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あれから数十年経った。人の世界と魔族の世界では時間の流れは大差ないっぽいので多分それくらいだろう。
今自分はざっと掃除を終わらせたあと、魔物肉の骨の部分や食べられない所を切り落とし、肉と血を分けて食べやすくする。
昔はこのまま血を吸い上げていたので、顔面が汚れるだけでなく、飛び散って掃除が大変だったものだから俺が一手間加えるようにしている。
「そろそろ起こしに行かないと。」
昔は昼間でも無理やり空を暗くして会いにきてくれていたが、人間という生態がざっくりわかったのか何年か前から棺で眠るようになった。
「レグウィンさん。起きてください。」
コンコンとノックをすると「うっ」という声が聞こえる。彼はどうやら寝起きが悪いらしく、なかなか出てこようとしない。
「ん…………ああ、カーレスか。」
やっとのことで起き上がった彼はやはり焦点があっておらず、目が覚めるのは食卓についてからだった。
「レグウィンさん…もうすぐお肉が底をつきそうなのでまたお願いします。」
「わかった。そろそろ何匹かかかっている頃だろう。」
と俺が用意したものを丁寧に食す様はやはりどこかの貴族のようで、
はあ……かっこいいなあ。
長年この素晴らしい容姿の上少し抜けている所がある(そこはかわいい)し、紳士なのだから惚れないものなどどこにいるというのか。
見事この吸血鬼に魅了されてしまった。相変わらずレグウィンさんは俺のことを弟のようだと認識いるからもどかしい。
さてそんな自分が完全に堕とされてしまったのは遡ること数年前。俺が間違えて敷地から出てしまった時のことである。
今自分はざっと掃除を終わらせたあと、魔物肉の骨の部分や食べられない所を切り落とし、肉と血を分けて食べやすくする。
昔はこのまま血を吸い上げていたので、顔面が汚れるだけでなく、飛び散って掃除が大変だったものだから俺が一手間加えるようにしている。
「そろそろ起こしに行かないと。」
昔は昼間でも無理やり空を暗くして会いにきてくれていたが、人間という生態がざっくりわかったのか何年か前から棺で眠るようになった。
「レグウィンさん。起きてください。」
コンコンとノックをすると「うっ」という声が聞こえる。彼はどうやら寝起きが悪いらしく、なかなか出てこようとしない。
「ん…………ああ、カーレスか。」
やっとのことで起き上がった彼はやはり焦点があっておらず、目が覚めるのは食卓についてからだった。
「レグウィンさん…もうすぐお肉が底をつきそうなのでまたお願いします。」
「わかった。そろそろ何匹かかかっている頃だろう。」
と俺が用意したものを丁寧に食す様はやはりどこかの貴族のようで、
はあ……かっこいいなあ。
長年この素晴らしい容姿の上少し抜けている所がある(そこはかわいい)し、紳士なのだから惚れないものなどどこにいるというのか。
見事この吸血鬼に魅了されてしまった。相変わらずレグウィンさんは俺のことを弟のようだと認識いるからもどかしい。
さてそんな自分が完全に堕とされてしまったのは遡ること数年前。俺が間違えて敷地から出てしまった時のことである。
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