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3話 〈ここから子供視点〉
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目が覚めるとそこには真っ暗な部屋で今は深夜かというくらい何も見えない。
「…やっぱり夢じゃなかった。」
もう眠れそうもないのでそっとカーテンであろう布を引っ張ると痛いくらいに眩しい光が差した。
俺の名前は…なんだったか覚えていないし、正直記憶も曖昧だが間違いなくここの住人でないことは断言できる。
おそらく助けてくれたであろう吸血鬼……レグウィンさんはどこに行ったのだろうか。
逸話の話が本当なら日光がある今は、外に出られないので篭っているのだろう。
だからといって気まぐれでここに置かれているような状況で態々会いに行くほど勇敢ではないし、無謀でもない。
まあこの仮説が正しかったら夜には会うことになるのだろうけど。
それにしても、やっぱり夢なんかじゃないかと思うくらい現実味がない。俺が昨日読んだ漫画の世界にでも転生してしまったようだ。
それにレグウィンさんはびっくりするほど容姿が整っており、紅の瞳に燃えるような赤毛で見ているだけで熱くなってしまいそうだ。しかし、自分が寝る前に触れられた手は死人のように冷たく、やはり人間ではないのだとわからせられた。
ーー探検でもしようかな。
レグウィンさんは「ここにいろ。」と言っていただけで、特に何かを禁じるようなことは言わなかった。もし入ってはいけない所は鍵でも施されているだろう。
ここに居座るのはあまりにも知らなさすぎる。
改めて辺りを見渡すとここは貴族が住むような豪華な屋敷だ。しかし何年も前のようで……いや何百年?
とにかく手入れされてないのか蜘蛛の巣が張り巡られてあったり、血痕が残ってあったり、窓ガラスが割れていたりとなかなか悲惨な状況だ。
豪華なお化け屋敷と言ったところか。
ふと甘い香りと血生臭さに気がつき足を止める。恐る恐るそこを覗くと沢山の花びらや動物?(見たことはないけど)の亡骸が積まれていた。
「なんだろう…これ……ご飯?……俺の?」
「…いやそれは僕のだ。」
「うわっ!?」
と突如聞いたことのある声が後ろからして勢いよく倒れそうになるとこを寸前で支えてくれる。
「赤子よ……危ないだろう。」
「っ!だって急に後ろから現れるから!それに子供くらいの歳だと思うんですけど…。」
「ふむ…赤子は子供なのか。」
「…?」
ちょっと違う言葉の解釈をされてる感は否めないが、とりあえず訂正できたことに良しとする。そう頷いている間に、レグウィンさんはメモをしているようだった。多分俺のことだと思うが。
「寝てるのではなかったのですか。」
「もう陽はない。」
「え!?」
慌てて窓に近づけば本当に夜になっていた。まだそんなに経っていないはずなのに。
「僕が暗くした。君が動き始めたからね。」
発言的に完全に動物扱いだが、もう気にするのはやめた。終始ニコニコと楽しそうに笑っているのを見て怒る気力も、逆らう力さえない。
無駄に容姿が整いすぎているせいで、その顔に免じて許している節はあるかもしれない。
「人間は何を食べるだろう。花か?」
「いや、ここにあるのはちょっと……」
動物?の肉でグロテスクな上、結構暖かいから腐っている可能性もある。正直この年齢で見てはいけないものだろう。
「確実なのは精を取らせることだが…」
「せい?」
「そうだな接吻……口を合わせて僕の生命をわけるというーーー」
「っーー!!そっ、それってき、キスじゃないですか!」
「?」
何をそんなに恥ずかしがるのだろうかという顔をしているがたまったもんじゃない。まだファーストキスもまだだというのに、吸血鬼……しかも(多分だけど)男の人とだなんて真っ平ごめんだ。
「火を通せばこのお肉は食べられる気がしてきました…。」
「おお、人は火と肉を一緒に食すのか。なるほど」
また斜め上の解釈をされたが快く魔法のようなもので火を貸してくれたので焼いてみた。腐ってはなさそうで、味も鶏肉に近くとても美味しかった。
「…やっぱり夢じゃなかった。」
もう眠れそうもないのでそっとカーテンであろう布を引っ張ると痛いくらいに眩しい光が差した。
俺の名前は…なんだったか覚えていないし、正直記憶も曖昧だが間違いなくここの住人でないことは断言できる。
おそらく助けてくれたであろう吸血鬼……レグウィンさんはどこに行ったのだろうか。
逸話の話が本当なら日光がある今は、外に出られないので篭っているのだろう。
だからといって気まぐれでここに置かれているような状況で態々会いに行くほど勇敢ではないし、無謀でもない。
まあこの仮説が正しかったら夜には会うことになるのだろうけど。
それにしても、やっぱり夢なんかじゃないかと思うくらい現実味がない。俺が昨日読んだ漫画の世界にでも転生してしまったようだ。
それにレグウィンさんはびっくりするほど容姿が整っており、紅の瞳に燃えるような赤毛で見ているだけで熱くなってしまいそうだ。しかし、自分が寝る前に触れられた手は死人のように冷たく、やはり人間ではないのだとわからせられた。
ーー探検でもしようかな。
レグウィンさんは「ここにいろ。」と言っていただけで、特に何かを禁じるようなことは言わなかった。もし入ってはいけない所は鍵でも施されているだろう。
ここに居座るのはあまりにも知らなさすぎる。
改めて辺りを見渡すとここは貴族が住むような豪華な屋敷だ。しかし何年も前のようで……いや何百年?
とにかく手入れされてないのか蜘蛛の巣が張り巡られてあったり、血痕が残ってあったり、窓ガラスが割れていたりとなかなか悲惨な状況だ。
豪華なお化け屋敷と言ったところか。
ふと甘い香りと血生臭さに気がつき足を止める。恐る恐るそこを覗くと沢山の花びらや動物?(見たことはないけど)の亡骸が積まれていた。
「なんだろう…これ……ご飯?……俺の?」
「…いやそれは僕のだ。」
「うわっ!?」
と突如聞いたことのある声が後ろからして勢いよく倒れそうになるとこを寸前で支えてくれる。
「赤子よ……危ないだろう。」
「っ!だって急に後ろから現れるから!それに子供くらいの歳だと思うんですけど…。」
「ふむ…赤子は子供なのか。」
「…?」
ちょっと違う言葉の解釈をされてる感は否めないが、とりあえず訂正できたことに良しとする。そう頷いている間に、レグウィンさんはメモをしているようだった。多分俺のことだと思うが。
「寝てるのではなかったのですか。」
「もう陽はない。」
「え!?」
慌てて窓に近づけば本当に夜になっていた。まだそんなに経っていないはずなのに。
「僕が暗くした。君が動き始めたからね。」
発言的に完全に動物扱いだが、もう気にするのはやめた。終始ニコニコと楽しそうに笑っているのを見て怒る気力も、逆らう力さえない。
無駄に容姿が整いすぎているせいで、その顔に免じて許している節はあるかもしれない。
「人間は何を食べるだろう。花か?」
「いや、ここにあるのはちょっと……」
動物?の肉でグロテスクな上、結構暖かいから腐っている可能性もある。正直この年齢で見てはいけないものだろう。
「確実なのは精を取らせることだが…」
「せい?」
「そうだな接吻……口を合わせて僕の生命をわけるというーーー」
「っーー!!そっ、それってき、キスじゃないですか!」
「?」
何をそんなに恥ずかしがるのだろうかという顔をしているがたまったもんじゃない。まだファーストキスもまだだというのに、吸血鬼……しかも(多分だけど)男の人とだなんて真っ平ごめんだ。
「火を通せばこのお肉は食べられる気がしてきました…。」
「おお、人は火と肉を一緒に食すのか。なるほど」
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