アルゼレアの反応がいまいちで途中でやめてしまう。どこで誰と出会ったかなんてそんなに覚えていられるものじゃない。
「まあそれはいいや」
苦笑しているとアルゼレアが首を振った。そして「覚えてます」と言った。
「本当に?」
「はい」
相変わらず真顔でだけど頷いてくれて、僕からは少し笑みがこぼれる。
人から覚えられるっていうのは結構嬉しいもんなんだな。
暖房の効いた車内で心もあったかくなっている。だけどこれまでのことを思い浮かべていたら「あっ」と思い出した。
「あのさ。君の傘なんだけど……」
バスの中でアルゼレアが忘れた傘。僕がそれを持って彼女を追いかけたけど叶わなかった。
「大事な傘だったりしたかな? 実は、前の家を引っ越す時に他の家具と一緒に業者に渡してしまったんだよね……」
こうなる未来があの時見えていたら傘を持ち出したと思うんだ。心で思うことを口にしたら言い訳がましくなりそうでやめておく。
ここではもう傘は戻らないということをアルゼレアに伝えて謝った。
「大丈夫です。気にしないでください」
「ほ、本当に?」
「はい」
「……」
彼女がそう言うから信じれば良いんだろうけど。表情なしに言われると、なかなか素直な言葉のまま受け取るのは難しいな。
夜へと変わる街並みをタクシーは走っていく。車内でそれなりに話が弾んだと思うけど、まだ僕はアルゼレアのことを掴みきれていない。
「しかしそんな危ねえもん。よく直で持ってられるよな」
ジャッジが言うことに僕も「確かに」と笑っていた。
話題は本のことになる。解読不明の言葉で何が書かれているかを三人で面白予想にして膨らませていた。
昼下がりの空は晴れている。時間に合わせずもう太陽は山脈の陰になろうとしていて、追うように飛行機雲が一筋走っていた。
綺麗だと思って眺めていたら不意にジャッジが言った。
「でもよ。何が書いてあるかも分かんねえし、誰が何で狙ってんのか分かんねえような本なんか、捨てるか燃やすかして処分しちまった方が良いんじゃねえの?」
僕は内心「確かに」と思った。
だけどアルゼレアはそれで足を止めたらしい。
彼女がついて来ていないことに遅れて気付いた僕らは、立ち止まって振り返ることになった。
「どうかした?」
「……」
真面目な顔で俯き、少し体に力が入っている。
「処分して良い本なんてありません」
そう一言アルゼレアは言う。感情を押し殺して言ったように僕は感じた。
「どんな危険な内容が書いてあったとしても、それは本を失くして良い理由にはなりません。本に罪は無いんです。本は人の言葉だから……」
アルゼレアが続きに詰まると思いがけずその目から涙が一粒落ちていく。
女性の涙に男は弱いと言うけれど、例外の人は「泣くかぁ?」なんて無神経なことが言えたものだ。
「……ジャッジ?」
「はいはい。ごめんごめん」
友人を叱ってから僕はアルゼレアのもとに戻った。
あんまり綺麗にしてないかもだけど僕からハンカチを渡してその涙は一旦拭いてもらう。
「ごめんね。アルゼレア」
アルゼレアはパッと顔を上げた。
「君が本をすごく大事にしていたのに酷いことを言った。ごめん」
ここでハンカチは僕に返される。黒いレースの手袋をした彼女の手でだ。火の中から本を救ったと聞いたんだった。
ハンカチをポケットに仕舞いつつ、ふと僕は顔を上げた。
駅とは反対方向の少し寂れた街路に視線を滑らせる。するとだ。離れたところで不審な男が目に止まった。
「……アルゼレア?」
「は、はい」
呼びかけておき、男の行動を見張った。
でも僕が勘付いた通りその男はすぐに行動に移す。頬を掻くような素振りをしながら何か口元で喋ったように動かした。
シルクハットとトレンチコートを身に付ける男だ。そんな格好でこの極寒の地は難しいだろう。
「逃げるよ!!」
男が走り出すのを見て、僕はアルゼレアの腕を持って横道へと入る。後から慌ててジャッジも同じ道に追いついてきた。
「何でだよ! 置いてくな!?」
「政府警察だ! たぶん僕を追いかけてきたんだ!」
息を切らして複雑に角を曲がると、ジャッジはそれでも「何でだよ!」と言ってくる。
「その場で本渡せば良いだろう」
「ダメだ! この本は渡らせちゃいけない!」
「はああ!?」
追っ手はひとりから複数人に増え、時々正面から出会ってしまうこともある。足を止めれば絶えず僕らを追う足音が後ろから聞こえて来ていた。
「二手に分かれよう!」
僕とアルゼレア。ジャッジはひとりで分岐点を分けた。
僕らの走る道には飲食店の裏口が開いたところがある。そこに滑り込んで扉を閉めた。中に店主がいたかもしれないけど料理の音で侵入者には気付いていない。
扉の向こうで複数人の足音が通り過ぎて行く。
十分に間を空けてから扉を開くと、警察が行った方向に僕らも急いだ。
細道の終わりは大通りに繋がっていた。
近くに追う影が無いことを確認したら急いで通りに止まるタクシーに乗り込む。もちろんアルゼレアにも乗ってもらっている。
ジャッジのことは……大丈夫だろう。実はそんなに心配していない。
「国立図書館までお願いします。遠回りでも良いのでなるべく大通りを選んで行ってください」
「ええっ?」
急がなくても良いという注文に少し戸惑った運転手さんだったけど、タクシーはすぐに扉が閉まって発車する。
最初こそ緊張が取れずに不安が勝っていたけど、この車が駅からかなり離れてくるとだんだん落ち着いてきた。
「はぁ……怖かったぁ……」
気が緩むと心の声も構わずに出てしまう。
隣にアルゼレアが居るというのも後で思い出して、僕は苦笑で誤魔化そうとした。この時だけは気を合わせて微笑んでほしいと思う僕だった。
「あ、ありがとうございました。……でもどうして」
「君にとって大切な本だっただろう? なんだか渡してしまうと酷い扱いをされるような気がしたから」
そう言うとアルゼレアがほんの少し微笑んだ気がした。
しかしそこで急に車内が暗くなる。僕もアルゼレアも同時に軽い悲鳴を上げた。だけど怪奇現象でも何でもなくて車がトンネルに入っただけだ。
そんな二人の体験がおかしくて僕らは顔を合わせて正真正銘笑い合った。
何気に彼女の笑うところを見るのが初めてだ。それについてもだいぶ安心した僕がいる。
トンネルを抜けたらアルゼレアが尋ねてきた。
「フォルクスさんって言うんですか」
「あ、うん。フォルクス・ティナー。君は……アルゼレアで合ってるよね?」
ずっと決めつけてかかっていたけど、まさかここで違っていることもあり得る。だとしたら相当失礼なことをした。
「合ってます。ベル・アルゼレア」
「よかった」
いやはや本当によかった。
「それにしても三度も偶然会うなんて凄いことだよね」
「三度?」
「ああ、そっか。実は僕と君、フェリー乗り場で会う前にバスの中でも出会ってるんだよ。君が僕のネームカードを拾ってくれた」
嬉しくなって流暢になる僕だったけど、アルゼレアの反応がいまいちで途中でやめてしまう。どこで誰と出会ったかなんてそんなに覚えていられるものじゃない。
「まあそれはいいや」
苦笑しているとアルゼレアが首を振った。そして「覚えてます」と言った。
「本当に?」
「はい」
相変わらず真顔でだけど頷いてくれて、僕からは少し笑みがこぼれる。
人から覚えられるっていうのは結構嬉しいもんなんだな。
暖房の効いた車内で心もあったかくなっている。だけどこれまでのことを思い浮かべていたら「あっ」と思い出した。
「あのさ。君の傘なんだけど……」
バスの中でアルゼレアが忘れた傘。僕がそれを持って彼女を追いかけたけど叶わなかった。
「大事な傘だったりしたかな? 実は、前の家を引っ越す時に他の家具と一緒に業者に渡してしまったんだよね……」
こうなる未来があの時見えていたら傘を持ち出したと思うんだ。心で思うことを口にしたら言い訳がましくなりそうでやめておく。
ここではもう傘は戻らないということをアルゼレアに伝えて謝った。
「大丈夫です。気にしないでください」
「ほ、本当に?」
「はい」
「……」
彼女がそう言うから信じれば良いんだろうけど。表情なしに言われると、なかなか素直な言葉のまま受け取るのは難しいな。
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