【吸血鬼×人間】俺の血を吸ってくれよ、このカタブツ!!

りゅの

文字の大きさ
上 下
5 / 5

5話

しおりを挟む
あれから数十年経った。人の世界と魔族の世界では時間の流れは大差ないっぽいので多分それくらいだろう。

今自分はざっと掃除を終わらせたあと、魔物肉の骨の部分や食べられない所を切り落とし、肉と血を分けて食べやすくする。

昔はこのまま血を吸い上げていたので、顔面が汚れるだけでなく、飛び散って掃除が大変だったものだから俺が一手間加えるようにしている。

「そろそろ起こしに行かないと。」

昔は昼間でも無理やり空を暗くして会いにきてくれていたが、人間という生態がざっくりわかったのか何年か前から棺で眠るようになった。

「レグウィンさん。起きてください。」

コンコンとノックをすると「うっ」という声が聞こえる。彼はどうやら寝起きが悪いらしく、なかなか出てこようとしない。

「ん…………ああ、カーレスか。」

やっとのことで起き上がった彼はやはり焦点があっておらず、目が覚めるのは食卓についてからだった。

「レグウィンさん…もうすぐお肉が底をつきそうなのでまたお願いします。」
「わかった。そろそろ何匹かかかっている頃だろう。」

と俺が用意したものを丁寧に食す様はやはりどこかの貴族のようで、

はあ……かっこいいなあ。

長年この素晴らしい容姿の上少し抜けている所がある(そこはかわいい)し、紳士なのだから惚れないものなどどこにいるというのか。

見事この吸血鬼に魅了されてしまった。相変わらずレグウィンさんは俺のことを弟のようだと認識いるからもどかしい。

さてそんな自分が完全に堕とされてしまったのは遡ること数年前。俺が間違えて敷地から出てしまった時のことである。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

匂いがいい俺の日常

とうふ
BL
高校1年になった俺の悩みは 匂いがいいこと。 今日も兄弟、同級生、先生etcに匂いを嗅がれて引っ付かれてしまう。やめろ。嗅ぐな。離れろ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

かわいい息子がバリタチだった

湯豆腐
BL
主人公は、中田 秀雄(なかた ひでお)36歳サラリーマン。16歳の息子と2人暮らし。 残業で深夜に帰宅したとき、息子・真央(まお)が男と性行為をしている姿を目撃してしまう! 【注意】BL表現、性描写がかなりあります。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

囚われた元王は逃げ出せない

スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた そうあの日までは 忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに なんで俺にこんな事を 「国王でないならもう俺のものだ」 「僕をあなたの側にずっといさせて」 「君のいない人生は生きられない」 「私の国の王妃にならないか」 いやいや、みんな何いってんの?

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

とある美醜逆転世界の王子様

狼蝶
BL
とある美醜逆転世界には一風変わった王子がいた。容姿が悪くとも誰でも可愛がる様子にB専だという認識を持たれていた彼だが、実際のところは――??

処理中です...