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「じゃあ、篠田さんにも凛について聞いた方が良いって事だよな。」
俺と須羽は、カフェテリアでコーヒーを飲みながら話す。
「一応聞いてみようぜ。真下さんの見解が正しいなら2人は仲良かったはずだから、今でも連絡とってるかもしれない。篠田さんが凛ちゃんの居場所を知らなくても何かヒントになる事を知ってるかも。」
そう言うと、須羽は頭を抱える。
「なんか俺、これ以上凛を探しだしても意味がない気がしてきたんだけど。凛は少なくとも、自分の意思でいなくなったんだよな。探し出したとしても、嫌がられるのがオチじゃねーかって思うんだけど。」
須羽が言いたくなる気持ちもわかる。
自分が好きだった子が、今の現実が嫌だからと行方をくらましたんだ。
自分の存在は彼女にとってたいした物じゃないと言われてるのと同じだ。
「それでも、見つけ出そうぜ。これは、凛ちゃんだけの問題じゃないんだぜ。
井崎未来も、他にも凛ちゃんと同じ場所にいる子が大勢いるかもしれないだろ?」
俺がそう言うと、須羽はまだ納得してなさそうだが、
「篠田さんに後で連絡してみるよ。」
と言う。
「あっ、恭弥。この間のボランティアのBBQの写真が、SNSにあがってたぜ。流華ちゃんとお前のツーショットがあったんだよ。見てみろよ。」
と俺に勧めてくる。流華の2人での写真は嬉しいけど、今は複雑な気分だな。
さっき、篠田さんと流華のイチャイチャを見たから特にだな。
「ほらこれ。」
と言って須羽が俺に見してくる。
俺と流華でゴミ拾いをしている写真だった。確かによく撮れていた。
篠田さんと流華の組み合わせ程釣り合ってないが、俺と流華もカップルに見えない事もない。
その時俺はまた何かが引っかかった。
前にも感じたこの感覚。
自分が何に違和感を感じているのかわからないが、とにかく何か見落としてる気がする。
集中しろ。集中、、、。
ん?
ちょっと待て、、、。
「須羽?このアカウント、アースシッププロジェクトのアカウントか?」
俺は須羽に聞く。
「そうだよ。ほら活動報告とかも載せてる。」
「このロゴは?」
俺は須羽にアースシッププロジェクトのアイコンを指差す。
「え?多分このボランティア団体のロゴじゃない?」
俺はそのロゴを何処かで見た事があるような気がしていた。
海の上を鳥が飛んでいるようなマーク。
その鳥がsweepの少女達がつけていたキーホルダーのロゴの鳥に良く似ていたのだ。
初めて篠田さんに会った時。
篠田さんはこの鳥のキーホルダーをバックにつけていた。
多分、アースシッププロジェクトのキーホルダーだが、新宿の少女達が持っていたキーホルダーに良く似ていたから、俺は違和感を持ったんだ。
「そういえば篠田さんが前に言ってたな。鳥のように自由に活動出来るように、ロゴを鳥にしたって。」
自由に、、、。
sweepの美優が言ってたな。
イブに自由なんだから好きに生きていけるって言われたー
なんだか、俺の頭の中で嫌な妄想が広がっていく。
あの日、新宿であったイブは俺を見て逃げたんだ。
俺の事を知っていたんじゃないか?
だから思わず逃げたんでは?
いやいや、そんなわけないよな。
俺の勝手な妄想だ。
篠田さんがイブとか、そんなわけないよな。
仮に篠田さんがイブだったとして、何の為に少女を集めてるんだ。
しかも、あんな幼い子ばかり。
「須羽、あのBBQの日、色んな所の社長とか御曹司とか凄い人間ばかり来てたよな。」
「そうだな。篠田さんの人脈って凄いよな。大学で企業して、急激に会社大きくしてさ。」
「どうやったんだろう?」
「え?」
「どうやってあんなに人脈を広げて会社を成長させたんだろう。」
「さあ、、、。でも、元々あの人は、カリスマ性があったんだよ。ソーラン節サークルも一気に人数増やしたのは篠田さんの力だし。やっぱりすげーのよ。」
「それだけで、あれだけの偉い人達とお近づきになれるかな。」
「前に篠田さんが出した本に書いてあったけど、チェスで人脈を広げたって。」
「何だよそれ。」
「わかんないけど、いちいちおしゃれだよな。チェスで今の地位を確率したって。社長とかって意外に、チェスや将棋を趣味にしてる人が多いみたいだぜ。まあ、ゴルフとかもそうだけど。だから、チェスでコミュニケーションをとって、仕事をとったって事じゃないか?」
そういえば、篠田さんが良くチェスバーに行くといっていたな。
もしかして、それが目的で行っていたのか?
「篠田さんが行くチェスバーって何処だろう?」
「さあ?でも多分会員制とかで紹介じゃなきゃ入れないとかいうバーじゃないかな?お前行きたいの?」
そうだよな。きっと一般人が入れるバーじゃない。
流華、、、。
流華はこの間連れていってもらってたよな?流華に連れていってもらうか。
でも、俺が篠田さんを怪しんでるって言ったら、流華は怒るかな?
流華は今篠田さんに夢中なんだろうし。
俺が悩んでると、須羽が声をかけてくる。
「どうしたんだよ、恭弥なんか変だぞ。」
俺は自分の考えが正しいのかわからなくなって、須羽に全部を話す。
須羽は驚いた様だったが、しまいに笑い出した。
「篠田さんがなんでロリコン設定なんだよ。絶対にないって。ありえない。考えすぎだよ。お前、篠田さんに流華ちゃんを取られたからって妄想がすぎるよ。」
須羽は、篠田さんへの元々の信頼もあるから、そんな風には思いたくないのだろう。
でも俺は何故か篠田さん=イブ
としか思えなくなっていた。
ロゴマークの鳥だって、たまたま似ていただけと言い訳はつくが、でも偶然に思えなかった。
流華と1度話しがしたい。
でも今頃篠田さんと一緒だ。
流華が帰ってくるのを待つか、、、。
俺は須羽と別れて新宿の叔父さんの事務所へ向かった。
俺と須羽は、カフェテリアでコーヒーを飲みながら話す。
「一応聞いてみようぜ。真下さんの見解が正しいなら2人は仲良かったはずだから、今でも連絡とってるかもしれない。篠田さんが凛ちゃんの居場所を知らなくても何かヒントになる事を知ってるかも。」
そう言うと、須羽は頭を抱える。
「なんか俺、これ以上凛を探しだしても意味がない気がしてきたんだけど。凛は少なくとも、自分の意思でいなくなったんだよな。探し出したとしても、嫌がられるのがオチじゃねーかって思うんだけど。」
須羽が言いたくなる気持ちもわかる。
自分が好きだった子が、今の現実が嫌だからと行方をくらましたんだ。
自分の存在は彼女にとってたいした物じゃないと言われてるのと同じだ。
「それでも、見つけ出そうぜ。これは、凛ちゃんだけの問題じゃないんだぜ。
井崎未来も、他にも凛ちゃんと同じ場所にいる子が大勢いるかもしれないだろ?」
俺がそう言うと、須羽はまだ納得してなさそうだが、
「篠田さんに後で連絡してみるよ。」
と言う。
「あっ、恭弥。この間のボランティアのBBQの写真が、SNSにあがってたぜ。流華ちゃんとお前のツーショットがあったんだよ。見てみろよ。」
と俺に勧めてくる。流華の2人での写真は嬉しいけど、今は複雑な気分だな。
さっき、篠田さんと流華のイチャイチャを見たから特にだな。
「ほらこれ。」
と言って須羽が俺に見してくる。
俺と流華でゴミ拾いをしている写真だった。確かによく撮れていた。
篠田さんと流華の組み合わせ程釣り合ってないが、俺と流華もカップルに見えない事もない。
その時俺はまた何かが引っかかった。
前にも感じたこの感覚。
自分が何に違和感を感じているのかわからないが、とにかく何か見落としてる気がする。
集中しろ。集中、、、。
ん?
ちょっと待て、、、。
「須羽?このアカウント、アースシッププロジェクトのアカウントか?」
俺は須羽に聞く。
「そうだよ。ほら活動報告とかも載せてる。」
「このロゴは?」
俺は須羽にアースシッププロジェクトのアイコンを指差す。
「え?多分このボランティア団体のロゴじゃない?」
俺はそのロゴを何処かで見た事があるような気がしていた。
海の上を鳥が飛んでいるようなマーク。
その鳥がsweepの少女達がつけていたキーホルダーのロゴの鳥に良く似ていたのだ。
初めて篠田さんに会った時。
篠田さんはこの鳥のキーホルダーをバックにつけていた。
多分、アースシッププロジェクトのキーホルダーだが、新宿の少女達が持っていたキーホルダーに良く似ていたから、俺は違和感を持ったんだ。
「そういえば篠田さんが前に言ってたな。鳥のように自由に活動出来るように、ロゴを鳥にしたって。」
自由に、、、。
sweepの美優が言ってたな。
イブに自由なんだから好きに生きていけるって言われたー
なんだか、俺の頭の中で嫌な妄想が広がっていく。
あの日、新宿であったイブは俺を見て逃げたんだ。
俺の事を知っていたんじゃないか?
だから思わず逃げたんでは?
いやいや、そんなわけないよな。
俺の勝手な妄想だ。
篠田さんがイブとか、そんなわけないよな。
仮に篠田さんがイブだったとして、何の為に少女を集めてるんだ。
しかも、あんな幼い子ばかり。
「須羽、あのBBQの日、色んな所の社長とか御曹司とか凄い人間ばかり来てたよな。」
「そうだな。篠田さんの人脈って凄いよな。大学で企業して、急激に会社大きくしてさ。」
「どうやったんだろう?」
「え?」
「どうやってあんなに人脈を広げて会社を成長させたんだろう。」
「さあ、、、。でも、元々あの人は、カリスマ性があったんだよ。ソーラン節サークルも一気に人数増やしたのは篠田さんの力だし。やっぱりすげーのよ。」
「それだけで、あれだけの偉い人達とお近づきになれるかな。」
「前に篠田さんが出した本に書いてあったけど、チェスで人脈を広げたって。」
「何だよそれ。」
「わかんないけど、いちいちおしゃれだよな。チェスで今の地位を確率したって。社長とかって意外に、チェスや将棋を趣味にしてる人が多いみたいだぜ。まあ、ゴルフとかもそうだけど。だから、チェスでコミュニケーションをとって、仕事をとったって事じゃないか?」
そういえば、篠田さんが良くチェスバーに行くといっていたな。
もしかして、それが目的で行っていたのか?
「篠田さんが行くチェスバーって何処だろう?」
「さあ?でも多分会員制とかで紹介じゃなきゃ入れないとかいうバーじゃないかな?お前行きたいの?」
そうだよな。きっと一般人が入れるバーじゃない。
流華、、、。
流華はこの間連れていってもらってたよな?流華に連れていってもらうか。
でも、俺が篠田さんを怪しんでるって言ったら、流華は怒るかな?
流華は今篠田さんに夢中なんだろうし。
俺が悩んでると、須羽が声をかけてくる。
「どうしたんだよ、恭弥なんか変だぞ。」
俺は自分の考えが正しいのかわからなくなって、須羽に全部を話す。
須羽は驚いた様だったが、しまいに笑い出した。
「篠田さんがなんでロリコン設定なんだよ。絶対にないって。ありえない。考えすぎだよ。お前、篠田さんに流華ちゃんを取られたからって妄想がすぎるよ。」
須羽は、篠田さんへの元々の信頼もあるから、そんな風には思いたくないのだろう。
でも俺は何故か篠田さん=イブ
としか思えなくなっていた。
ロゴマークの鳥だって、たまたま似ていただけと言い訳はつくが、でも偶然に思えなかった。
流華と1度話しがしたい。
でも今頃篠田さんと一緒だ。
流華が帰ってくるのを待つか、、、。
俺は須羽と別れて新宿の叔父さんの事務所へ向かった。
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