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26話

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眠ることは好きだが、ここまで快眠なのも初めてだ。目覚めがいいことに感動していると、ここでふと身動きが取れないことぎ気がつく。

腹も脚もガッチリと見覚えのあるやつに身体で後ろから拘束されているとこが判明した。

俺はここで寝てしまったのか……というか今何時だろう。

「おいレウォラ、離してくれ。」
「…………。」
「……起きてるだろ?」
「ドコ、行く……」
「あー、そろそろ戻らないとまずいんだ。また来るから。いい子にしといてくれ。」
「…………ヤダ…………。」

子供みたいで少し可愛らしく感じてしまうが、特段幼子っていう見目ではないし、なんなら魔族ってだけあって俺より年上かもしれない。

「頼むから帰らせてくれないか?ここがバレたら2度と来れなくなる。」
「!ソれは、ダメ!!」

慌てて馬鹿力の拘束を解いてくれた彼は、名残惜しそうに出口まで見送ってくれた。流石に出て行かないように封印はしているので地上には来れないが、あの寂しそうか顔を見ると無性に罪悪感で溢れてしまう。ハンスが血眼になって探す理由がよく分かるような気がした。









真昼間と言わんばかりの眩しさに、多少暗闇に慣れた目には毒すぎて思わず地面をみた。いつもは朝になるまでにはしれっと寝室に戻るので怪しまれているかもしれない。

「トーア、いるか。」
「はいこちらに…………っえ、」

ある程度噴水から距離をとった後、1番信頼している従者の名をあげれば一瞬で背後に現れる。

しかし流石の首輪の力で感情を失っているトーアも驚いた声をあげるのは仕方のないことだろう。緊張でかいた大量の汗に、右肩の服があった場所は裂けきってしまい、傷口は何故か治っているものの、一日放置したおかげで固まった血液。
それから口もともレウォラが血液を乱雑に流し込んできたせいで、血がこびりついており、何もなかったなんていう状況ではなかった。

「絶対に誰も見つからずに近くの部屋まで匿ってくれ。それから着替えとタオルを持って来て欲しい。」
「………。」
「トーア?」
「、?あっ、!はい。かしこまりました。」

珍しく反応が遅れたトーアに疑問を抱きつつも、周囲の気配に敏感なトーアは少しボロめの小屋まで本当に人1人見つからずに連れて来てくれた。

着替えもいつ取りに行ったのか分からないくらいに普通に隣に衣服があったので、それを着ようと服を脱ごうとしたが、やはり腐っても貴族なだけあって、ごちゃごちゃした服は着方も脱ぎ方もイマイチ掴めていない。

元々ユースは着替えは人にやらせていたタチなので、自然と肩にトーアの手が伸びてきて補助をしてくれる。おかげで支障なく生活できているのだが、今日はどうも彼のの挙動不審な動きが目立った。

主人がこうなったらそりゃ驚く………いや悪業を重ねてきたユースの血なんてとうに見慣れているはず……

……まさかどうしてこうなったか勘付かれてしまったというのか!?
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