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27話

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だからと言ってなんだっていうんだ。そもそもトーアの脅威は首輪さえあれば問題ないし、主人が死ねば彼だって死ぬ契約を果たしている。

なにより魔族でもないしっかりとした人間だし、大して問題ではない。

残すとこ考えられるのは、俺が命を適当に扱っていることに不満を持っているとか。まあ、下手したら心●だならな。

「トーア、今日はなんだか様子がおかしいぞ。どうしたんだ。」
「そ、の………………………あれ?すみません……不調の原因は。」

訝しげにする俺に先ほどの態度とは打って変わって、無表情に切り替わったことに、首輪が発動したのだとすぐに理解した。ユースに嘘はつけないので先程の発言は隠そうとする考えから出たものではない。なんとも恐ろしい代物だ。

少し彼の運命を憐れに思わないわけがない。

首輪を外してやりたいのは山々だが、外してありのままに感情を知って果たしてそれは幸せなのか。俺には判断できかねない。………まあ、彼の家系の秘宝みたいなものだから簡単に解除できないだろうが。

もう衣服として役目を果たさない裂かれたものを燃やして証拠隠滅するように伝えると、すぐに灰すら残さないで消滅させてくれた。

とりあえずすべきことが終わり一安心していると、部屋のドアがノックもなしに開かれた。もちろんこんなことするのは相変わらず1人しかいない。

「ユースちゃんここにいたの!?探したんだからね!……あっ、それより大変よ!最近少なくなって来たなと思ってたら、本当に魔力供給が途絶えてしまったの!どうしましょう、魔物に十分な餌を与えられないわ。」
「………あー、」

心当たりしかない話に頭をかく。間違いなくレウォラの魔力を搾取する機器を外したせいだとは思うが………いや、どう言い訳しようかと考えてはいたのだが、結局案が浮かばず未来の俺に託してこれだ。過去の裕也を恨んでおこう。

「代わりになる魔力の水源を探さなくてはいけないが……そうだな。………一時凌ぎ程度だが俺に良い案がある……。」
「本当!?」
「ああ、だからその間水源調査を頼む。」
「任せてちょうだい。」

魔物は魔族とは完全に別で、現実世界でいう……動物のことを指す。王城へ行くための馬だって魔物にあたる。何故なら魔力を糧に生きているからだ。異世界ゲームをやり込んだ俺は「魔物」と聞くとどうしても悪いイメージが出てくるので当初は苦労したものである。

さて、魔族から搾り取ってた魔力は切れてしまった。何故なら魔力の水源は自然によるものではなく人工物で、この前からその機器を取り外したのは無論俺だ。

こうなると餌をどうするか頼むのは1人しかいないわけであって………。

ハンス魔族の王子に協力を促すしかない。



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