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魔法回路の強化
魔法回路の強化.10 ※
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喉を反らせて、我を忘れて大声で叫びながら、感じたこともない大きな快楽の波にのまれて激しく手足を震わせる。びく、びく、と腰が跳ね上がり、射精感に近い強烈な快感が頭の先まで突き抜けていった。
しかし、それは、ただ精液を出して迎えた絶頂とは全く質が違う。一瞬で終わり、後はぼんやりとした空虚な感覚の中を漂うような快感とは違って、延々と頂上の近くに留まり続けて、ユーミルを決して離してはくれない。不規則に激しく痙攣する内腿の間に身を置くグレンは、ようやく顔を上げ、真っ赤な唇をピチャリと舐め回しながらユーミルの大事な部分を解放してくれた。
「………あ……ッ…。…は…ぁ…っ…、…あッ…!」
「…ふふ、ご馳走様。ちゃんと三回、イけたじゃないか。偉いぞ、ユーミル。しかも最後は、女の子みたいにイッちゃったね…?」
「…やっ…そんなこと…!……っ、ひぁッ…?!…もう…許して…ぇ…」
最後に一度、ユーミルの中をぐるりと掻き回してから、グレンはようやく指を引き抜く。その刺激だけでも、すっかり敏感になった内側には、もう強過ぎて堪え切れない。涙でぐちゃぐちゃになった顔を歪めて、快楽と恥ずかしさの狭間ですすり泣くユーミルの黒髪を、グレンの指先が絡め取って頭をそっと撫でてくれた。
今まで、両親以外からこれほど優しく頭を撫でられたことはない。全身は時折まだびくびくと不規則に痙攣していたし、息は全速力で階段を駆け上がった時よりはるかに荒く上がっていたし、涙と啜り泣きは止まらなかったのだが、何故だか、グレンの温かく穏やかな掌が、とても心地よく心を落ち着けてくれる。
グレンが、ローブの袖口から取り出した柔らかな布で、すっかり濡れて汚れてしまった下半身を丁寧に拭き清めてくれる間、ユーミルは恥ずかしさにもじもじしながらも、その手に身を委ねてほうっと深く安堵の息を吐いた。少なくともこの大魔法学校に入園してからというもの、ユーミルにここまで優しく接してくれた者は、他に誰一人としていない。
涙は止まったが、まだぼんやりしたエメラルド色の瞳をグレンに向け、ゆっくりとまばたきをする。
「……あの、この特訓…って…。成果は…出たんでしょうか…?」
「ん?安心しなさい、ユーミル。ボクはただ、役得だけを味わいに来た訳じゃないさ。…まずは、ベッドに座ってご覧。…そら」
グレンが短い声で呪文を唱えると、ユーミルの身体に纏わり付いていた桃色の触手植物は、心得たように動いて、持ち上げていたユーミルをベッドの上にそっと座らせた。そして、ざわざわと蠢きながら植木鉢の中に吸い込まれるようにして見る間に縮み、元通りの、何の変哲もない静かな観葉植物へと姿を変える。
花園の結界といい、この触手状に形を変える観葉植物といい、花の妖精の血を半分引くグレンは、植物を操る魔法を得意としているのだろうか。青い月影の花園に囲まれてにこやかに笑う美しい青年が、なぜ自分をここまで気に掛けてくれるのか、それはまだよく解らなかったのだが、少なくとも解るのは、グレンは最初に考えていたよりもずっと優しい、暖かな体温を持つ人物だということ。
昨日より幾分か落ち着いてベッドに腰を降ろしたユーミルの下腹に、グレンは、銀色のアークワンドを構えてぼうっと魔法回路を浮かび上がらせる。血管のように全身を巡る回路の変化は流石のユーミルにも理解できて、下腹の辺りに手を触れながら、驚きと共に大きく息を飲む。
「……これ…、さっきよりも、ずっと赤い光が強くなってる…!」
「あはは、荒療治の甲斐があったね、ユーミル。活力の路をたっぷり鍛えたお陰で、閉じていた魔法回路が一気に開いたんだ。…うん、でも、まだまだだな…。キミに万全の体勢で卒業試験に臨んでもらうには、これだけじゃ足りない。本当はボクの活力を分けて上げられればいいんだけど…でも、そういうことは、結婚が決まってからするものだろ?」
「……はぁ…」
下腹を中心に、橙色から燃える赤色が広がる魔法回路の様子を見ていると、自然とやる気と自信が満ち溢れてくるように感じた。それにしても、グレンの『結婚』や『性行為』への感覚は、恋愛沙汰に疎いユーミルには理解しにくいものだ。
しかし、それは、ただ精液を出して迎えた絶頂とは全く質が違う。一瞬で終わり、後はぼんやりとした空虚な感覚の中を漂うような快感とは違って、延々と頂上の近くに留まり続けて、ユーミルを決して離してはくれない。不規則に激しく痙攣する内腿の間に身を置くグレンは、ようやく顔を上げ、真っ赤な唇をピチャリと舐め回しながらユーミルの大事な部分を解放してくれた。
「………あ……ッ…。…は…ぁ…っ…、…あッ…!」
「…ふふ、ご馳走様。ちゃんと三回、イけたじゃないか。偉いぞ、ユーミル。しかも最後は、女の子みたいにイッちゃったね…?」
「…やっ…そんなこと…!……っ、ひぁッ…?!…もう…許して…ぇ…」
最後に一度、ユーミルの中をぐるりと掻き回してから、グレンはようやく指を引き抜く。その刺激だけでも、すっかり敏感になった内側には、もう強過ぎて堪え切れない。涙でぐちゃぐちゃになった顔を歪めて、快楽と恥ずかしさの狭間ですすり泣くユーミルの黒髪を、グレンの指先が絡め取って頭をそっと撫でてくれた。
今まで、両親以外からこれほど優しく頭を撫でられたことはない。全身は時折まだびくびくと不規則に痙攣していたし、息は全速力で階段を駆け上がった時よりはるかに荒く上がっていたし、涙と啜り泣きは止まらなかったのだが、何故だか、グレンの温かく穏やかな掌が、とても心地よく心を落ち着けてくれる。
グレンが、ローブの袖口から取り出した柔らかな布で、すっかり濡れて汚れてしまった下半身を丁寧に拭き清めてくれる間、ユーミルは恥ずかしさにもじもじしながらも、その手に身を委ねてほうっと深く安堵の息を吐いた。少なくともこの大魔法学校に入園してからというもの、ユーミルにここまで優しく接してくれた者は、他に誰一人としていない。
涙は止まったが、まだぼんやりしたエメラルド色の瞳をグレンに向け、ゆっくりとまばたきをする。
「……あの、この特訓…って…。成果は…出たんでしょうか…?」
「ん?安心しなさい、ユーミル。ボクはただ、役得だけを味わいに来た訳じゃないさ。…まずは、ベッドに座ってご覧。…そら」
グレンが短い声で呪文を唱えると、ユーミルの身体に纏わり付いていた桃色の触手植物は、心得たように動いて、持ち上げていたユーミルをベッドの上にそっと座らせた。そして、ざわざわと蠢きながら植木鉢の中に吸い込まれるようにして見る間に縮み、元通りの、何の変哲もない静かな観葉植物へと姿を変える。
花園の結界といい、この触手状に形を変える観葉植物といい、花の妖精の血を半分引くグレンは、植物を操る魔法を得意としているのだろうか。青い月影の花園に囲まれてにこやかに笑う美しい青年が、なぜ自分をここまで気に掛けてくれるのか、それはまだよく解らなかったのだが、少なくとも解るのは、グレンは最初に考えていたよりもずっと優しい、暖かな体温を持つ人物だということ。
昨日より幾分か落ち着いてベッドに腰を降ろしたユーミルの下腹に、グレンは、銀色のアークワンドを構えてぼうっと魔法回路を浮かび上がらせる。血管のように全身を巡る回路の変化は流石のユーミルにも理解できて、下腹の辺りに手を触れながら、驚きと共に大きく息を飲む。
「……これ…、さっきよりも、ずっと赤い光が強くなってる…!」
「あはは、荒療治の甲斐があったね、ユーミル。活力の路をたっぷり鍛えたお陰で、閉じていた魔法回路が一気に開いたんだ。…うん、でも、まだまだだな…。キミに万全の体勢で卒業試験に臨んでもらうには、これだけじゃ足りない。本当はボクの活力を分けて上げられればいいんだけど…でも、そういうことは、結婚が決まってからするものだろ?」
「……はぁ…」
下腹を中心に、橙色から燃える赤色が広がる魔法回路の様子を見ていると、自然とやる気と自信が満ち溢れてくるように感じた。それにしても、グレンの『結婚』や『性行為』への感覚は、恋愛沙汰に疎いユーミルには理解しにくいものだ。
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